概要
1987年の国鉄民営化直前に、九州地区の老朽車両の置き換えと経営基盤の整備を図る目的で、JR九州になった後の製造分も含めて両運転台車が23両製造された。製造は新潟鐵工所と富士重工業が担当。
ワンマン運転対応の17m車。車体は軽量ステンレス製、エンジンは新製のDMF13HS形を搭載した一方で、液体変速機や台車、ブレーキは廃車発生品を流用した。他にもコスト削減を目的に、一部にバス用の部品を使用している。
座席は新幹線0系から捻出した転換クロスシートを使用し、2+1列の配置とした。後に大分所属車の5両がロングシートに改造されている。トイレは設置されていない。
筑豊本線(福北ゆたか線以外)・後藤寺線・日田彦山線(日豊本線)・三角線・肥薩線で運行されていたが、先述の通り流用部品が多く老朽化が早かったこと、トイレが無いため長距離運用に不向きなこと、そしてBEC819系蓄電池電車の投入とキハ40系の転属に押され、2017年より廃車を開始。
2019年3月のダイヤ改正をもって定期運用を終了し、同年中に全車が廃車された。保存車は残っていない。
その他情報
- 熊本地区所属のキハ31 14は、運用開始間もない頃のいさぶろう・しんぺい用として座席の一部が畳敷きに改造されていた。この車両はいさぶろう・しんぺいの車輌置き換えにより快速「九千坊号」として運用されたが、SL人吉の運転開始と入れ替わりで廃止された。
- 熊本地区所属のキハ31 18は、2010年11月に期間限定でバイオディーゼル燃料を使用して運行された。
- キハ31 20は2004年にくま川鉄道に移籍してKT311形として運用されたが、2013年に運用離脱して廃車となった。本形式の初の廃車でもある。
- キハ40系との併結運転が日常的に行われていた。これはトイレ未設置の対策でもあったが、車体長やデザインが合っていないため異彩を放っていた。
- 四国向けのキハ32と、四国・北海道向けのキハ54は兄弟車にあたり、デザインや部品構成が近しい。