概要
神奈川県横浜市神奈川区子安通一丁目にある京浜急行電鉄本線の駅。駅番号はKK33。
島式ホーム2面4線を有する駅だが、普通列車の停車のみ。
特徴
かつてこの駅は特急の停車駅だったのだが、1つ南の神奈川新町駅に新町検車区が新設されたことで急行停車駅に格下げされた不遇な駅。さらにその後急行が廃止になり普通のみの停車駅となった。
そして2010年(平成22年)にエアポート急行が新設されたが、そのエアポート急行は当駅を通過する種別となった。今となっては子安駅の1日平均乗降人数は7,000人台で京急全72駅中第64位。京急の中では利用客の少ない駅である。
駅構造
島式2面4線の地上駅。
戦慄の縦列待避(下り)
現在は回送列車の待避ぐらいにしか使われていない海側の1番線下り待避ホームだが、1958年にはそこで普通と急行が縦列に待避して特急を待ち合わせるという、いわゆる縦列二重待避が行われていた。
これだけでも結構珍しいのだが、普通・急行・特急の順に入線して、特急・急行・普通の順番で発車するための策として、先に止まっていた普通車の前方に後から来た急行を停車させるよう、バック駐車という荒技を10分に1回行っていた。正気の沙汰ではない。
高度成長期で猛烈に増加する乗客を3~4両という短編成で捌くために、ルール無用の残虐ダイヤが常態化していた最中の出来事であった。
その後行われた長編成化によるダイヤ整理と、神奈川新町駅の待避線拡張工事によって、この異常事態は収束された。
参考資料:『【迷列車】アクロバティック京急 Ep.1【で行こう】』
http://www.nicovideo.jp/watch/nm12617568
戦慄の同時入線(上り)
では山側の4番線はというと、こちらは現在も現役の営業待避線である。一駅間だけ上りが2車線の三線区間となっており、副本線は神奈川新町の4番線ホームから当駅4番線ホームに直結している。この500m足らず(ホーム待避線を含めると800m)の並走可能エリアをフル活用して、特急や快特の並走追い抜きに使用されている。
利用状況
- 2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は6,827人である(横浜市統計書より)。京急の駅では64位(2022年度《令和4年》)。
年度別
年度 | 乗降人員 | 順位 |
---|---|---|
2008年(平成20年)度 | 8,022人 | 61位 |
2009年(平成21年)度 | 8,097人 | 59位 |
2010年(平成22年)度 | 8,050人 | 62位 |
2011年(平成23年)度 | 7,820人 | 62位 |
2012年(平成24年)度 | 7,754人 | 63位 |
2013年(平成25年)度 | 7,615人 | 63位 |
2014年(平成26年)度 | 7,498人 | 63位 |
2015年(平成27年)度 | 7,614人 | 63位 |
2016年(平成28年)度 | 7,661人 | 63位 |
2017年(平成29年)度 | 7,681人 | 64位 |
2018年(平成30年)度 | 7,791人 | 64位 |
2019年(令和元年)度 | 7,671人 | 64位 |
2020年(令和2年)度 | 6,138人 | 63位 |
2021年(令和3年)度 | 6,287人 | 63位 |
2022年(令和4年)度 | 6,500人 | 64位 |
2023年(令和5年)度 | 6,827人 |
その他
- 当駅は近隣の子安三兄弟の長兄。開業したのは子安(1905年)・京急新子安(1910年)・JR新子安(1943年)の順番である。
- 近年になって神奈川新町が出しゃばっているが、浦島太郎伝説の所縁により近いのは当駅であり、史跡が数多く存在する。
- 当駅に接続する京浜国道の交差点名は「京浜子安駅入口」。京急子安でも京浜新子安でもなく、なんかいろいろ混ざっている。
- 横浜有数の規模を誇る大口通商店街の南端部分と地下トンネルで結ばれており、特急駅であった当駅は玄関口として重要な交通経路であった。