路線データ
路線名 | 筑豊本線 |
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路線記号 |
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ラインカラー |
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路線愛称 |
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路線距離 | 66.1km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 25駅 |
電化区間 | 折尾〜桂川:交流20,000V |
非電化区間 |
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複線区間(※1) |
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単線区間(※1) |
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最高速度 | 95km/h |
閉塞方式 |
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保安装置 | ATS-DK |
運転指令所 | 博多総合指令センター |
大都市近郊区間 | 福岡近郊区間:全線 |
ICカード乗車券エリア | SUGOCA福岡・佐賀・大分・熊本エリア
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第一種鉄道事業者 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
※1:中間〜鞍手間は遠賀川橋梁補修工事の為暫定的に単線運用中。
※2:通過利用のみ。途中駅の利用は不可。
概要
若松駅(福岡県北九州市若松区)と原田駅(筑紫野市)を結ぶ[九州旅客鉄道([JR九州)>JR九州]]の鉄道路線の一つで、地方交通線。全区間が福岡県内で完結する。
かつての筑豊炭田から産出された石炭の輸送(運炭)を主目的として建設された路線であり、現在は福岡市や北九州市と郊外区間を結ぶ路線として機能している。
路線距離の66.1km(営業キロ)は、かつては本線を名乗るJR線の中では最も短かったが、JR北海道留萌本線の留萌駅〜増毛駅間廃止時にその座を譲っている。
なお余談だが、留萌本線はその後日高本線の鵡川駅〜様似駅間廃止時にその座を譲ったが、石狩沼田駅〜留萌駅間が廃止された為再度日本一短いJRの本線となった。
但し第三セクター転換や路線の部分廃止が行われていない路線に限れば、現在も筑豊本線が一番短い。
現在は路線データの項でも記載した通り運行系統が3分割されており、それに合わせた愛称が設定されている。
福北ゆたか線区間は鹿児島本線と直通運転を行う為、篠栗線と共に交流電化されている。
また非電化の若松線区間を含めた若松駅〜飯塚駅間が複線化されている。但し中間駅〜鞍手駅間は、2022年(令和4年)9月23日から遠賀川橋梁の補修工事の為暫定的に単線で運用されている。
なお、かつて運炭が盛んな頃は折尾駅構内(鹿児島本線短絡線合流地点)~中間駅間が複々線、中間駅~筑前植木駅間が三線区間であったが、筑豊炭田の凋落とともに複線に削減された。
若松線と福北ゆたか線は前述の通り北九州市やベッドタウンを走る為、利用客も多く沿線も住宅や店舗が並ぶ。
他方原田線は沿線住民が少なく冷水峠を越えるためか、旅客需要が他区間に比べ大幅に少なく閑散区間と化している。
一般列車においては都市型ワンマン運転が行われている。
若松駅〜桂川駅間が交通系ICカード乗車券「SUGOCA」の福岡・佐賀・大分・熊本エリアである。なお原田駅も同エリア内だが、原田線はSUGOCA非対応の為ICカード乗車券を利用して途中駅を利用することは出来ない。但し特例として桂川駅〜原田駅間を通過する場合に限りICカード乗車券を利用出来る。
沿革
1891年(明治24年)8月30日に筑豊興業鉄道によって若松駅〜直方駅間が開業。以後1894年(明治27年)8月15日に筑豊鉄道に社名改称、1897年(明治30年)10月1日に九州鉄道に合併等紆余曲折を経て路線を延長していった。
1907年(明治40年)7月1日に鉄道国有法によって国有化。1909年(明治42年)10月12日に国有鉄道線路名称制定により筑豊本線と命名されたが、当時の筑豊本線としての区間は若松駅〜上山田駅間で、飯塚駅〜長尾駅(現・桂川駅)間は長尾線と命名された。
その後1929年(昭和4年)12月7日に長尾線の筑前内野駅〜原田駅間延伸に伴い長尾線が筑豊本線に編入され、飯塚駅〜上山田駅間は上山田線(廃止)として分離された。
その後長らく鹿児島本線の短絡線として、また筑豊炭田から産出される石炭の輸送路線として機能していたが、炭鉱の閉山と共に多くの貨物支線が廃止された。また国鉄末期には筑豊本線を経由していた寝台特急「あかつき」が鹿児島本線経由に変更され、以降特急「かいおう」運行開始まで特急列車が運行されない時期が存在した。
1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、九州旅客鉄道(JR九州)が第一種鉄道事業者として全線を、日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者として折尾駅〜直方駅間を継承した。
平成になってからも気動車のみならず客車列車が運行されていたが、沿線が福岡市及び北九州市のベッドタウンとして開発が進んでいくと、1999年(平成11年)8月27日に交流電化工事が着工した。
2001年(平成13年)10月5日に定期客車普通列車の運行が終了し、JRから特急・急行以外の客車による定期列車が消滅。翌10月6日に折尾駅〜桂川駅及び篠栗線が交流電化され、「福北ゆたか線」としての運行を開始。同時に若松駅〜折尾駅間に「若松線」、桂川駅〜原田駅間に「原田線」の愛称が付けられた。
2005年(平成17年)4月1日にJR貨物の第二種鉄道事業が廃止され、筑豊本線から貨物列車が消滅。
2018年(平成30年)7月6日には豪雨による大規模被災の為原田線が全線運休となり、翌2019年(平成31年)3月9日に全線で運転を再開した。
2022年(令和4年)3月12日に折尾駅の高架化が完了し、長らく使用された鹿児島本線との連絡線及び短絡線上のホーム及び折尾駅鷹見口改札が廃止された。
また前述の通り、同年9月23日からは遠賀川橋梁補修工事に伴い、中間駅〜鞍手駅間は暫定的に単線で運用されている。
運行形態
福北ゆたか線電化後は全線通しで運行する列車は存在せず、基本的に若松駅〜折尾駅・直方駅間、鹿児島本線門司港駅・折尾駅〜直方駅間、直方駅〜篠栗線博多駅間、桂川駅〜原田駅間で分かれている。
詳細については若松線、福北ゆたか線、原田線をそれぞれ参照されたい。
駅一覧
●:停車 ▼:下りのみ停車 レ:通過
若松線(若松駅〜折尾駅)
福北ゆたか線(折尾駅〜桂川駅)
駅番号 | 駅名 | 特急 | 快速 | 乗換路線 | 備考 |
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JC26 | 折尾 | ▼ |
| 当駅発着あり | |
JC25 | 東水巻 | ▼ | |||
JC24 | 中間 | ▼ | |||
JC23 | 筑前垣生 | ▼ | |||
JC22 | 鞍手 | ▼ | |||
JC21 | 筑前植木 | ▼ | |||
JC20 | 新入 | ▼ | |||
JC19 | 直方 | ● | ● | 平成筑豊鉄道伊田線(HC1) | 運行系統上の境界 |
JC18 | 勝野 | レ | レ | ||
JC17 | 小竹 | レ | ● | ||
JC16 | 鯰田 | レ | ● | ||
JC15 | 浦田 | レ | ● | ||
JC14 | 新飯塚 | ● | ● | 後藤寺線(JJ01) | |
JC13 | 飯塚 | ● | ● | ||
JC12 | 天道 | レ | ● | ||
JC11 | 桂川 | ● | ● | 原田方面(原田線・JG01) | |
↓篠栗線博多まで直通運転 |
原田線(桂川駅〜原田駅)
現在の使用車両
記載のないものは直方車両センター所属。
南福岡車両区所属の特急形電車。
特急「かいおう」として運用。
- BEC819系「DENCHA」
若松線用蓄電池電車。若松線・福北ゆたか線で運用。
福北ゆたか線用電車。画像の1100番台は全編成が1600番台に改番されている。
熊本車両センター所属の電車。福北ゆたか線で使用。
原田線用気動車。現在の運用区間は桂川駅〜原田駅間だが、過去には若松線や電化前の福北ゆたか線区間でも使用されていた(キハ140形は代走時のみ)。
過去の使用車両
国鉄民営化後の車両のみ記載
自社車両
- 783系「ハイパーサルーン」
南福岡車両区所属の特急形電車。
一時期特急「かいおう」の運用に就いていた。
大分車両センター所属の電車。福北ゆたか線で運用された。
- 817系3000番台
南福岡車両区所属の電車。
直方車だけではなく、南福岡車にも2022年(令和4年)まで福北ゆたか線での定期運用が存在した。
直方車両センター→南福岡車両区竹下派出所属の気動車。
若松線(直方所属時代)及び原田線で運用された。
直方車両センター所属の気動車。若松線で運用された。
キハ147形はキハ47形の代走で使用された。
直方気動車区所属の気動車。電化前に全線で運用された。
大分運転所(現・大分車両センター)所属の気動車。
電化前に間合い運用で飯塚駅〜原田駅間で運用された。
- キハ200系0・1000番台
直方気動車区(現・直方車両センター)所属の気動車。
「赤い快速」を中心に運用されたが、電化時に撤退し転属。
門司港運転区(廃止)所属の客車。電化直前まで運用された。
JR貨物所属
門司機関区所属のディーゼル機関車。かつては貨物列車を牽引していた他、電化直前まで客車列車も牽引していた。