リュウケン(北斗の拳)
りゅうけん
「南斗聖拳と北斗神拳は表裏一体!争ってはならぬ」
「わたしが養子の約束をしたのはひとり。ふたりはいらぬ!!」
「そんなことは神が許さぬぞ!!」
戸谷公次(テレビアニメ版/壮年期)
大塚周夫(新劇場版シリーズ)、
町田政則(リバイブ)
郷里大輔(蒼天の拳 CDドラマ
<少年時代>
近藤隆(蒼天の拳 テレビアニメ版)
榎木淳弥(蒼天の拳 REGENESIS)
【流派】北斗神拳
【技】七星点心、北斗仙気雷弾
第63代北斗神拳伝承者。若い頃、北斗琉拳の魔力に心を狂わされたジュウケイに戦いを挑まれ、苦戦するものの勝利。ジュウケイに己を取り戻させる。その後、ケンシロウやラオウ、トキをジュウケイから託されると、これにジャギを加えた4人を次の伝承者候補として鍛え上げる。ケンシロウを伝承者に決めた際、後顧の憂いを除くためにラオウの拳を封じようとするが、戦いの最中に病の発作が起こり、その隙を突かれて殺害された。
北斗神拳第63代伝承者であり、主人公・ケンシロウの先代伝承者。
本編ではすでに故人であり、ケンシロウや彼の兄弟弟子であるラオウ・トキ・ジャギの回想シーンにのみ登場する。
跡継ぎとなる男児に恵まれなかったため、ラオウ・トキ・ジャギ・ケンシロウの4名(俗に北斗四兄弟と呼ばれる)を養子にとり北斗神拳を授ける。兄弟それぞれが非凡な才能を開花させていくが、長兄であるラオウの強い野心を抑えられず、北斗神拳の掟に従いラオウを倒す事で拳を封じようとするが、とどめを刺そうとした瞬間に病の発作が起こった為逆に彼の手により葬られてしまう(ケンシロウには病死であると伝えられていた)。
同じ一子相伝の暗殺拳伝承者でも厳しさと愛情を両立させた南斗鳳凰拳オウガイ(サウザーの師)とは違い情け容赦の無い教育及び徹底した放任主義(但し公式外伝によるとジャギだけは父として本気で愛していた模様)。
作中でも、義父母と死別したラオウとトキの兄弟を出会いがしらに谷底に突き落とし「先に這い上がってきたどちらか一方のみを面倒みる」と言い放ったり、修行においても傷付いて動けなくなったケンシロウやラオウを放置したり、道場破りにやってきたフドウに立ち向った門下生達を見殺しにし、フドウが金や食料を強奪するのを見過ごしたりしている。(ラオウに関しては、その時治療したユリアにラオウが惚れてしまい、結果的とはいえ彼女が北斗の抗争に巻き込まれる遠因を作っている)
キムを「才能がない」と早々に破門したにもかかわらず、銃や含み針などの卑劣な手段を常々用いるジャギのことは伝承者を決定するまで破門せずに候補に置いておくなど、浅はかな考えが目立つ。
ジャギ外伝『極悪ノ華』ではジャギに対する親心があったとされており、ジャギへの深い愛故にケンシロウ、ラオウ、トキ達のような命を懸ける修行をジャギには課したくなかったようだ。
逆に『真・北斗無双』のジャギ編では、伝承者を見極める試験の前の時点でジャギとラオウは落ちる事が確定する様に仕組んだり、ジャギに「本当の子どものように思っていた」、「伝承者候補の中でもっとも純粋な心を持っていたから選んだ、自分だけの愛を探せ」という心にもない大嘘をつき、速攻で嘘を見破ったジャギに「もうてめぇを親父とは呼ばねぇ」と見限られてしまうなど、人として如何なものかと言える面が前面に出ている(同作においてジャギが暴走した原因の大半は、リュウケンの人として如何なものかと言える言動によるもの)。
結果的に、ケンシロウやトキのように弱きを助ける救世主を輩出しつつ、ジャギやラオウのようにその力で覇権を握ろうとする因子も生み出してしまった、良くも悪くも後世に大きな影響を与えた人物でもある。
しかし、こうした言動は原作者の武論尊先生のその場しのぎ的な後付け設定の責任を嫌という程に押し付けられたのが原因であり、彼自身も少年漫画に切っても切れないありきりな後付け設定の被害者の一人と言える。
実写映画版のリュウケン
死後もたびたびケンシロウの前に現れては北斗の宿命を説いたりするが、時には墓からゾンビとして這い上がったり、時にはリンに取り憑いたりとと、その手段はもはや悪霊のそれである。
旧劇場版のリュウケン
原作とは異なり北斗神拳の伝承者に選んだケンシロウがシンにユリアを強奪され、胸に七つの傷をつけられた時点までは生存。
ラオウにケンシロウの死を告げられやむなく自らの手でラオウの拳を封じようとするが、場面が切り替わるとラオウに傷一つ負わせることなく座ったまま死亡していた。
セガサターン版のリュウケン
原作終了後の話にも拘らず存命。ケンシロウを北斗神拳の伝承者にした後は北斗の谷にある修練場で隠遁生活を送っていた。北斗無明拳の情報を求めて訪れたケンシロウに対し、北の洞窟にある北斗無明の像を訪れるよう告げた。
真劇場版シリーズのリュウケン
生前の動向が補完されている。ケンシロウを伝承者に決定した際には、彼が暗殺拳の使い手として非情になりきれず、あまりにも人間臭い性格を「じゃが、それがいい」として、乱世と化した現在の世に立つ「救世主」として成長することを予見した。
トキに関しては、実は彼が死の灰を被る以前より不治の病を患っていることや、彼自身の辞退の申し出を受け入れたことになっている。また、トキとは同じく「北斗神拳の宿命を背負う兄を持つ」という境遇を共感し合う場面もあった。
原作同様、ラオウとの闘いの末に敗北(ただし、トドメは刺されなかった)。彼が立ち去る際に、北斗に伝わる究極奥義「無想転生」の存在を説いた。その死後もたびたびラオウの前に亡霊として現れ、拳王軍に彼の力を利用しようと目論む部下たちの存在を示唆している。もっともラオウ自身も早期からそのことは想定しており、ユリアを手中に収め天下の統治がなった後、こうした部下たちの大粛清をおこなっている。
『DD北斗の拳』のリュウケン
原作ではケンシロウを溺愛しており、「末っ子は可愛いから」という単純な理由で北斗神拳の伝承者に指名してしまう。
アニメ版では他のキャラクターが軒並み二頭身に描かれているのに対し、彼だけ原作同様劇画調に描かれている……が、口調は外見に反して非常にフランクなものである。
優柔不断な性格故に伝承者を決定すること無く姿をくらましてしまい、再びケンシロウ、トキ、ラオウと再会した時にはコンビニ「リュウリュウケン」の店長として活動していた。
自らを「キリュウ ケンジロウ」と名乗り、リュウケンとは別人である言い張っている(その後、何人かよく似た別人が登場しているため、本当にただのそっくりさんだった可能性も否定できない)。また、リンの父という設定になっている。
アルバイトを1人雇おうと考えているが、肝心の北斗三兄弟は「バイト採用権=北斗神拳伝承者の座」と深読みしてしまっており、それが祟って騒動ばかり起こしては失敗しているため、未だに正式なアルバイトは決定していない。
なお、本作で声を担当したのは、旧シリーズから数々の作品でケンシロウの声を担当してきた神谷明氏。ギャグアニメということもあり、ケンシロウの重い演技との差もさることながら、「えーっとホクトチンケンだっけ?」などのケンシロウ(ましてやリュウケン)はまず言わないであろう台詞まで飛び出すなどフリーダムな演技が注目を集めた。一方で、ときには当時の演技を彷彿とさせる怪鳥音が飛び出したり、本作のケンシロウから経絡秘孔の一つ(?)‘‘元通り以上’’を突かれてケンシロウのような顔立ちに戻ったりしている。
七星点心
伝承者決定後のラオウとの対戦時に使用された奥義。
ラオウが「こんな技もあったのか」と漏らしていることから、正式な伝承者のみが修得を許される秘奥義的なものと推測される。
人間に存在するという7つの死角(北斗七星の形)を象った動きを取り、その七つの死角を辿った残像から一斉攻撃を見舞う。
リュウケンはこの技でラオウを圧倒し後一歩のところまで追い詰めるが、持病の発作により倒れてしまう。
後年のゲーム作品では、伝承者であるケンシロウが使用したり、水影心で体得したのかラオウが使用したり、この技と全く接点のないトキが使用したりしている。また、テレビアニメ『蒼天の拳 REGENESIS』では父である鉄心が、かつての拳志郎の兄弟子・拳心との闘いで使用したが、彼の源流である『天斗聖陰拳』の前に敗れ死亡している。
公式外伝に於いてジャギに対しては深い愛があるとされていたが、公式から派生したギャグ漫画北斗の拳イチゴ味でも良く読んでみると実はジャギに結構甘い。
ケンシロウが己に反抗的になるとトキが止めに入る程のダメージ(例:自分を「ハゲ」と罵った途端に七星点心を二回も放つ)をケンシロウに負わしたが、ジャギの悪行にはジャギにジャギ自身の処遇を委ねたりしている。
また、イチゴ味ではメープルシロップを指で啜るほど夢中で舐めていた。