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概要編集

CV:若本規夫(パチンコ)、佐藤せつじ(REGENESIS)


北斗神拳経絡秘孔技術の源流にあたる西斗月拳(せいとげっけん)の使い手で、その拳の開祖である月氏族の血を引く男。かつて西斗を滅ぼした北斗を激しく憎み、北斗神拳の現・伝承者である霞拳志郎をはじめ、北斗に携わる者達を全て抹殺し、葬られた西斗月拳の名を再び地上に知らしめるという野望を抱いている。


人物像編集

癖の強い長髪に、顎と口元に髭を蓄えた渋い顔立ち。瞳の色は緑で、これは彼の出自である月氏族に共通する身体的特徴である。普段は黒い帽子とロングコートを纏っているが、その下はアジア系の装いとなっている。首には祖先から代々受け継がれてきた緑色の勾玉を下げているが、これが後に西斗と北斗の長きにわたる因縁の真実を知る鍵となった。


その行動理念は常に北斗への憎悪に起因され、たとえ偽物と判りきっていても北斗を名乗る者に容赦をしない。ときには奇襲や人質といった方法で相手を追い詰めようとするなど手段を選ばない冷徹な性格であるが、神の教えにより女性は決して傷付けないことをモットーとしており、拳志郎の妻である玉玲を人質にしようという意見を却下している。


また、命乞いをする相手をからかってみせたり、拳を見るために捕らえた流飛燕を拷問して楽しんだりなど、ある意味、拳志郎にも共通するサディスティックな側面も持つ。


彼の使う西斗月拳は、相手に気付かれず、尚且つ素早く秘孔を捉える術に長け、北斗神拳同様に暗殺拳としての側面が強い。曰く、西斗月拳の技は複数の秘孔を突くことで完成され、すべてが終わればどんな相手も確実に死亡するという。また、ときには鋭利な針や矢を使い複数の秘孔を狙い撃ちにするという高度な技も披露している。


作中での動向編集

来歴編集

はるか昔、後の北斗神拳創始者・シュケンが、西斗月拳が世で悪用されることを未然に防ぐため、西斗の門弟として拳を学び、その秘孔技術を体得。その後、北斗宗家の高僧の命に従い、当時の伝承者と12人の高弟を皆殺しにした。そしてシュケンは、北斗宗家の拳に西斗月拳の秘孔技術を取り込んだ史上最強の暗殺拳・北斗神拳を完成させたという。


唯一生き残ったとある西斗月拳の使い手を引くヤサカは、その経緯から北斗に対し2000年分の憎しみを抱き、北斗を打倒した上で西斗月拳の名を再び地上に知らしめようと目論む。


大湖弊の用心棒として編集

当初は世間に虐げられる貧民・百姓のために強盗を働き、国民党の資金を奪ったことで彼らに捕縛される。その後、「大湖弊」の総帥・杜天風により買い取られ用心棒として活動。杜との因縁から彼の首を付け狙う北斗劉家拳の使い手・劉宗武や、大湖弊と上海の覇権を競う「青幇」に身を置く拳志郎の暗殺を依頼される。


はじめ宗武を強襲し怪我を負わせるも、命を奪うまでには至らなかった。その数日後、劉家拳を源流とする極十字聖拳の使い手・流飛燕に目をつけ、囮を使い襲撃した末に捕縛する。飛燕を監禁・拷問した上で、その拳から北斗の流れを見切ろうとした。その後、飛燕を捜索して現れた拳志郎と拳を交えるも、国民党軍の攻撃で邪魔されその場は退却した。


しばらくは杜の船で身を隠すも、青幇の攻撃により船は沈没。杜も宗武らに追い詰められ死亡したため、以降は単独で北斗への復讐を企てるようになる。


西斗破滅の真相編集

杜の死後は寧波に渡り宗武と再戦するが、戦いの中で宗武の成長を感じ取る。同時に、宗武と拳志郎による「天授の儀」が行われることから、敢えて二人をその場で闘わせた上で、勝利した方を倒そうと考え、二人の天授の儀を見届ける。


その後、天授の儀の勝者である拳志郎に挑むが、北斗の菩提寺に密かに保管されていたシュケンのものとされる勾玉から、西斗月拳が滅んだ真の歴史や、自身の血統を知ることになる。


実はシュケンは高弟たちを殺害したものの、婚約関係にあり自身の子を身籠っていたヤーマだけは殺すことができなかった。ヤーマは、シュケンが望む平和のために自ら奈落へと身を投げる形でシュケンの前から姿を消すも、既の所で西斗の守護獣である狼に命を救われていた。


その後、ヤーマはシュケンの子を出産。しかし、月氏の民たちは裏切り者であるシュケンの血を引くその赤ん坊を許さず殺害しようと付け狙い、ヤーマ母子は逃亡の末にとうとう捕縛される。ヤーマは、罪があるのは子ではなくシュケンを愛した自身にあるとし、自らの胸に刃をつきたて、己の命を引き換えに子は助けて欲しいと懇願しながら死亡。その行為に感じ入った民は、ヤーマの子を殺さず、かといって保護もせず、赤ん坊を砂漠に捨て置いて去っていった。赤ん坊は、後に狼によって乳を与えられて生き延びた。


その子供こそがヤサカの祖先であり、つまりヤサカは激しく憎んでいたシュケンの血が自身に流れている事を知る。加えて、ヤサカの精神の中にヤーマが現れ、ヤサカたち子孫がシュケンへの愛から生かされたことと、その事実を世に悟らせぬため北斗への憎悪で覆い隠していたことを知らされる。


拳志郎との決着編集

ヤーマの真意を知り、偽りの復讐のために飛燕を手に掛けた自らの罪深さを感じ死のうとするが、自害できないという掟があるため、拳志郎に止めをさしてもらおうと再戦する。当初はその本意を悟らせまいと、己の宿命が偽りであったことに激昂し、その怒りの矛先を拳志郎にぶつけようとしているように演じたが、拳志郎からはその放たれる奥義に殺気がなく、ヤサカが自身に討たれようとしていることを看破される。


それでもヤサカは、飛燕の件を引き合いに出し尚も自身を倒し仇をとるように懇願するも、拳志郎もまた朋友・飛燕の遺言により、己の拳を復讐に染めないことを誓っていた。拳志郎からシュケンの勾玉を託され、愛し合った二人の魂を寄り添わせることを頼まれると共に、ヤサカ自身も生きることを願われる。


拳志郎と共に上海へと戻ったヤサカは、飛燕の義子となったエリカの下を訪れ、自身が飛燕を殺したことを名乗り謝罪した。いかなる罰も受ける覚悟で、彼女に銃を渡し自らの生死を委ねたが、エリカからは、先刻拳志郎から託された二つの勾玉を指され「それを守るかぎり いずれナチスがあなたを殺すわ」と言ってのけられると共に「ただ飛燕のために祈って欲しい」と告げられ、飛燕の墓の前で冥福を祈った。


第二部『蒼天の拳リジェネシス』編集

オランダ軍将校ボー・ボンネフェルトに拉致されたエリカを救うため、拳志郎と共に戦闘機を使いオランダ軍の戦艦に降り立つ。拳志郎とは常々下らない口喧嘩を交わしており、以前よりも打ち解けている様子が見られる。また、内心ではエリカを心配していたことを指摘されると頬を赤らめて言いどもるなど珍しい一面をみせた。


その後、尋問したボーの口から発せられたエリカの出自や、拳志郎や自身の技とは違うボーの不可解な死に様などから、強大な敵の影をみる。当初は「これ以上首を突っ込まないほうがいいかもな」としていたが、ボーの死に方は間違いなく「北斗」の拳によるものと察し、その正体や希望の目録の真実を確かめるべく、三人はオランダ領インドネシアへ向かう。


TVアニメ『蒼天の拳 REGENESIS』編集

2018年版アニメでは設定が原作とは若干異なり、杜天風や劉宗武との接点が存在せず(そもそも二人が登場していない)、単独で北斗の拳士たちを付け狙う存在となっている。それでも、政府軍と何らかの接点があるようではあるが。


原作では飛燕によって殺害されたシャルル・ド・ギーズもヤサカによる犯行とされ、その場に居合わせた飛燕と拳志郎がお互いを犯人と勘違いし拳を交える要因となった。


後に拳志郎たちと和解したヤサカは、ギーズ殺害の瞬間を目撃していた北大路剛士の「光る拳」という証言や遺体に残っていた焼け焦げた傷跡などから、彼の死因が西斗月拳によるものではないことを知る。同時にそれらが、かつて伝え聞いたナハシュの民が編み出したとされる「天斗聖陰拳(てんとせいいんけん)」なる古の拳法であると推測した。


その後、裏切り者として政府軍の追撃を受け、青幇もろとも始末されそうになるが、拳志郎らと共闘し玉玲たちを逃がすよう奮戦。その中で、自身の新たな生きる使命としてエリカを守ることを宣言する。

日中戦争が激化したため、拳志郎や玉玲、エリカと共にインドネシアに渡尼したが、天斗聖陰拳の宗教結社「ジェネシス」がエリカを拉致。

エリカ救出のために拳志郎と共にジェネシスのアジトに乗り込むがヒムカとの対決に敗北。

瀕死になるが、最後の力を振り絞ってアジトの自爆からエリカたちを逃して瓦礫の中に消えていった。


余談編集

我が神は

その名前が『東方Project』の登場キャラクター・八坂神奈子やさか かなこ)の名前とかぶるため、たびたびネタにされている。


関連タグ編集

蒼天の拳

西斗月拳 経絡秘孔

復讐 暗殺者

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