広島電鉄5000形
ひろしまでんてつごせんがた
1999年から2002年にかけて全12編成が導入された。愛称はグリーンムーバー。熊本市交通局9700形に次ぐ2例目の100%低床電車で、ドイツ・シーメンスの展開する路面電車シリーズであるコンビーノの一つ。シーメンスではCombino Hiroshimaと称している。
5車体連節車で、広電宮島口側から順番にA、C、E、D、Bの各車で構成。両端のA・B車に動力台車、E車に付随台車を装備し、C・D車は前後の車体で支える形で車輪を装備していない。
この手の海外製大型工業製品は船便で日本へ送られてくるのが常だが、第1編成についてはドイツから日本まで空輸されている(An-124が使われた)。これは製造時期と補助金の申請期限の関係によるもので、第2編成以降は船便で船便で送られている。
しかし欧州と日本の気候の違いによる故障の多さ、海外と日本のメーカーサポート文化の違い、車両価格や部品調達コストの高額さ、部品調達にかかる時間の長さなどが問題になり、増備は2002年登場の第12編成で打ち切り。更に2004年にコンビーノのリコールが発表されるとオーストリアの工場へ送り返して対策工事を行っている。シーメンスが日本での鉄道関連事業から撤退してしまったのも追い打ちをかけた。
2009年に第7編成が部品取り扱いになって運用を離脱。その後も運用離脱が相次ぎ、2023年6月には運用入りしている編成が2本まで激減している(その後、8月に第10編成が復帰して3本になった)。導入には補助金が使われているためおいそれと廃車にできないのか、現在も大半が荒手車庫に留置されたままになっている。
DD54・国鉄のディーゼル機関車で、此方も同じ当時の西ドイツとの共同製作だったが、不具合が多発し、大量休車の憂き目に遭い、結局短命に終わっている。