概要
原作・武論尊、作画・原哲夫による漫画『北斗の拳』の登場人物・ジャギの半生を描いたスピンオフ作品。週刊コミックバンチにて連載されていた(全15話)。
北斗の兄弟の中でも不遇の扱いを受けるジャギを主人公とし、彼の出生から狂気に至るまでの経緯が描かれている。
本作でのジャギは、原作からは考えられないほど純真な少年で描かれており「きれいなジャギ」と呼ばれることもしばしば。(逆に、各話冒頭では原作以上に極悪非道なジャギが登場する。)
pixivでは、その斬新かつ悲劇的なストーリーからか人気が高く、各スピンオフ作品の中では投稿数が多い。基本的には主人公であるジャギと、悲劇的な最期を遂げるヒロイン・アンナのツーショットのイラストや二次創作漫画が大半を占めている。もしくはジャギ単体のイラストでこのタグが使用されることが多い。
登場人物
ジャギ
リュウケンから愛情を注がれ育つも、突然連れてこられた二人の少年(ラオウとトキ)が、自分を差し置いて“父の全て”である「北斗神拳」を受け継ぐという話を聞かされる。父を愛するジャギは、自身も伝承者となる修行を受けることを懇願するも却下され、あげくの果てに自分より年下のケンシロウの修行参入を知り、その心は大きく歪みはじめる。
アンナ
本作のヒロイン。
暴走族のボスの妹で、ジャギと同年代の少女。家出中のジャギと邂逅。その後、北斗の寺院に戻ったジャギと再会し、徐々に友情を育むが、いつしかそれはほのかな恋心に変わっていく。芯の強い性格で、ジャギとの立会に力を抜くケンシロウを叱責し本気で闘うように咎めるが、それは逆にジャギをさらに歪める結果になる。ジャギと彼女だけの秘密の場所で、彼の全てである北斗七星を見上げるが…
ボス
暴走族のリーダーで、アンナの兄。食って掛かった不良の耳を食いちぎってみせたジャギの度胸を買っている。度量が広い好漢で、仲間同士の喧嘩の仲裁に入ったり、ジャギに対してもしばしば助言を与えたりしていた。本名は不明(まさか「ボス」が名前ではないと思うが…)。
リュウケン
北斗神拳第63代伝承者であり、ジャギの養父。かつて大火事で家族を失った赤ん坊のジャギを救出し、身寄りのない彼を家族として迎え入れた。ジャギに対して愛情を注いで育てたが、彼を闘いの道に巻き込みたくないという思いから、彼の北斗の修行参入を厳格に否定し続けた。ジャギの伝承者候補参入後は、伸び悩む彼に奥義の一つ「北斗羅漢撃」を直伝する。
ラオウ
リュウケンが連れてきた北斗神拳継承者候補の一人。
ジャギとリュウケンの関係を「家族ごっこ」と揶揄している。
後に彼が「ラオウ」の名を捨て「世紀末覇者拳王」と名乗ったことに影響を受け、ジャギもまた自身の名を捨て「ケンシロウ」を名乗るようになる。
トキ
ラオウの実弟。後に兄と同じく北斗神拳継承者候補となる。
兄弟の中では人格者だが、ジャギの実力を侮っており南斗十人組手に彼を誘わなかった。
ケンシロウ
原作の主人公。
ジャギよりも若年でありながら彼を差し置き、兄二人に次いで北斗神拳継承者候補となった少年。
しかも才能・実力共にジャギを圧倒しており、更に温厚で心優しい性格から兄弟子であるジャギを気遣い、彼との練習試合では本気を出さず、そのプライドを傷付けないよう戦っていた。
しかし、それらのことがジャギの神経を逆撫でし、彼から恨みを買う結果となる。
核戦争後は、ジャギにとって「すべてを奪った存在」である彼を地獄に引きずりおとすことが唯一の存在観念となっていった。
フドウ
「鬼のフドウ」と称され、あのラオウですら恐れた暴虐の化身。
その存在はジャギにとっての「恐怖」のイメージそのものであり、彼の着用した衣装はフドウをイメージしたものとされている。