キハ53は、日本国有鉄道およびJR北海道、東日本、西日本、九州で使用された2エンジン、両運転台の気動車。
大まかに分けてキハ45系の両運転台2エンジン車として新造された0番台・100番台と、改造車で、キハ58から改造された200番台・1000番台、キハ56から改造された500番台が存在した。
0・100番台(新造車)
キハ45系の両運転台車 キハ23形に準じた両開きのドアとセミクロスシートの車両。
エンジンはDMH17Hが2基搭載されている。車両構造は暖地向けである。
基本的に西日本から西側で使用され、民営化後はJR西日本と、JR九州に継承された。
基本番台である0番台はキハ53 1~9の9両、ブレーキ装置などが改良されて10両編成を超える列車にも連結可能な100番台が2両の計11両しか製造されなかった。
改造車
本州以南で使用されていた急行型気動車であるキハ58および北海道向けの急行型気動車キハ56から改造されて「キハ53」を名乗った車両が存在した。
いずれも2エンジン片運転台の車両を改造して両運転台とした車両で、キハ45系のグループとしてのキハ53では無く、それぞれの元となった車両(キハ58系・キハ56系)の中での両運転台車として「キハ53」の名前が付与されたに過ぎず、前述の新造車とはエンジンなどを除いて別物と言える車両であった。
200番台・1000番台
キハ58から改造されたグループ。国鉄末期の1986年から民営化後の1988年に掛けて合計5両が改造された。
200番台はJR東日本が東北地区で、冷房のある1000番台はJR西日本が北陸地区で運用していたが、キハ58系の淘汰とともに姿を消した。
500番台
北海道で使用されていたキハ56から改造されたグループ。キハ53 501~510までの10両が在籍していた。中には裾絞り位置が異なる初期車から先頭部を移植された車両も存在し、その接合部分が目立っていた。
エンジンを2基積んでいるため冗長性が高く、なおかつ単行運転が可能なため閑散路線で使用されていたが、経年劣化が激しく1996年に全廃。