北斗琉拳
ほくとりゅうけん
ケンシロウやトキの用いる「北斗神拳」と同じく北斗宗家の血を引く者が創始した中国拳法で、およそ1800年前に創始されたとされる。三国志の時代に北斗神拳が三派に分離した際、劉家を護るために創られた。
羅聖殿が発祥の聖地とされており、そこには北斗神拳の陰に隠れ、世に出ることなく死んでいった歴代の伝承者たちの宗家への怨念が渦巻いている。
源流こそ同じだが北斗神拳とは似て非なる拳法で、肉体に1109あるという経絡破孔(けいらくはこう)を突き、相手の身体を内部から破壊することを主体とする殺人拳。破孔の数は北斗神拳の極意である708の経絡秘孔を大きく上回っており、中には針で刺さなければならないような小さな破孔も存在する。
また、「魔闘気」と呼ばれる圧倒的な闘気で歪んだ空間を作り、敵が自分の位置を把握できなくさせる事を極意としている。
しかし使い手の多くがその凄絶さに陶酔しその心を悪に染めるといわれており、ある一線を越えれば愛も情もない「魔界」なる境地に入るという。魔界入りした者は、悪鬼がごとき形相となり、その影さえ「幻魔影霊」という魔人のものとなり、身体からは絶えず魔闘気が吹き出すようになる。
伝承者であるカイオウは魔闘気を鎧で封じこめ、自ら北斗琉拳を「悪を象徴する拳法」と称した。
原作後のストーリーを描いたファミコン用ソフト『北斗の拳4 七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ』では、北斗琉拳の拳士は全て元斗皇拳の拳士に滅ぼされ、後にサガンなる元斗皇拳の拳士が、元斗に北斗琉拳の魔界を取り込んだ「元斗琉拳」を創始している。
本作の派生作品で前日譚にあたる『蒼天の拳』において、三国時代に北斗神拳から派生した3つの分派「北斗三家拳」が登場しており、オフィシャルガイドによるとそのひとつ「北斗劉家拳」こそが北斗琉拳の前身であるとされている。
当時の劉家拳伝承者である劉宗武は圧倒的な闘気を有して空間を支配したり、その拳の力に溺れて狂気に駆られるなど、上述の北斗琉拳の使い手たちと酷似した描写が複数見られる。
また「北斗神拳に伝承者なき場合は、これを劉家拳より出す」という掟も存在し、実際作中では北斗琉拳の血統であるラオウ、トキの兄弟がその候補者として選抜されている。その他、監獄都市カサンドラの長・ウイグルもケンシロウと闘った際に「さすがは劉家北斗神拳だな」という台詞を発し、だいぶ初期の段階から既に劉家と北斗宗家との関連性が仄めかされていた。
北斗琉拳
カイオウ
修羅の国・第一の羅将であり、ラオウ、トキの実兄。
母を喪った悲しみを自らの心を悪に染め、北斗宗家を憎悪する事で乗り越え魔神と化した。
修羅の国・第二の羅将であり、ケンシロウの実兄。
心優しい人物であったが、カイオウの策略により許嫁・サヤカを失い魔界に堕ちる。
修羅の国・第三の羅将。
何よりも闘いを好み、部下をすべて己の命を狙う刺客で取り囲んでいる。
修羅の国の羅刹。
ケンシロウを利用して修羅の国の壊滅を目論んでいたが、後に改心する。
シャチと羅将たちの師。
かつて魔闘気に魅せられ暴走し、自身の妻子を殺めた過去を持つ。
北斗神拳創始者シュケンの従兄弟で、アニメ版では北斗琉拳の創始者とされているが、誕生年と整合しないため詳細は不明。
ホシム
セガサターン版北斗の拳に登場したキャラクター。魔界に堕ち、自らの拳を「魔道琉拳」と称してケンシロウに戦いを挑む。
北斗劉家拳
劉宗武(りゅう そうぶ)
ドイツ軍少尉にして、北斗劉家拳伝承者。
「天はこの世に乱を望んでいる」と確信し、世界大戦に傾く時世にその力で揺さぶりをかけ、戦乱を巻き起こそうと目論んだ。
夏文麗(か ぶんれい)
北斗劉家拳の尼僧で、宗武の恋人。
女性でありながら同じく劉家拳を修得している。
劉玄信(りゅう げんしん)
北斗劉家拳先代伝承者。作中では既に故人。
劉宗武、魏瑞鷹の師。また本作の主人公・霞拳志郎の母・月英の父でもある。
魏瑞鷹(ぎ ずいよう)
劉玄信の元弟子。
かつて、師の制止を聞かず北斗神拳に勝負を挑もうとしたため玄信から破門される。その後、「極十字聖拳」なる新たな流派を創始する。