キハ54形
きはごじゅうよんがた
酷寒地である北海道向けに二重窓・デッキ付・セミクロスシート・トイレ付・非冷房となっている。
527-529の3両は旭川~稚内間の急行礼文に使用するため、座席が0系新幹線の廃車発生品の転換クロスシートとなっている。車体は変わっていないため、シートピッチと窓割りは一致していない。車体の上部に識別用の赤帯があるのが特徴。現在は特に区別なく運用されている。
しかし、2024年からの臨時列車「花たびそうや」では、この急行仕様車が2両連結されている。(のちに増設されたロングシート部はフリースペースとされた)
2000年代以降は更新工事が行われ、台車がボルスタレス式に変更され、座席もキハ183系や快速「海峡」で使われていた51系客車の発生品のシートに交換された。中には座席を再度交換され、リクライニングシートを装備する車両も出ている。(ただし回転しない)
ちなみにJR北海道においてキハ54とキハ40には運用する線区にある程度棲み分けがある。
キハ40は駅間で立ち往生してもすぐ救助に行ける線区(函館本線や室蘭本線など)で、キハ54は駅間で立ち往生するとヤバい線区(宗谷本線(特に名寄以北)や石北本線(特に上川~遠軽間)、根室本線(花咲線)、釧網本線など)で運用するようになっているらしい。キハ40の大多数は1軸駆動であり(ごく一部2軸駆動改造車が存在するのみ)、エンジン交換により出力を上げた現在でも冬場の立ち往生リスクが高いのに対し、キハ54は2軸駆動であるため立ち往生しにくいのがこのような運用の差異となって現れている。上述の「ヤバい線区」はいずれも酷寒地かつ人口密度の特に低い地域で駅間も極端に長く、立ち往生で救助が遅れると凍死のリスクが高い。
ただし、相互に連結可能なので、運用の都合で必ずしも上記のようになるとは限らない。