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概要編集

東海道本線JR貨物梅田駅(貨物駅、後の梅田信号場)、桜島線JRゆめ咲線安治川口駅を結ぶために設けられた貨物線(東海道本線の貨物支線)。


書類上は東海道本線の吹田貨物ターミナル駅が起点、大阪環状線福島駅が終点となっている。貨物線の線路(単線)はさらに福島駅〜西九条駅間を大阪環状線の線路(複線)と並走する形で敷設されており、当該区間の貨物線の線路は「大阪環状線の線増部」という扱い(線路財産名称は「環状第三線」)となっている。福島駅と野田駅には大阪環状線の線路にのみホームが設置されているため、梅田貨物線の列車は全て通過扱いとなる。


沿革編集

1928年昭和3年)12月1日に東海道本線の貨物支線として、上淀川仮信号場〜梅田駅間が開通したのが始まりである。この梅田駅は貨物駅であり、大阪駅と同一駅扱いのため独自の営業キロは設定されなかった。


1934年(昭和9年)6月1日に梅田駅〜福島駅間が開通したが、こちらも独自の営業キロは設定されなかった。同年6月2日に上淀川仮信号場が廃止され、上淀川仮信号場〜梅田駅間の路線の起点が吹田駅に変更された。


1961年(昭和36年)4月6日からは、梅田駅と大阪駅が同一駅扱いではなくなり、別線・別駅扱いとなったことで独自の営業キロが設定された(吹田駅〜梅田駅間が7.6km、梅田駅〜福島駅間が1.0km)。


1965年(昭和40年)3月18日には梅田駅〜福島駅間が改キロ(-0.1km)されて0.9kmになった他、大阪環状線の野田駅〜西九条駅間に梅田貨物線用の単線が増設されて3線化された。


1969年(昭和44年)9月13日に吹田駅〜梅田駅間、1970年(昭和45年)4月1日に梅田駅〜福島駅間がそれぞれ直流電化された。


1974年(昭和49年)10月1日に東海道本線支線区間の区間表示が変更され、吹田駅〜梅田駅〜福島駅間(8.5km)となった。


1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、全区間をJR西日本が第一種鉄道事業者として承継(独自の営業キロは設定なし)。また、JR貨物が全区間の第二種鉄道事業者となる(こちらは吹田駅〜福島駅間に独自の営業キロを設定)。


1988年(昭和63年)4月には、西九条駅構内の配線が変更され、大阪環状線から梅田貨物線への直通ルートが開通。同年4月24日10月23日に「なら・シルクロード博覧会」開催に伴う梅田貨物線経由の臨時快速(新大阪駅奈良駅加茂駅間)を設定。これは湊町駅発着の快速を新大阪駅発着に変更して運転されたもので、これが梅田貨物線経由で運転された初の旅客列車であった。


1989年平成元年)7月22日天王寺駅構内の関西本線から阪和線への連絡線が開通し、それまで天王寺駅発着だった特急「くろしお」系統が大阪環状線・梅田貨物線を介して新大阪駅・京都駅への直通運転を開始。これが梅田貨物線経由で運転された初の定期旅客列車であった。1990年(平成2年)3月10日には朝夕に新大阪駅発着の阪和線直通列車が設定された。1994年(平成6年)9月4日関西国際空港が開港すると、関空特急「はるか」も梅田貨物線経由で京都駅方面へ直通運転を開始した。


しかし、これらの列車の設定によって梅田貨物線が福島駅の北側でなにわ筋と平面交差している地点(浄正橋踏切)が渋滞を引き起こすようになった。1993年(平成5年)9月5日阪神電気鉄道本線が地下化されるまでは、近接する阪神の福島駅も地上駅であったため、国道2号などの周辺道路にも影響が波及していた。


2010年(平成22年)12月1日にはJR西日本の組織改正に伴い、大阪支社および京都支社の管轄から近畿統括本部の管轄に変更された。


2013年(平成25年)3月16日には吹田貨物ターミナル駅が営業を開始。これに伴い、JR貨物の東海道本線支線区間の起点が吹田駅から吹田貨物ターミナル駅に変更された。同年4月1日にはJR貨物の梅田駅が廃止され、残された行き違い設備はJR西日本に移管されて梅田信号場となった。


2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正では、梅田貨物線を経由する普通列車(快速・B快速)が廃止され、梅田貨物線を経由する旅客列車は特急のみとなる。


2019年(平成31年)3月16日のダイヤ改正では、おおさか東線の新大阪駅〜放出駅間が開通し、神崎川北方〜新大阪駅間がおおさか東線との共用区間になる。


2023年令和5年)2月13日、新大阪駅〜福島駅間の一部(中津付近〜福島駅付近間)が地下線に切り替えられ、梅田信号場は前日(2月12日)を以て廃止。この時点で既に後述の大阪駅地下ホーム(うめきたエリア)の施設自体は一部設備を除きおおむね完成していたため、暫定的に同ホームを信号場と同様の扱いで運用。同年3月18日に大阪駅地下ホーム(うめきたエリア)が正式開業し、特急列車の停車を開始。また、新大阪駅〜大阪駅(うめきたエリア)間におおさか東線の普通・直通快速が乗り入れを開始したため、梅田貨物線経由の普通列車が再度復活した。


運行状況編集

元々が貨物線であるため開通当初から貨物列車が運転されているが、東海道本線(JR京都線)新大阪方面と大阪環状線の西九条・天王寺方面を結ぶ連絡線的な性格も持っていることから、国鉄がJR西日本に移管して以降は旅客列車も多数運転されるようになっている。


旅客輸送編集

全区間を特急はるか」・「くろしお」・「らくラクやまと」、新大阪駅大阪駅(うめきたエリア)間をおおさか東線普通列車と直通快速が運転されている。


かつては本路線は大阪駅を経由していなかったため、線内で旅客が乗降できる駅は長年に渡って新大阪駅が唯一であった(ただし、運賃計算上は当初より大阪駅を経由したものとして扱われていた)。しかし、2023年2月13日に一部区間の地下切り替えが行われ、同年3月18日には同区間の大阪市道九条梅田線と四つ橋筋の交差点北西部の地下に大阪駅地下ホーム(21〜24番ホーム、「大阪駅(うめきたエリア)」)が開業、梅田貨物線を経由する特急列車が同ホームに停車するようになった他、新大阪駅からおおさか東線が同駅まで直通運転を開始した(地下線への切り替えが完了した時点で既に駅施設自体は一部設備を除きおおむね完成していた)。なおこれに伴い、従来の大阪駅(東海道本線〈JR京都線JR神戸線JR宝塚線〉・大阪環状線が発着する高架の1〜11番ホーム)は「大阪駅(西側エリア)」として区別される。


貨物輸送編集

安治川口駅に発着する5往復の定期貨物列車が運転されている。


大阪駅(うめきたエリア)の前後は地下線への切り替えに伴い急勾配ができ、貨物列車は電気機関車の単機牽引では走行不可能になったため、貨車の前後に機関車を連結するプッシュプルでの運行となっている。


沿線編集

書類上の起点は吹田貨物ターミナル駅だが、東海道本線との分岐はそのはるか北方の茨木駅南側である。

分岐した西九条方面の下り線は高架となって東海道旅客線を乗り越えて大阪貨物ターミナル駅からの貨物支線と合流。千里丘駅付近から東海道旅客上り外側線の西隣を並走し、吹田貨物ターミナル駅へと至る。


吹田貨物ターミナル駅から北方貨物線城東貨物線が分岐し、梅田貨物線は北方貨物線と並走しながら神崎川手前でおおさか東線と合流し、新幹線と立体交差する手前で北方貨物線と分かれて新大阪駅へ。


新大阪を出ると淀川を渡り、西へカーブして新御堂筋をくぐる。続けて南へカーブして阪急京都宝塚神戸線と交差する手前で地下線に入り、大阪駅(うめきたエリア)へ至る。


大阪駅(うめきたエリア)を過ぎると、建設中のなにわ筋線(複線)が右手に分岐して単線となり、書類上の終点である大阪環状線福島駅の北側で地上に出る。そのままなにわ筋と交差する踏切を通過し、高架へ上がって大阪環状線と並走。野田駅を通過して西九条駅へ至る。線路はそのまま桜島線へ合流するが、西九条駅手前の渡り線を通ると大阪環状線へ転線できる。


駅・信号場一覧編集

駅番号駅名備考
吹田貨物ターミナル駅貨物駅。書類上の起点。
(JR-A44)(※)吹田駅
(JR-A45)(※)東淀川駅
JR-A46・JR-F02新大阪駅
JR-A47・JR-F01・JR-O11大阪駅(うめきたエリア)地下ホーム
(JR-O12)(※)福島駅書類上の東海道本線貨物支線の終点。ここから大阪環状線の線増部に入る。
(JR-O13)(※)野田駅
JR-O14西九条駅大阪環状線との実質的な分岐駅。

(※)ホームが設置されていないため、当路線を経由する旅客列車が停車することはできない。


関連タグ編集

JR西日本


東海道本線JR京都線JR神戸線JR宝塚線) 大阪環状線 桜島線JRゆめ咲線) おおさか東線 なにわ筋線


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