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小幌駅とは、JR北海道室蘭本線にある鉄道駅。秘境駅としてしられる。

小幌は『こぼろ』と読む。


概要編集

室蘭本線の西寄り、長万部駅から東室蘭駅方面へ向けて2つ目の駅である。キング・オブ・秘境駅としてその名を轟かせる駅で、鉄道マニアの間では知名度が高い。


1943年に当時は単線区間であったこの路線において列車交換を行うために設置された仮乗降場兼用の信号場が、1967年の複線化に伴って専用の仮乗降場となり、1987年に駅へ昇格した。

信号場として設置に至った経緯は、当時は太平洋戦争中で石炭を始めとする軍需輸送の急増によって列車容量を増やす必要に迫られ、複線化する時間もないことから信号場の増設によって対応することになった。しかし、当時は蒸気機関車が全盛であり、トンネルが連続する勾配の厳しいこの区間において、勾配が緩く、トンネル外に蒸気機関車を停めて列車交換ができる場所として、この地が選ばれたものである。


1947年3月31日には、係員の早とちりによる連絡ミスで長万部方の静狩駅を出発した下り旅客列車と、仮乗降場兼信号場時代の当駅を出発した上り貨物列車が正面衝突事故を起こしている。


近隣は好漁場として知られており、かつては海水浴場もあった。夏場は海水浴客や漁に出かける人々で賑わった時代もあるというが、現在は保線作業に従事する鉄道関係者の他は釣り人と秘境駅マニアが訪れるのみであるが、そこそこ人気があるため、廃駅には至っていない。


かつては、駅の周辺に「小幌の仙人」と呼ばれる男性が住んでいたが、2007年に死去したため近隣の住民は皆無となった。


2015年、JR北海道は駅が所在する豊浦町に10月末限りでの駅の廃止を打診していたが、豊浦町は駅にモニターカメラを設置して毎日、利用客が存在することを証明するなどして反撃、廃止は見送られた。


駅の構造編集

駅舎はなく、プラットホームが複線を挟む形で配置されており、プラットホーム間の連絡は長万部方にある構内踏切を横断する。

また、信号場時代の廃線が残っている。


こんな駅ではあるが、函館本線を長万部から分岐し、東室蘭、苫小牧を経由し、千歳線を経て札幌、函館・本州方面を結ぶ非常に重要な路線であり、単線区間が残っている室蘭本線でも、この駅のある区間は複線になっている。


列車の運行状況編集

2019年現在における1日の運行状況は次のとおりである。

特急列車と貨物列車はすべて通過し、普通列車も一部が通過する。

  • 上り列車:東室蘭発、長万部行きの普通列車5本のうち、4本が停車する。
  • 下り列車:長万部発、東室蘭方面行き普通列車4本のうち、東室蘭行き1本、苫小牧行き1本が停車する。

これでも道内の主要幹線なので秘境駅と言われるわりに列車の停車数は多い。北海道には、JR石北本線の生野駅のように幹線の駅であっても1日に上り普通列車1本・下り普通列車2本しか停車しない駅があることを忘れないでいただきたい。


周辺の地理編集

この地域は山がちで多くのトンネルがあり、この駅は「礼文華トンネル」と「新辺加牛トンネル」という2つの長いトンネルに挟まれた切れ目にある。


駅の南側は、内浦湾に面していて、海に降りる通路が3つあり、一つは「岩屋観音」と呼ばれる観音像が祀られる洞窟に通じている。駅の東側、西側及び北側は山になっていて、北側500mほど離れたところを国道37号(胆振国道)が通過するが、鉄道線との間は急傾斜となっており、この駅へ接続する道がない。


鉄道以外でこの駅へ到達するのは船で海から上陸する、国道37号からけもの道を徒歩で行くかのいずれかであり、いずれにしても困難を極める。


関連タグ編集

JR北海道 室蘭本線 無人駅 秘境駅 JR北海道の駅一覧

張碓駅…同じく北海道に存在した秘境駅。1997年の休止から2006年の廃駅まではそちらがキング・オブ・秘境駅と呼ばれていた。

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