概要
営業する期間が限られている鉄道駅のこと。スキー場や海水浴場、花の名所など季節限定の観光地を訪れるために設置されるもの、付近でのイベント開催時のみに営業されるものが多い。
営業期間の関係で、プラットホームしかない駅が多い。
現存する臨時駅(一例)
JR北海道
原生花園駅
釧網本線の臨時駅。例年5月から10月まで営業する。夏のシーズン中には係員が派遣され、記念入場券などのグッズ販売が実施される。
ラベンダー畑駅
富良野線の臨時駅。6月~10月下旬までの営業で、営業期間以外、駅の設備は撤去される。営業期間中も停車するのは富良野・美瑛ノロッコ号のみで、普通列車はごく一部の日以外全列車停車しない。
JR東日本
秋田港駅
奥羽本線の臨時駅。土岐駅から伸びる貨物線の終点にある。本来は貨物駅だが、2018年4月から11月まで秋田港に寄港するクルーズ船の乗客限定で乗降できる臨時駅になった。
猪苗代湖畔駅
磐越西線の臨時駅。かつては夏期のみ営業する臨時駅で、車内放送では猪苗代駅と混同されないよう「湖畔駅」と案内していた。2007年以降は営業していない。
上越新幹線(法律上は上越線)の臨時駅。スキー場の営業する冬季のみの営業だが、それ以外の季節も越後湯沢駅止まりの列車が回送列車として入線することがある。
常磐線の臨時駅。偕楽園の梅祭り開催時期のみ営業する。なおこの駅には下り列車しか停車できない。停車しないではなく出来ないなのは、この駅には下り列車用のホームしかないため。
JR鹿島線・鹿島臨海鉄道の境界にあたる臨時駅。貨物駅の北鹿島駅にプラットホームを設置したもので、サッカーの開催日に限り営業する。JR東日本の管轄駅だが営業日の乗車券販売、改札業務などは鹿島臨海鉄道が行っている。
JR四国
田井ノ浜駅
牟岐線の臨時駅。夏の海水浴シーズンのみ営業する。隣接する田井の浜海水浴場の砂浜にはホームから直接下りられる。
津島ノ宮駅
予讃線の臨時駅。毎年8月4日・5日の津嶋神社の祭礼日のみ営業する。日本一営業日数の少ない駅としても知られる。
JR九州
バルーンさが駅
長崎本線の臨時駅。佐賀インターナショナルバルーンフェスタ開催期間のみ営業する。2002年まで営業期間以外ホームや駅舎は撤去していたが、作業員が列車に撥ねられて死亡する事故があってからはホームのみ年間を通じて設置されている。
その他私鉄
仁愛グランド前駅
えちぜん鉄道三国芦原線の臨時駅。駅に隣接する「仁愛学園」のグラウンドで行われる「私立仁愛女子短期大学」及び「仁愛女子高等学校」の体育祭に際して交通の利便性を図るため設置されており、定期列車は年に1日数本程度しか停車せず、仁愛学園関係者以外の利用は想定していないため、えちぜん鉄道のホームページや路線図には掲載されていない。
京橋停留場
岡山電気軌道東山本線の臨時停留場。毎年5月と10月の「備前岡山京橋朝市」開催日のみ営業する。設備はまったくなく、営業日のみ黄色のテープで囲った臨時の安全地帯が設置される。
宮島ボートレース場駅
広島電鉄宮島線の臨時駅。宮島競艇開催日のみ営業する(但し無観客開催時は営業しない)。広電宮島口駅とは200mほどしか離れておらず、宮島方面行のホームには屋根がない。
本項目立項後に廃止された臨時駅(一例)
ヤナバスキー場前駅
JR東日本大糸線の臨時駅。名前の通りヤナバスキー場の前にあった駅で、スキー場が営業する冬季のみの営業だったが、2015年度を最後に停車する列車が消滅、2019年3月のダイヤ改正で廃止された。
池の浦シーサイド駅
JR東海参宮線の臨時駅で、夏季のみ営業。最寄りの海水浴場まで徒歩で20分以上かかるため利用者は少なく、年々営業日数・停車本数が減少。2018年にはついに停車列車がゼロになり、2年後のダイヤ改正で正式に廃止となった。
臨時駅を前身とする駅
JR東海東海道本線の駅で、1987年から1994年までナゴヤ球場観客輸送の為に貨物支線(通称:名古屋港線)に設置された臨時駅「ナゴヤ球場正門前駅」を前身とする。
JR東日本常磐線の駅で、同地に1985年の国際科学技術博覧会(筑波万博、科学万博)開催時に設置されていた「万博中央駅」が前身。