概要
北海道深川市の深川駅(函館本線と接続)から同じく沼田町の石狩沼田駅までを結ぶ全長14.4kmの地方交通線。「本線」と名乗るJRの鉄道路線の中で最も短い。全区間が単線非電化である。
全列車普通列車でワンマン運転を行っている。JR発足時に仮乗降場から格上げされた駅がある名残で、通過駅を有する普通列車が多い。羽幌線が存在していた国鉄時代は「るもい」、「ましけ」、「はぼろ」といった優等列車が運行していた。過去に深名線、札沼線(新十津川~石狩沼田間を営業していた時代)、留萠鉄道、羽幌線、天塩炭砿鉄道がそれぞれ留萌本線の駅から接続していた。これらの路線は1990年代までに全て廃線となっている。当路線は、様々な作品でロケ地として使用されることがある。連続テレビ小説「すずらん」のロケ地となった恵比島駅では、当駅の駅舎、駅名標の他に「明日萌駅」の駅舎や駅名標も設置している。また、これにちなんだ「SLすずらん号」が1999年~2006年に運行された。
2007年5月には、秩父別駅にて、高校生26人が単行のワンマン列車が超満員で乗りきれず、タクシーで高校まで通うという大惨事が発生。赤字ローカル線の行き過ぎた合理化よるラッシュアワーが問題視された。
部分廃止に関して
2016年12月4日までは増毛郡増毛町の増毛駅までを結んでいた。廃止までの全営業キロは66.8km。一部区間廃止まで毎年ゴールデンウィーク頃は臨時列車「増毛ノロッコ号」が運転されていた。終着駅の増毛は「ましけ」とよみ、増毛(ぞうもう)と同字のため珍名駅として有名であった。JR四国にある予土線の半家(はげ)駅や土佐くろしお鉄道の宿毛(すくも)駅とともにネタにされることがあった。
国鉄民営化以降、沿線地域の過疎化やモータリゼーションの進行などの影響で輸送密度は減少の一途を辿り、特に留萌~増毛間は営業係数が4000を超える膨大な赤字(プレスリリース5P参照)となっていた。自然災害に対する防災基盤も整備されているとは言い難く、雪や土砂の線路流入、天候状況による事故や運休措置等が度々発生しており、これらの安全を確保するために多額の工事費が必要とされている。
こうした背景から留萌~増毛間における鉄道の維持は困難となり、留萌市、増毛町で協議を行い、2016年12月4日最終運行、翌12月5日に廃止となった。さらに、残る区間についても輸送密度が200人未満であることから、石狩沼田~留萌間はJR北海道と沿線4市町で協議を行い、2023年3月31日最終運行、翌4月1日に廃止となった。深川~石狩沼田間も3年程度の期限付きで存続させた上でその後廃止する方針と予断を許さない状況は続いている。
使用車両
現在の使用車両
過去の使用車両
キハ40 - 普通列車で使用された。
C11・14系 - SLすずらん号として使用された。
DE15・510系 - 増毛ノロッコ号として使用された。
駅一覧
現存区間
駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|
深川 | 函館本線 | |
北一已 | 読みは『きたいちやん』 | |
秩父別 | 読みは『ちっぷべつ』 | |
北秩父別 | ||
石狩沼田 |
廃止区間
- 2006年までは峠下~幌糠間に東幌糠駅が、1990年までは幌糠~藤山間に桜庭(さくらば)駅が、1995年までは瀬越~礼受間に臨時駅の浜中海水浴場駅が存在した。