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筑肥線

ちくひせん

福岡県と佐賀県を結ぶJR九州の一路線。福岡県内の一部区間では福岡市営地下鉄と相互乗り入れをしている。
目次 [非表示]

路線データ編集

路線延長
  • 42.6km(姪浜駅~唐津駅間)
  • 25.7km(山本駅~伊万里駅間)
軌道間1067mm
駅数30駅
複線区間姪浜駅~筑前前原駅
電化区間姪浜駅~唐津駅(直流1500V)
閉塞方式
  • 姪浜駅~筑前前原駅間:複線自動閉塞式
  • 筑前前原駅~唐津駅間:単線自動閉塞式
  • 山本駅~伊万里駅間:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
保安装置ATS-SK
最高速度85km/h
SUGOCAエリア姪浜駅~唐津駅間

概要編集

JR九州の路線のひとつで、姪浜~唐津、山本~伊万里間を結ぶ路線である。(唐津~山本間は唐津線で繋がっている)


かつての国鉄時代においては、博多駅を起点に福岡市内を横断して姪浜駅へ、唐津市内も虹ノ松原駅から旧東唐津駅でスイッチバックして山本駅と結んでいたが、1983年3月22日に博多~姪浜間の電化(車両基地のある関係上、唐津線西唐津まで)および福岡市営地下鉄との相互乗り入れと引き換えに、虹ノ松原~山本間は唐津市内の高架化および電化、および経路変更(虹ノ松原駅から松浦川への架橋による唐津駅への直接乗り入れ)と引き換えにそれぞれ廃線となった(同時に廃止区間のみならず、存続区間の姪浜~周船寺間も特定都市制度の福岡市内の駅から除外させた)。これにより発展的解消という形ではあるが、筑肥線は分断された(ただし1983年の経路変更から1987年の国鉄分割民営化直前までの間、唐津駅~山本駅間は筑肥線と唐津線の二重戸籍区間としたが、分割民営化後は再び唐津線単独区間に変更された)。なお、この時新経路として開通した路線は本来虹ノ松原駅から唐津駅・西唐津駅を経て呼子に至る「呼子線」という未成線(1980年工事凍結)のために用意されていた区間を流用したものであった。


以下、電化区間を便宜上「筑肥東線」、非電化区間を「筑肥西線」と呼称する。


筑肥東線は、姪浜~唐津間とも直流電化、筑前前原まで複線化されて福岡市営地下鉄空港線と相互直通運転している【※相互直通運転は筑前前原までで、それ以西はJR車両の片乗り入れとなっている】。

現在は、九州大学のキャンパス移転が沿線(正確には陸側に入った山の中だが)で行われており「九大学研都市駅」を新設して九大生の利用を促進している。JRの路線としては筑前前原から天神博多福岡空港方面へ直通で行ける事から、交通手段として非常に良好である。また区間によっては玄界灘や高架線からの唐津市街など海側の景色も良い。近年では使用車両の新規更新や輸送需要への対応などから、日中時間帯に筑前前原駅で運行を分割しそれぞれの方面に向かう区間列車として運行されるダイヤになっている。(福岡空港方面:6両、唐津方面:3両ワンマン)

全車ロングシート車ではあるがJR九州所属車のみ車内にトイレが設置されている。(唐津向き先頭車)


当線における最大のライバルは前原や唐津に地盤を持つ昭和バス(昭和自動車)で、電化時こそ国道202号を走る一般路線バスしかなく筑肥線が優位に立っていたが、国道202号バイパスの整備や西九州自動車道福岡前原道路)と福岡都市高速との直結により前原行きと唐津行きの高速バスが増便されしのぎを削っている。またライバル関係だけではなく上述の九大学研都市駅から丘陵部にある九大までのフィーダー輸送も担っている。


一方、山本~伊万里間の筑肥西線は非電化で、唐津(または西唐津)~伊万里間でワンマン運行している。朝の時間を除いては単行気動車が往復する完全なローカル線区間となっており、近年は輸送需要が低下気味であり、路線分割時と比較して昼間の運行本数が大幅に削減されている。

終点の伊万里駅では松浦鉄道と接続しているが、線路は繋がっていない(国鉄時代は同一の駅であったが、松浦線が第三セクター化された後の2002年に駅構内を割る形で県道が新設されることになり、その改築の際に駅構内と駅舎がそれぞれの会社側に向い合せに分かれてしまった)。


かつては博多から筑肥・松浦・佐世保・大村・長崎線経由の急行「平戸」(博多~東唐津~山本~伊万里~平戸口~佐世保~早岐~大村~諫早~長崎)が存在したが、1983年の福岡市内区間廃止の際に唐津始発に変更、1988年の松浦鉄道開業時に廃止となった。これ以降優等列車は運行されていない。

現在では福岡空港駅ー唐津駅・西唐津駅間の朝夕時間帯に1日4往復の快速列車が運行されている。(土休日は5往復)



駅一覧編集

筑肥東線:姪浜駅~唐津駅・(唐津線)西唐津駅間(電化区間)編集

駅名快速快速乗り換え路線備考
平日土休日
姪浜福岡市営地下鉄空港線(福岡空港駅まで直通運転。)
下山門福岡市交通局姪浜車両基地所在
今宿
九大学研都市
周船寺ここまで福岡市内
波多江
糸島高校前
筑前前原複線区間及び福岡市交車の乗り入れはここまで
美咲が丘
加布里
一貴山
筑前深江
大入
福吉
鹿家ここまで福岡県
浜崎ここから佐賀県
虹ノ松原
東唐津
和多田
唐津
  1. 唐津線(久保田方面)
  2. 筑肥西線(伊万里方面)直通列車
西唐津唐津鉄道事業部唐津車両センター所在


筑肥西線:(唐津線)唐津駅・山本駅~伊万里駅間(非電化区間)編集


廃止区間駅一覧編集

博多駅~姪浜駅間編集

※廃止区間に加えて、姪浜、今宿、周船寺も特定都市制度の福岡市内の駅から除外された。

※筑前高宮駅付近から鳥飼駅付近までの区間は道路になった。

駅名乗り換え路線備考
博多鹿児島本線/山陽新幹線
筑前簑島駅近くに九州松下電器(現パナソニック)の本社と事業所があり通勤利用客が大変多かった。跡地は遊歩道になった
筑前高宮西鉄大牟田線(西鉄平尾駅)跡地は西鉄バスの営業所を経てスーパーマーケットになった
小笹跡地は公園とパチンコ店になった
鳥飼跡地は城南区役所と城南保健所になった。福岡市営地下鉄七隈線別府駅が近い
西新福岡市営地下鉄空港線西新駅から南西に1.2km離れた西区(→早良区)昭代三丁目に所在していた。跡地はコンビニエンスストアや老人ホームになった
姪浜

虹ノ松原駅~山本駅間編集

駅名乗り換え路線備考
虹ノ松原
東唐津(旧)スイッチバック駅。営業当時は実質的な唐津市の中心駅であり、東唐津気動車区や博多車掌区の支区などがある運行上重要な拠点でもあった。駅の電報略号は珍しい三文字(「ヒカラ」)であった。跡地はホテルになった
跡地はガソリンスタンドになった
久里跡地は公民館になった
山本筑肥線(伊万里方面)/唐津線

余談編集

電化前(福岡市内各駅存在時)は気動車がメインであったが、朝夕のラッシュ時に限り博多〜東唐津間で旧型客車による客車列車が運行されていた。地方線区では珍しく7両編成(荷物座席合造車を含む)で運行されていた(なお、筑肥線は幹線)。

かつてC11が牽引したこともあり、DE10に牽引機が代わっても客車列車に関しては「ジョーキ」という愛称で親しまれた。



使用車両編集

筑肥東線

JR九州

福岡市交通局

  • 1000N系:筑前前原~福岡空港
  • 2000系:筑前前原~福岡空港

筑肥西線

JR九州・気動車



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