秘境駅
ひきょうえき
主に停車する列車本数が極端に少ない、駅までの道路が整備されておらず駅に行くことすら困難、駅周辺に建物が見当たらないなど、いずれかの要件に当てはまる駅を指す。実在する駅では、JR北海道室蘭本線の「小幌駅」、JR四国土讃本線の「坪尻駅」などが代表的存在である。
かつては知る人ぞ知るという存在であったが、鉄道趣味者の牛山隆信が全国の秘境駅を纏め「列車到達難易度」「外部到達難易度」などの指標で点数をつけランキングを製作、自身のウェブサイトで公開してから次第に世間においてもその存在が認識されるようになった。これ以外にも秘境駅ランキングは存在するが、客観的な指標で点数をつけるのが難しいためサイトによって順位は全く異なる。
秘境駅の多くは地方の赤字ローカル線の駅となるのだが、地方を走る幹線級の途中駅(前述の小幌駅、日豊本線の宗太郎駅など)なども含まれることもある。
昔は(そこそこ)利用者が多かったのだが、過疎による駅周辺の限界集落化と、モータリゼーションの進行で利用者が皆無近くまで減少してしまったというパターンが多い。また正式な国鉄の駅ではなかったが、鉄道以外の交通手段が存在しなかった時代に地元の陳情で作られた「仮乗降場」が、民営化の際に正式な駅に格上げされた例もあった。
こうした秘境駅を廃止するにも、国土交通省や地元自治体との調整、JRであれば乗車券発券システムに対する該当駅データの削除、近年の都市近郊部の場合であれば交通系ICカードのデータに対する修正など、手続き上やたらと手間がかかるので簡単には廃止できない。また利用客こそ少なくとも、列車をすれ違い(交換)させるなど、運行においてそれなりに重い役割を持つ駅も少なくない。
転じて、本来であれば秘境でも何でもないのだが、揶揄的な意味で都市・郊外を走る路線の駅、さらに新幹線の駅であっても、様々な理由において「秘境」扱いされている駅も少なくない。
例を挙げると以下のような駅がある。
- 新幹線駅ではあるものの、廃線にリーチがかかった地方交通線並に停車列車の本数が極端に少ない上、駅周辺もこれ以上開発の見込みもなく終日閑散としている駅
- 都市郊外で列車本数はそれなりに多いにもかかわらず、駅周辺が開発から取り残されて閑散としている駅
- 周辺環境の変化で、本線から支線に転落したケース
- 工業地帯において、駅周辺の工場への通勤に特化したダイヤ設定であるため、一般的な利用が困難な駅
- 特殊な例
近年においては小幌駅のように廃止予定であったのを自治体負担で存続させたり、JR東海が飯田線において秘境駅散策に特化した臨時列車を走らせる(「飯田線秘境駅号」)など遠方からの旅行客への集客手段の1つとしても注目されている。
しかしながら秘境駅が多い線区というのは裏を返せばそれだけ収支的に路線の維持が難しいという現実がある。
特に平成後期から令和にかけて経営環境が厳しさを増しているJR北海道においては、上記の手間を経てでさえも小規模駅の廃止を推進せざるをえない状況下にあり、その結果として秘境駅も年々その数を減らしつつある。
イラストは実在する駅だけでなく架空の駅も描かれている。
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