概要
『――アクロの丘、始まりの火。祈り続けていた男は炎剣を抜き、英雄を始めた』
『滅した魔物は万軍では足りず。覇者は唯一人、希望(エルピス)を齎す!』
『絶望を忘れた都は、勇者の凱旋に歓声を上げた。男は、丘の上で涙し、微笑みを讃えた』
『男は誇った。かけがえのない笑みを守った事を』
『男はなお、誇っていい。汝が守り、残した種は、未来に花を咲かすだろう』
『エピメテウスは哀れな娘を救った』
『エピメテウスは魔物から亡国を取り戻した!』
『嗚呼、エピメテウス。汝こそ真の勇者なり!!』
『アルゴノゥト』や『フィアナ騎士団』よりも前の時代(『ダンまち』本編から3000年前)に存在したと言われる古の大英雄であり聖域の守護者。元は神官。
プロメテウスが地上に落とした『天の炎』の力を使い『オリンピア』からモンスターを完全に駆逐するなどの功績を出したが、その後は強大な敵に敗北を重ねたことで一転して『愚物』、『敗残者』として蔑まれるようになり、同じ愚か者でも世間から親しまれてるアルゴノゥトと比べると評価は低い(もっとも、アルゴノゥトは自ら道化を演じ『愚者』となったため、本質は大きく異なる)。
オリンピアの神儀長であるエトンはエピメテウスの子孫らしい。
能力
炎剣は三千年前プロメテウスから与えられた神創武器、『炎鷲の嘴(エトン)』。アフロディーテ曰く「神を苛み、天の力を御する炎の神器」(神の腸を啄む鷲とも言われている)。
オリオンの矢と同じく神に致命傷を与えれば送還ではなく殺害できる。
巫女達とは違い上澄みではなく穢れた天の炎直接から力を得ている(曰く穢れの代弁者。恐らく原初の火との一体化の様な物)。
そのデミ・アルカナムとも称される反則級の力の行使に加え本人の技量も相まって『神の恩恵(ファルナ)』を授かった神時代の猛者達複数を相手にしても互角以上に立ち回り纏めて返り討ちにした。あまつさえ天の炎の障壁により並の魔法や魔剣では傷一つ付かない。
そもそも現代と違って無数の魔物が地上を跋扈していた本物の地獄を恩恵なしで生き抜いてきた化け物なので戦士として明らかに格上であり、いくら『オラリオ』の冒険者と言えど優勢取れて当たり前である。
- 炎誅の山(カフカス)
詳細不明。
元ネタは恐らく神話でプロメテウスがエトンに腸を啄まれる刑を受けたコーカサス山脈の別名から。
- 世滅の洪水(ガフ・デュカリオン)
詳細不明だが恐らく炎の広範囲攻撃。自身に殺到した無数の炎人の群れを一撃で退けた。
- エルグス・パンドラ
【ここに願い奉る!そして、どうか赦し給え!】
【我は新言に背く者!この手は災禍を開く罰】
【目覚めよ、花嫁!呪われし泥の巫女!】
【愚者の婚姻、絶望の約定(やくじょう)、背神(はいしん)の業火!希望はなく、祝福は去る!】
【されど、汝の罪は我等の罪!葬られし贖罪(しょくざい)に代われ、炎の鷲(わし)!】
【共に捧ぐ、常春(とこはる)の地獄】
『炎の鷲』の最大開放にして『限界解除(リミット・オフ)』。詠唱ではなく祝詞(のりと)。
同じく【英雄願望(アルゴノゥト)】をリミット・オフしたベルの一撃に打ち破られた(因みにその際彼が引鉄にした憧憬は皮肉にも『英雄エピメテウス』...)。
以下ネタバレ
「・・・・・・俺はまだ、『英雄』の座に未練があるのか」
実はエトンこそが英雄エピメテウス本人。原初の火の恩恵により3000年生きてきた。英雄と言われるだけの功績を残しながら蔑まれる事から世界を憎悪し、穢れた天の炎を悪用し地上を焼き払うことを目論んでいる。だが厳密に言うと地上を焼き払うのは結果であって真の目的は世界を見下す為に隻眼の黒竜を倒し歴史を塗り替えるのが目的。(曰く神と人が愚物と罵った自分が世界を救えば彼等の後悔は計り知れない物となる為、愚かだったのは自分達だったと未来永劫語り継がせる事が出来るから)
元々は高潔で英雄らしい性格をした人物であり炎の剣を抜いた時からオリンピアを始め数多の国や人を救ったが(アルゴノゥトもその一人)後に出現した漆黒のモンスター(ベヒーモスやアンタレス)の討伐遠征では尽く敗走し助けの手は届かず世間の評価は真逆の物になっていき、あまつさえ死んでいった仲間の墓すら建てられず愚弄されていくことに心が擦り切れ現在のような破滅的な人物になってしまった(ベル曰く自分がもしウィーネを失っていたら辿っていた未来)。
因みにベルの読んだエピメテウスの英雄譚はゼウスが加筆修正した物で上記の絶望なども書いてあるらしい。
好きなものは花。これは彼の亡き娘たちが好きだったから。
5周年イベントナイツ・オブ・フィアナでは英雄たちの戦いにフィーナの説得により参戦し魔物の軍勢を焼き払った。
小説版アルゴノゥトによるとかつてアルゴノゥトの故郷を滅ぼしたモンスター達を焼き滅ぼしアルゴノゥトを救ったという。それ以来アルゴノゥトは彼に憧れを抱くようになったという。