路線データ
路線名 | 富良野線 |
---|---|
路線記号 |
|
区間カラー |
|
路線区間 | 旭川〜富良野 |
路線距離 | 54.8km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 18駅 |
最高速度 | 85km/h |
非電化区間 | 全線 |
単線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) |
保安装置 | ATS-SN |
第一種鉄道事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
概要
旭川駅(北海道旭川市)と富良野駅(富良野市)を結ぶ北海道旅客鉄道(JR北海道)の鉄道路線で、地方交通線。
富良野駅構内を除く区間が旭川支社の管轄で、富良野駅構内はJR北海道本社が管理している。
空知地方の代表的な観光地である美瑛・富良野エリアを経由し、沿線にファーム富田のラベンダー畑がある事から夏場は観光列車が運行される。
また旭川駅〜美瑛駅間は旭川市のベッドタウンを経由する為通勤・通学需要が一定数存在し、後述するが区間列車も設定されている。
しかし全線にわたり国道237号(通称「花人街道」「北海道ガーデン街道」)が並走し、沿線に旭川空港がある事もあり日本人観光客のレンタカー利用も多い。
また札幌駅と富良野駅を結ぶ高速バスや、旭川空港を経由して旭川駅と富良野駅・富良野市街地を結ぶリムジンバスが運行されている事もあり、利用者数は芳しくない。その為自社単独での維持が困難な路線に指定されており、上下分離式での運営などが検討されている。
沿革
開業〜富良野線誕生まで
- 1899年(明治32年)9月1日:北海道官設鉄道十勝線として旭川駅〜美瑛駅間開業。辺別駅(現・西神楽駅)、美瑛駅開業。
- 1899年11月15日:美瑛駅〜上富良野駅間延伸。上富良野駅開業。
- 1900年(明治33年)8月1日:上富良野駅〜下富良野駅(現・富良野駅)間延伸に伴い、現在の富良野線区間全線開通。中富良野駅、下富良野駅開業。
- 1905年(明治38年)4月1日:国有化。旭川駅の読みを「あさひかわ」から「あさひがわ」に変更。
- 1909年(明治42年)10月12日:国有鉄道線路名称制定により十勝線と釧路線が統合され釧路線となる。
富良野線分離〜国鉄分割民営化まで
- 1913年(大正2年)11月10日:釧路線が釧路本線(現・根室本線)に改称され、旭川駅〜下富良野駅間を富良野線として分離。
- 1926年(大正15年)5月24日:十勝岳噴火の影響で全線運休。
- 1926年5月28日:全線運転再開。
- 1926年9月10日:美馬牛駅開業。
- 1936年(昭和11年)9月10日:千代ヶ丘駅開業。
- 1942年(昭和17年)4月1日:下富良野駅を富良野駅に改称。
- 1942年10月1日:辺別駅を西神楽駅に改称。
- 1958年(昭和33年)3月25日:神楽岡駅、西御料駅、西瑞穂駅、西聖和駅、北美瑛駅、西中駅、鹿討駅、学田駅開業。
国鉄分割民営化以降
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴いJR北海道が第一種鉄道事業者として継承。貨物営業廃止。
- 1988年(昭和63年)3月13日:旭川駅の読みを「あさひがわ」から「あさひかわ」に変更。
- 1992年(平成4年)10月1日:普通列車全列車でワンマン運転開始。
- 1996年(平成8年)9月1日:緑が丘駅開業。
- 1999年(平成11年)6月11日:(臨)ラベンダー畑駅開業。
- 2007年(平成19年)10月1日:全線で駅ナンバリング設定。
- 2016年(平成28年)8月31日:台風10号(ライオンロック)により根室本線が甚大な被害を受け区間運休。それに伴い根室本線への直通列車(根室本線内快速「狩勝」)も根室本線内運休となる(直通は運行再開する事なく廃止)。
- 2019年(令和元年)12月23日:根室本線内の事故により富良野駅構内に留置されていた貨物列車救援の為、JR化後初めて臨時貨物列車を運行。
現在の運行形態
前述の根室本線不通に伴う旭川駅発着の快速「狩勝」(富良野線内普通)運休・廃止後は、定期列車は全てワンマン運転の普通列車で運行される。夏季には臨時列車が運行される。
普通
現在の定期列車の種別。全線通しの便と旭川駅〜美瑛駅間の区間便が存在し、旭川駅〜美瑛駅間は毎時1本程度、美瑛駅〜富良野駅間は1〜2時間に1本程度運行される。
一部列車は西中駅、鹿討駅、学田駅を通過し、更に上り726D・742D列車は上記3駅に加え北美瑛駅、西聖和駅、西瑞穂駅を合わせた6駅を通過する。
なおラベンダー畑駅には営業期間中の特定日に一部が停車する。
臨時列車
毎年夏季には旭川駅・美瑛駅〜富良野駅間で「富良野・美瑛ノロッコ号」が運行される。旭川駅〜富良野駅間1往復、美瑛駅〜富良野駅間2往復の設定で、この列車のみラベンダー畑駅に停車する。
なお2023年(令和5年)7月には根室本線の臨時特急「フラノラベンターエクスプレス」を延長運転する形で富良野線内臨時快速が設定された(通し運行ではあるものの、富良野駅到着時に一度車内確認の為降車する必要があった)。こちらも全列車ではないもののラベンダー畑駅に停車した。
駅一覧
●:停車 ▲:一部通過 △:営業期間中一部停車 レ:通過
駅番号 | 駅名 | 普通 | ノロッコ | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
A28 | 旭川 | ● | ● | ||
F29 | 神楽岡 | ● | レ | ||
F30 | 緑が丘 | ● | レ | ||
F31 | 西御料 | ● | レ | ||
F32 | 西瑞穂 | ▲ | レ | ||
F33 | 西神楽 | ● | レ | ||
F34 | 西聖和 | ▲ | レ | ||
F35 | 千代ヶ丘 | ● | レ | ||
F36 | 北美瑛 | ▲ | レ | ||
F37 | 美瑛 | ● | ● | 当駅発着あり | |
F38 | 美馬牛 | ● | ● | ||
F39 | 上富良野 | ● | ● | ||
F40 | 西中 | ▲ | レ | ||
F41 | (臨)ラベンダー畑 | △ | ● | ||
F42 | 中富良野 | ● | ● | ||
F43 | 鹿討 | ▲ | レ | ||
F44 | 学田 | ▲ | レ | ||
T30 | 富良野 | ● | ● | 根室本線 |
使用車両
記載の無いものは旭川運転所所属。
現在の使用車両
- H100形「DECMO」
全定期列車で使用する気動車。
ディーゼル機関車。夏季には専用塗装車が「富良野・美瑛ノロッコ号」牽引機として、冬季にはラッセルヘッド連結車が除雪車両として入線する。
「富良野・美瑛ノロッコ号」用客車。
- キハ261系5000番台ラベンダー編成
苗穂運転所所属の特急型気動車。
臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」の延長運転として富良野線臨時快速で運用。
過去の使用車両
国鉄民営化後の車両のみ記載。
いずれも定期列車で使用された。
キハ150形は快速「狩勝」の旭川駅発着便(富良野線内普通)でも使用されていた。
ノロッコ号用の客車。
関連項目
JR北海道 気動車 鉄道 ローカル線 函館本線 根室本線 ノロッコ号