概要
CV:子安武人
手刀による斬撃を主とする極十字聖拳の使い手で、世間では「死鳥鬼」とあだ名される凄腕の拳法家。ユダヤ人の少女エリカ・アレントの行く末をめぐり主人公の霞拳志郎と対峙するが、後に和解し彼の朋友の一人となる。
師父・魏瑞鷹の影響で訛り口調で喋り、一人称に「オラァ」という独特の表現をする。
世間では鬼として畏怖される彼だが、その内面には仲間への篤い情を内包している。作中では、泣くエリカを励ます際に二本指(人差し指と中指)で口の両端を押し上げて見せ「笑え」いってみせるシーンが印象的である。義に厚い側面もあり、とある経緯からギーズを死なせたにもかかわらず、自身に生きる道を与えてくれた拳志郎に対して「自分がギーズの代わりに助ける」と言った事もあった。
作中での動向
もともとは物資輸送の警護を生業とする北平漂局で運び屋として働いていた。その強さと残酷さから「死鳥鬼」とあだ名され、馬賊からも恐れられていた。
しかし、とある物品輸送の依頼で護衛することになった少女エリカの温もりに触れたことでその心に変化があらわれ、以後、彼女を命懸けで守ろうとする。しかし、その思いが行き過ぎて、希望の目録(エリカ)を譲渡する相手であるギーズとは、エリカを守るという目的は同じだったにもかかわらず、彼の強さではエリカは守れないとして殺してしまう事になる。これがきっかけでギーズの朋友であり、師父の強敵の息子でもある拳志郎と関わるようになる。
拳志郎との死闘を覚悟した飛燕は、エリカの温もりにより人間性を取り戻した自身を再び死鳥鬼へと変貌させるため、エリカを拳志郎の妻で青幇の御大でもある玉玲に託し、自らは返り血の化粧を被り死地に赴く。そしてドイツ軍の襲撃で命を落とした兄弟子・彪白鳳に代わって、拳志郎と激闘を繰り広げる。独自の鍛錬で培った素早い手の動きによる「千の手」を武器に拳志郎の拳と接戦を繰り広げるも、拳志郎の「千一本目の手」である天破活殺が決め手となり敗北。自らの死期を悟り自決しようとするが駆けつけたエリカに止められ、以降は拳志郎と和解し朋友となる。
その後、拳志郎と青幇の計らいにより、人里離れた教会で神父として生きる道を与えられ、エリカとは親子の契りを交わし、平穏な暮らしを送った。
…しかしそれも束の間、拳志郎から西斗月拳の話を聞いてから数日後、件の西斗の生き残りであるヤサカの標的にされ、捕縛される。北斗の抹消を目論むヤサカは、極十字聖拳からそのルーツである北斗の技を見切ろうと考え、飛燕を拷問により極限状態まで追い込んだ上で直接対決に挑む。そうした中でも飛燕はヤサカに果敢に挑むも、彼の「見えない拳」相雷拳の前に敗北する。
なんとか既の所で拳志郎が駆けつけ救出されるも、すでに死を免れない重傷を負っていた飛燕は、エリカには自らの死を隠すように懇願する。拳志郎はそれに答え、明け方の港で小舟に載せて飛燕を流し、今生の別れを交わした。最期は船の上でエリカのことを思いながら息を引き取った。
飛燕の死からしばらく後、拳志郎はヤサカと死闘を繰り広げることになるが、このときヤサカは北斗への長年の恨みが虚偽のものであることを知り絶望、飛燕殺しをはじめ自ら犯した重責を償うために拳志郎に討たれようとするも、拳志郎は飛燕が別れの際に遺言として「己の拳を復讐に染めない」ことを約束していたことを語りヤサカに生きる道を与え、エリカもまた(多少の恨み節を込めつつも)ヤサカを許し、共に飛燕の墓前で冥福を祈った。その後の展開は漫画版『リジェネシス』、TVアニメ版『REGENESIS』で大きく異なるものの、いずれの作品においてもヤサカはエリカを命を賭して守り続けている。
蒼天の拳REGENESISでの飛燕
2018年放送のTVアニメ『蒼天の拳REGENESIS』では拳志郎たちとの邂逅が若干異なる。
エリカを託すために落合う約束をしていたギーズがヤサカに襲撃され、彼の今際の叫びを聞き駆けつけた拳志郎と鉢合わせする。飛燕は、拳志郎をギーズを殺した犯人と疑い問答無用で強襲する。その後は原作同様、拳志郎との死闘を経て朋友となった。
また、本作には義兄である彪白鳳は登場しておらず、代わりにとある経緯から義弟(もとい弟子)となった女拳士・流緋鶴が登場した。
Pixivでは
その凛々しい風貌もさることながら「手刀による斬撃を使用する拳法家」「死闘を経て主人公の親友になる」といった共通点などから、ファンの間では本作のルーツでもある『北斗の拳』の登場人物・レイを連想されることが多く、Pixivにおいても両者を関連付けたイラスト作品がいくつか見られる。
因みにパチスロ版から飛燕の声を担当する子安武人氏は、後にゲーム『北斗無双』シリーズにてレイの声を担当している。