曖昧さ回避
概要
日本の山の神・精霊・妖怪である「山彦」のこと。
鳥取県鳥取市では、山中に住む呼子、または呼子鳥(よぶこどり)という者が山彦の声を発すると考えられていた。
本質的には山彦と全く同じ存在だが、作品によっては全く別の妖怪として扱われている(仮面ライダー響鬼など)。
ゲゲゲの鬼太郎
水木しげるの妖怪画では一本足の笠を被った案山子のような姿をしており、作品によって細かな差異がある。
原作版鬼太郎では一つ目であったり、3期鬼太郎では目の造形が小さかったりしており、妖怪画に準拠したデザインとなったのは4期からである。
なお、ゲゲゲの鬼太郎シリーズに登場する呼子には、「鬼太郎ファミリーの味方と言える呼子」と「鬼太郎達と敵対関係となる呼子」が、別個体で存在するという特異な設定がある。
味方
基本的には気の優しい性格をしており、鬼太郎達の暮らすゲゲゲの森で暮らしている事が多い。
3期では、ゲゲゲの森で暮らしている呼子に天童ユメコの友達を拉致した誘拐犯の容疑が掛かってしまう事になった事になり、疑いを晴らすべく鬼太郎達に同行する形で現場の山へと向かい、そこで自分とそっくりである別個体の呼子と遭遇。取っ組み合いの末、その呼子が持っていた解放石の中へと鬼太郎やユメコと共にヤマタノオロチの世界へと吸い込まれてしまう。
最終的に、無理矢理ヤマタノオロチと協力させられていた別個体の呼子と共に鬼太郎を山彦で援護し、鬼太郎やユメコ、ねずみ男、閉じ込められていた妖怪達と共に脱出に成功し、疑いを晴らす事にもなった。
5期等では砂かけ婆が大家を務める妖怪長屋の住人として登場しており、劇場版では遠く離れた対象に声を届ける能力を駆使し、日本中の妖怪達に協力を呼びかけて妖怪四十七士への覚醒を促したり、漫画『妖怪千物語』では敵の破壊音波を跳ね返すという活躍を見せている等、隠れた実力者となっている。
目の大きい可愛らしいデザインが特徴。
6期でも、ゲゲゲの森で暮らしている形で登場。
ヤマタノオロチと関わりのある「オグロ山の呼子」とも知り合いであるのだが、「色々あって取っ付きにくい」と評し苦手意識を抱いている点からも、オグロ山の呼子の事情や解放石に関しても知っている模様。
その為か、鬼太郎や猫娘がオグロ山の呼子と関わってしまう事にも不安を感じている様子を見せていた。
敵
短編『やまたのおろち』に登場する呼子は元・人間という設定であり、山彦を返しておびき寄せた人間をヤマタノオロチが蠢く水晶玉に閉じ込めて脅迫し、入れ替わるという役所であった。
しかも、呼子になってしまうと脚が地面に根付いている為、次の身代わりが来るまで、ずっと動けずそのままの状態となってしまい、仮に入れ替わりを拒絶したとしても水晶玉の中にいるヤマタノオロチに喰われて死ぬしかない為、水晶玉に閉じ込められてしまう時点で完全なアウトになってしまう。
2期の第12話は上記のエピソードを元にしており、この回では呼子はヤマタノオロチで金儲けを目論んでいたねずみ男を解放石の中に吸い込んで入れ替わる。
呼子の存在を知る周辺の人間達からは恐れられ誰も近寄る事が無い為、呼子になり身動きが出来なくなってしまったねずみ男は助かりたい一心で、呼子だった男に身代わりの存在として鬼太郎の存在を教え、誘き寄せてもらう。
しかし、鬼太郎にヤマタノオロチを使った脅迫など通用するはずも無く、あっけなくヤマタノオロチを撃退した鬼太郎は一緒に閉じ込められた猫娘と共に脱出。当然、見捨てられそうになったねずみ男は泣きじゃくりながら鬼太郎達に助けを求め、彼も止むを得なかった事情を鬼太郎達も察したのか、最終的に呼子だった男は目玉おやじを囮に再び水晶玉に閉じ込められ、呼子に戻される形で制裁を食らうというオチになった。
3期第79話でも上記のエピソードがリメイクされ、こちらでは鬼太郎達の味方で誘拐犯の容疑を掛けられてしまった呼子と取っ組み合いを演じている。
解放石に閉じ込められた妖怪達と共に、無理矢理ヤマタノオロチに従わされている身となっており、要求されていた生贄を用意するべく人間の拉致に手を染めていた。だが、解放石の世界に吸い込まれた鬼太郎がヤマタノオロチに果敢に挑んだ事で、鬼太郎達の味方である呼子と共に彼の援護を行い、最終的にヤマタノオロチが倒された結果、解放石の世界から他の妖怪達と共に解放された。
6期第73話でもこのエピソードがリメイクされている。オグロ山に住んでおり、ヤマタノオロチが蠢く大粒のダイヤモンドに8つの願い事(1つ目の願い事はダイヤモンドの世界に閉じ込められる為必ず「ダイヤモンドの世界から出してくれ」となる)を全て叶えてもらった者は呼子になってしまうという設定となっている。
ゲゲゲの森で暮らしている鬼太郎達の仲間である呼子とも知り合いの関係にあるようだが、彼からは「色々あって取っ付きにくい」と評されており、オグロ山の呼子の特異な事情についても知られている模様。
なお、味方としての呼子と区別するためか、講談社の「アニメ版ゲゲゲの鬼太郎妖怪事典」では別項目で扱われている。