概要
神奈川県横浜市中区にある東日本旅客鉄道(JR東日本)、横浜市交通局(横浜市営地下鉄)、泉陽興行(YOKOHAMA AIR CABIN)の駅。
神奈川県や横浜市、国土交通省(港湾関係)の官庁街などを中心とする駅で、海側は近代的だが、山側は野毛町・日ノ出町と下町らしさが残る駅である。
JRは高架駅で改札が2か所あるが、横浜市営地下鉄は地下深いので乗り換えには手間がかかるため横浜や関内駅で乗り換えた方が早いこともある。
また、当駅は横浜ランドマークタワーやパシフィコ横浜といった横浜みなとみらい21の玄関口であり、京急の日ノ出町駅やみなとみらい線のみなとみらい駅も歩いて行ける範囲である。
横浜DeNAベイスターズの本拠地である横浜スタジアムヘは隣の関内駅、中華街へは関内及び石川町駅を利用した方が近い。
過去には横浜市交通局(横浜市営電車)神奈川線の桜木町駅前停留所、東京急行電鉄(現・東急電鉄)の桜木町駅も存在した。
JR東日本
歴史(JR)
ゆけば橫濱ステーシヨン
湊を見みれば百舟の
煙は空をこがすまで
――『鉄道唱歌』第一集「東海道篇」五番より
1872年6月12日(明治5年5月7日)、品川〜横浜間に日本で最初の鉄道が仮開業した際に設置された初代・横浜駅であり、すなわち品川駅と共に日本最古の鉄道駅である。1872年10月14日(明治5年9月12日)に新橋~横浜間が本開業を迎え、翌日から正式に一般営業を開始した。
1887年(明治20年)7月11日、官設鉄道の横浜〜国府津間が延伸開業したことでスイッチバック式の配線となるが、1898年(明治31年)8月1日には当駅を経由しない神奈川〜程ヶ谷間の短絡線が開業。短絡線経由が本線、従来の神奈川〜横浜間と程ヶ谷〜横浜間が支線となった。1907年(明治40年)11月1日には支線部分が区間統合され、神奈川〜横浜〜程ヶ谷間に表示変更。
1915年(大正4年)8月15日に横浜駅が移転(2代目の横浜駅が開業)すると、当駅は「桜木町駅」に改称。同時に程ヶ谷方面への線路が廃止されてスイッチバックも解消。これに伴い当駅は東海道本線の電車線の終点となった。
1964年(昭和39年)5月19日に桜木町〜磯子間が開業すると、既存区間も合わせて横浜〜桜木町〜磯子間が根岸線となる。同時に当駅は根岸線所属に変更され、同線の途中駅となった。さらに同年6月1日には東海道本線の貨物支線(通称・高島線)として高島〜当駅間が延伸された。
駅構造(JR)
島式2面3線の高架駅で、中線は横浜方面の折り返し線である。横浜線の電車は、朝夕を除いて中線を使って当駅で折り返す。
改札口はかつて南口(南改札)のみだったが、2014年(平成26年)7月1日に北口(北改札)が新設され、同時に東西通路も開設された。
2015年(平成27年)・2016年(平成28年)にはそれぞれ夏季にポケモンセンターヨコハマ周辺のイベントの一環として駅名標がピカチュウだらけになったりもした。さすが子会社が権利を持っているだけある…。
2018年(平成30年)3月17日のJR各社のダイヤ改正により、当駅4時18分発の大宮行きが日本一早い始発電車となっている。
乗り場 | 路線 | 方向 | 方面 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 根岸線 | 南行 | 磯子・大船方面 | 南行本線 |
2 | 降車専用ホーム | 3番乗り場と共有 | ||
3 | 京浜東北線・横浜線 | 北行 | 横浜・品川・東京・大宮・八王子方面 | 2番乗り場と共有 |
4 | 京浜東北線・横浜線 | 北行 | 横浜・品川・東京・大宮・八王子方面 | 北行本線 |
2015年(平成27年)7月25日より、(横浜駅移転後の)当駅誕生100周年を記念して、発車メロディが『線路は続くよどこまでも』に変更された。
横浜市交通局(横浜市営地下鉄)
歴史(横浜市電→横浜市営地下鉄)
1904年(明治37年)7月15日、路面電車の横浜電気鉄道(のちの神奈川線)が開業。大江橋付近に大江橋停留所、現在の横浜ランドマークタワー付近に停留所(名称不明)がそれぞれ設置された。
1914年(大正3年)、鉄道省京浜線の改良工事に伴い、横浜電気鉄道神奈川線は国道16号上に移設。桜木町駅前停留所・紅葉坂停留所が設置された。1970年(昭和45年)7月1日に横浜市営電車神奈川線の高島町〜桜木町駅前間が廃線となり、桜木町駅前停留所も廃止された。
1976年(昭和51年)9月4日、横浜市営地下鉄3号線(現在のブルーライン)の横浜〜伊勢佐木長者町間の開通時に同線の桜木町駅が開業。
駅構造(横浜市営地下鉄)
島式1面2線の地下駅で、快速停車駅である。
泉陽興行(YOKOHAMA AIR CABIN)
2021年(令和3年)4月22日に開業。JR駅東口そばに位置する2階建て構造の駅で、駅舎2階に改札口と乗降場が設置されている。
構造的にはよくある循環式ロープウェイの終端駅であり、動いている状態のゴンドラにそのまま乗り降りするスタイルとなる。
東京急行電鉄(廃止)
歴史(東急)
1932年(昭和7年)3月31日、東京横浜電鉄(のちの東京急行電鉄)東横線の高島町〜桜木町間の延伸開業時に、同線の終着駅として開業。1956年(昭和31年)9月10日には高島町〜当駅間が複線化された。
しかし、2004年(平成16年)1月31日に横浜高速鉄道みなとみらい線が開業すると、東急東急線はみなとみらい線に乗り入れてみなとみらいや元町・中華街方面へ直通する運行形態へ変更されたため、同年1月30日の運行を最後に東横線の横浜~桜木町間は廃止となった。代替駅扱いではないものの、現在のみなとみらい線の駅ではみなとみらい駅と馬車道駅が当駅に近接している。
駅構造(東急)
島式ホーム1面2線の高架駅で、乗り場の番号はJRからの連番だった。
利用状況
近況
概ね、JRに利用者が多いのは運賃の問題から。
JR東日本
- 2022年(令和4年)度の1日平均乗車人員は64,698人である。
横浜市営地下鉄
- 2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は39,430人である。
年度別利用状況推移表
事業者名 | JR東日本 | 横浜市営地下鉄 | |
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年度 | 乗車人員 | 乗降人員 | 乗降人員 |
2008年(平成20年)度 | 60,440人 | 120,880人 | 27,554人 |
2009年(平成21年)度 | 60,467人 | 120,934人 | 30,665人 |
2010年(平成22年)度 | 61,536人 | 123,072人 | 30,780人 |
2011年(平成23年)度 | 61,288人 | 122,576人 | 30,552人 |
2012年(平成24年)度 | 63,823人 | 127,646人 | 32,144人 |
2013年(平成25年)度 | 65,392人 | 130,784人 | 34,556人 |
2014年(平成26年)度 | 66,217人 | 132,434人 | 35,170人 |
2015年(平成27年)度 | 68,546人 | 137,092人 | 36,759人 |
2016年(平成28年)度 | 70,286人 | 140,572人 | 37,311人 |
2017年(平成29年)度 | 70,676人 | 141,352人 | 37,822人 |
2018年(平成30年)度 | 71,160人 | 142,320人 | 38,933人 |
2019年(令和元年)度 | 70,797人 | 141,594人 | 39,250人 |
2020年(令和2年)度 | 49,519人 | 99,038人 | 28,991人 |
2021年(令和3年)度 | 56,214人 | 112,428人 | 33,884人 |
2022年(令和4年)度 | 64,698人 | 129,396人 | 36,808人 |
2023年(令和5年)度 | 39,430人 |
隣の駅
JR東日本 | ||||
---|---|---|---|---|
根岸線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
| 関内駅 | 桜木町駅 | 横浜駅 | 京浜東北線及び横浜線直通共通。 |
横浜市営地下鉄 | ||||
ブルーライン | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
快速 | 関内駅 | 桜木町駅 | 横浜駅 | |
各駅停車 | 関内駅 | 桜木町駅 | 高島町駅 | |
泉陽興行 | ||||
YOKOHAMA AIR CABIN | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
桜木町駅 | 運河パーク駅 |
関連項目
山崎まさよし - 楽曲「One more time,One more chance」はこの桜木町を歌っており、山崎自身も上京して最初に居を構えたのが桜木町だったという。
ゆず - 横浜市磯子区出身のフォークデュオ。2人は東京都心へ出る際に東横線桜木町駅を利用しており、2004年6月20日リリースのシングル『桜木町』は当駅の廃止を惜しんで製作された。