曖昧さ回避
概要
1961年制定。当初は日本の鉄道趣味団体である鉄道友の会の会員投票により選出された。対象は前年に日本国内で営業運転を開始した鉄道車両のうち、画期的な車両かつ優秀である車両としての最優秀賞である「ブルーリボン賞」の次点であることが多かった。また通勤車両(乗車に際し特別料金を必要としない車両)に事実上対象が限定されていた時代もあった。
現在は、会員投票ではなく選考委員会の評議によって技術面や先進性に優れた車両が選定されることが多い。
なお、ブルーリボン賞・ローレル賞の候補が極端に少ない場合、ローレル賞は「該当なし」となるケースがある一方、複数形式がこれを受賞する年もある。
主な受賞車両
- 阪急電鉄(京阪神急行電鉄) 2000系・2300系電車:1961年(第1回)の受賞車両。「オートカー」。
- 山陽電気鉄道 3000系(アルミ車):日本初のアルミ合金車両。1965年(第5回)に受賞。
- 長野電鉄 0系(OSカー):地方私鉄の車両としては初の受賞例。1967年(第7回)に受賞。
- 西日本鉄道 2000形:料金不要の特急用車両としてオールクロスシート車で登場したことから、ブルーリボン賞とローレル賞のあり方について議論されるきっかけになった。1974年(第14回)に受賞。
- 熊本市交通局(熊本市電)
- 樽見鉄道 ハイモ180形気動車:日本初の量産型2軸レールバス。1985年(第25回)に受賞。
- JR四国 2000系(TSE):営業用の振り子式気動車としては世界初、制御付振り子式車両としては日本初。1990年(第30回)に受賞。
- 大阪市営地下鉄(現・OsakaMetro) 70系電車:日本初のリニア地下鉄車両。1991年(第31回)に受賞。
- 近畿日本鉄道 5800系電車:日本初の量産型デュアルシート車両。L/Cカー。ロングシートとクロスシートの両方に切り替え可能な座席構造。1998年(第38回)に受賞。
- スカイレールサービス スカイレール200形車両:神戸製鋼所・三菱重工業などが共同で開発した「ロープ駆動式短距離交通システム」。1999年(第39回)受賞。
- 鹿児島市交通局(鹿児島市電)
Pixivサービス開始後の受賞車両
※2008年が第48回。
- 2008年:JR東日本 E721系電車・仙台空港鉄道 SAT721系電車
- 2008年:JR東日本 キハE200形気動車
- 2009年:豊橋鉄道 T1000形電車「ほっトラム」
- 2009年:京阪電気鉄道 3000系電車
- 2010年:近畿日本鉄道 22600系電車「Ace」
- 2011年:東京メトロ 16000系電車
- 2012年:JR貨物 HD300形機関車(900番台)
- 2013年:該当なし
- 2014年:JR東日本 E6系新幹線電車
- 2014年:福井鉄道 F1000形電車「FUKURAM」
- 2015年:JR東日本 EV-E301系蓄電池電車「ACCUM」
- 2015年:箱根登山鉄道 3000形電車「アレグラ号」
- 2016年:JR東日本 HB-E210系気動車
- 2016年:四日市あすなろう鉄道 新260系電車(※冷房改造更新車)
- 2017年:JR東日本 E235系電車
- 2017年:えちごトキめき鉄道 ET122形1000番台気動車「えちごトキめきリゾート 雪月花」
- 2017年:静岡鉄道 A3000形電車
- 2018年:JR東日本 E353系電車
- 2018年:東武鉄道 500系電車
- 2018年:鹿児島市交通局(鹿児島市電) 7500形電車
- 2019年:相模鉄道 20000系電車
- 2019年:叡山電鉄 700系電車・デオ732「ひえい」(※改造車)
- 2020年:JR四国 2700系気動車
- 2021年:JR東日本 E261系電車
- 2021年:JR東海 N700S系電車
- 2022年:東京メトロ 17000系電車、18000系電車
- 2022年:京阪電気鉄道 3000系電車「プレミアムカー」用中間車・3850形
- 2023年:京都市交通局(京都市営地下鉄烏丸線) 20系電車
- 2024年:宇都宮ライトレール HU300形電車
- 2024年:OsakaMetro 400系電車
余談
- 「該当車なし」となった年は、1968年、2004年、2013年。
- 複数形式受賞の最多は2006年の4形式で、名古屋鉄道2000系「ミュースカイ」、愛知高速交通100形「リニモ」、広島電鉄5100形「Green mover max」、福岡市交通局3000系。なお、2001年も4形式受賞であるが、近畿日本鉄道3220系、5820系、9020系はシリーズ21としてひとまとめにされる。(あと一つは名古屋鉄道モ800形)
- 複数回受賞した車両としては京阪3000系が挙げられ、2009年に形式全体、2022年にプレミアムカーの3850形と、これまでに通算2回受賞している。
- 大手私鉄で受賞歴がないのは西武鉄道、京成電鉄、阪神電気鉄道の3社。ただし3社ともブルーリボン賞の受賞歴はある。
- 前年に日本国内で営業運転を開始した鉄道車両であっても、「新系列ながら既存車からの変更点が少ない、あるいは類似車両が他社にいる」とみなされ、ブルーリボン賞・ローレル賞の受賞候補にノミネートされない車両も多数存在する。相模鉄道11000系、東京都交通局8900形、南海電気鉄道8300系などがその例。
- 稀に受賞車両に対する忖度が行われることがあり、例として国鉄301系との一騎打ちで「地方私鉄」のハンディから選定された長野電鉄0系や、過去に8000系が名鉄モ600形に敗れたことで選定された東急8500系などがある。