8900形
はっせんきゅうひゃくがた
1911年にアメリカのアメリカン・ロコモティブ社から輸入した加熱式蒸気機関車。
本体はアメリカ製だが炭水車は日本製。
当初は8600形となる予定でブルックス工場で製造された1次車は8600番台が附番されていたが、車軸配置が変更されたことに伴い8900形へと改称され、リッチモンド工場で製造された二次車は当初から8900番台で製造されている。
日本の蒸気機関車で初めて従輪を備える軸配置4-6-2のテンダー機関車で、約1000馬力の出力は幹線運用に適し、日本初の特別急行列車牽引機を務めた。
1934年までに全車廃車となった。
1961年に6両が製造された国鉄のタンク車。製造は日本車輌。
アスファルト専用の30t積みタンク車で、当初はシェル石油、1977年から北海道廃油処理工業(1983年にホクハイに改称)の私有貨車であった。
荷下ろし用にタンク内部にオイルバーナーを備え、外観上は煙突が突き出ているのが特徴。
国鉄民営化に伴いJR貨物に継承されたが、1987年7月に全車廃車となった。
東京都交通局8900形
残存する7000形の置き換えを目的に8両が導入された。製造はアルナ車両。
基本性能は8800形と同様だが、外観デザインは直線的なシンプルなものになっている。
8800形のデザイン案のひとつである「都会的イメージを表現した、直線基調のデザイン」とほぼ同じである。
当初は16両が導入される予定だったが、製造は2016年度までの計8両にとどまり、残りは7000形を改修する形で補うことになった。
塗装パターンは4種類用意され、8901・8902号車がオレンジ、8903・8904号車がブルー、8905・8906号車がローズピンク、8907・8908号車がイエローとなっている。
秋田内陸縦貫鉄道AN8900形
形式は製造年である1989年に由来。急行「もりよし」用の気動車として導入された。経費削減のため2両固定編成の定期運用が2012年に終了し、AN-8901〜8904号車は余剰廃車となっている。
- AN-8901・8903:鷹巣側に運転台がある片運転台車。
- AN-8902・8904:角館側に運転台がある片運転台車。
- AN-8905:上記4両の定期検査時の予備車で、両運転台車として製造された。2020年に観光用「笑 EMI」に改造され現在も運用中。
- (※参考)AN-2001:AN2000形として1両だけ製造されたイベント対応車。鷹巣側の片運転台車。2020年に観光用「秋田縄文号」に改造され現在も運用中。