初代800形
後に1000形デハ1095~1098号に編入された。
2代目800形
1978年から誕生した通勤形電車で、旧性能電車である400形・500形を置き換えるべく普通列車専用車両としてデビューした。最終的に6両編成22本(計132両)が製造された。
前面スタイルから「だるま」の愛称を持つ。
特徴
普通列車専用列車として開発されたため、車両性能は起動加速度に重点しており、設計最高速度は100km/hに留まるが、他の車両以上の加速性能を手に入れた。
塗装は赤をベースに窓周り全体を広くアイボリーとするタイプとなり、この塗装は2000形が誕生するまで使用された。2000形登場後は従来の白帯塗装へ変更された。
当時はオイルショックによって省エネ化の声が大きかったこともあり、界磁チョッパ制御・電力回生ブレーキなどといった新技術を採用し、省エネ車両の先駆けとなった。
通勤需要に対応するため、2代目700形と同じ片側4扉となった。
リバイバル塗装
2016年に823編成が登場当時の塗装に変更された。なお、この編成は製造当初から一般塗装だったため、優等塗装となるのは初めてである。
2019年の引退までこの塗装で走り続け、ラストランも823編成で行われた。
運用
計画当初は2本繋げた6両で急行・3両単独で普通という運用が組まれる予定だった。しかし、3両編成では定員が足りないため京急空港線の運用を除き全て6両での運行となり、801~810編成を除いて全て6両固定編成にされ、朝ラッシュ時は普通(※1)、日中は急行の運用に就いた。
3両固定編成のまま残った編成は空港線のローカル運用(当時は羽田空港まで乗り入れていなかった)に使用された。
なお、一時期は三崎口駅発着の普通運用があり、当形式も使用されたことがある。
2000年代以降は主に普通列車に使用され続けていたが、2002年よりラッシュ時限定で羽田空港駅発着の快特・特急(※2)に使用されるようになり、2010年のダイヤ改正でエアポート急行に変更されたが、羽田空港国際線ターミナル駅開業後はホームドアの関係上、当形式は使用できなくなり、空港線の運用から退いた。
以降は本線の普通列車に使用され続け、一部時間帯限定で京急逗子線や京急久里浜線(※3)にも乗り入れた。
(※1)当時は梅屋敷駅が高架化前であり、踏切を塞いで停車していたため、日中は京急川崎以北に6両編成の普通列車が長らく設定されなかった。
(※2)車両性能の都合上、最高速度は100km/hに制限。
(※3)普通列車の運用の都合上京急久里浜駅までしか入線しないが、1番線に入線した際は三崎口寄りの本線上で折り返し作業を行う。ファンからはMST(三崎口サイドターン)と呼ばれている。
廃車
2011年より初期編成から順次廃車が進められていたが、4扉配置がホームドア設置に支障をきたすため、置き換えが前倒しされ、2019年に全ての編成が引退となった。
当形式の廃車により、京急から片開き扉、前面一灯式前照灯、正面に行灯式方向幕、スカート未設置、扇風機設置等々かつての京急の伝統を持つ車両が姿を消すこととなった。
余談
ちなみに、シン・ゴジラでぶっ壊されたのも彼。監督の庵野氏と共に鉄道マニアである樋口氏直々の指名だったらしい。
話が来た時点では「ちょっと絡む程度」の話だったらしいのだが、完成した脚本では思いっきり派手に壊される事になっており、流石にちょっと話が違うとなったらしい。
が、最終的には「相手がゴジラなら仕方ないな」という事で京急がこの角度で衝撃がきたらこういう風に壊れますとノリノリで資料を提供してきたとか。京急ェ…
PCゲームの少女たちは荒野を目指すにて、本形式がしばしば登場する。
ゲーム発売前に放映されたアニメ版でも登場し、OPでは当形式が荒野を疾走と駆ける姿を見ることができる。また、本編中にも登場しているが、行先が「岳泉寺※」になっていたり、内装が600形のようなクロスシートになっていたりとカオスである。
本作は舞台が京急本線沿線の神奈川県横浜市金沢区であるため、京急関連の施設がたくさん登場している。
※実際の800形は品川までしか乗り入れできないため、泉岳寺行として使われたことはない。