鉄道車両の系列の一つ。
日本国内の複数の鉄道会社にこの系列を付与された車両が存在する。
東京急行電鉄 5000系(初代)
1954年から1986年まで東京急行電鉄(東急)東横線などで運用された通勤形電車。同社初の高性能車である。塗装とその前面の形から「青ガエル」とも呼ばれた。長野電鉄を皮切りに全国各地の中小私鉄に譲渡されたが経年等により順次引退へ。
2016年2月、熊本電気鉄道を最後に全車両引退となった。現在は車籍のない動態保存車が残る程度。
なお、松本電気鉄道(→アルピコ交通)、岳南鉄道(→岳南電車)、上田交通(→上田電鉄)、熊本電気鉄道でも「5000系」を名乗っていた。
→青ガエル
東京急行電鉄 5000系(2代目)
田園都市線仕様
東横線仕様
2002年から東京急行電鉄(東急)田園都市線他で運用されている通勤形電車。現在の東急の標準形車両と位置づけられている。東横線用の5050系、目黒線用の5080系のバリエーションがある。JR東日本E231系と一部部材を共通化している。
西武鉄道 5000系
1969年から1996年まで西武鉄道(西武)で運用された特急形電車。愛称「レッドアロー」。
同社秩父線の開業に合わせ運転を開始した有料特急用に投入された同社初の特急専用車両である。一部が富山地方鉄道に譲渡され同社の16010形となり、現在も運行中である。
しかし、富山地方鉄道において2021年から後輩の10000系の導入が決定したが、本形式を置き換えるかどうかは不明である。
帝都高速度交通営団→東京メトロ 5000系
東西線仕様
北綾瀬支線仕様
1964年から帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現東京メトロ)で運用されていた通勤形電車。東西線及び千代田線、北綾瀬支線で運用され、東西線撤退後も長らく北綾瀬支線用に残存していたが2014年6月に運用を離脱した。一部は廃車後にインドネシアに輸出され2022年まで活躍。
京王帝都電鉄5000系(初代京王5000系)
初代5000系は1963年から1996年まで京王帝都電鉄(京王、現京王電鉄)で運用された。
なお、京王引退後も地方中小私鉄へ移籍して現役の車両があり、一畑電車では2両編成2本が引き続き「5000系」を名乗る。
京王電鉄5000系(2代目京王5000系)
2代目京王5000系は2017年から通常の追加料金不要列車として運行を開始。2018年より座席指定列車「京王ライナー」としての運用がスタートした。
相模鉄道5000系(初代)(二代目)
1955年に相鉄初のオリジナル高性能車両として初代がデビュー。全電動車両のボディマウント型軽量車体が特徴だったが、車体老朽化と冷房化の為1972年から75年に掛けてアルミ車体の5100系へ改造された。その後、電機機器の老朽化に伴い1988年にVVVFインバータ制御に再改造され5000系(二代目)となった。2009年に全車引退。
名古屋鉄道 5000系(初代)
1955年から1986年まで名古屋鉄道(名鉄)に在籍した汎用型電車である。
名鉄では初の新性能電車で、いわゆる「SR車」の元祖である。
後に改良型の5200系、大衆向け車両では初の冷房化を実現した5500系が登場した。
名古屋鉄道 5000系(2代目)
2008年から名古屋鉄道で運用されている通勤型電車。
特急列車運用の見直しで廃車された1000系「パノラマSuper」全車特別車編成の台車・機器を流用して車体のみを新造したリサイクル車両である。
京阪電気鉄道 5000系
1970年から京阪電気鉄道(京阪)で運用されている通勤形電車。ラッシュ時対応のため編成全体が5扉車となっていることが特徴。昼間などはうち2扉に座席を降ろして閉鎖し3扉車としても運用できた。7両編成。
なお京橋駅のホームドア設置に伴い、当系列を7両化された10000系1本および13000系7両編成2本と6両編成(当時)4本に置き換えられ2021年に全廃となった。
阪急電鉄 5000系
1968年から阪急電鉄で運用されている通勤型電車。阪急神戸線初の1500V専用車として設計された。現在は全編成がリニューアルされている。リニューアル工事の際8両編成に揃えられたが、近年では6両編成化されて阪急今津線へ転属している編成が出ている。
山陽電気鉄道 5000系
1986年より山陽電気鉄道が運用している通勤形電車(3扉セミクロスシート)。当初は普通電車用として投入されたが現在は阪神電気鉄道への直通特急を始めとした優等列車中心に使われている。派生形式に5030系がいる。
2017年から順次リニューアル工事を行っている。
JR四国 5000系
2003年よりJR西日本・JR四国が瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」で運用している近郊形電車。3両編成6本が在籍し、M1〜M6編成を名乗る。
普通車自由席用車両とグリーン車・普通車指定席用合造車(2階建て)があり、普通車自由席用車両の5000形・5200形はJR西日本223系を、グリーン車・普通車指定席用合造車の5100形はJR東日本E217系の2階建てグリーン車をベースに設計されている。
JR西日本の223系5000番台はほぼ同型で、全車普通車の自由席車両。
5000-5200-5100の3両編成で、うち5000形は制御電動車。制御装置は全て東芝製であるが、223系のものとは磁励音が異なり、313系初期車と同一である。また、他の223系先頭車がスカートを強化型に取り替えた中、現在も原型を保っている唯一の車両である。
ダブルデッカーの5100形のうち、5101は電気連結器を装備しており、過去には5000系-223系-5000系の8両編成を組まれたこともある。
JR四国の電車の中で唯一、駆動装置にWN継手を採用している(要検証)。
東武鉄道 5000系
東武鉄道で1979年に登場した7800系の車体更新車。ツリカケ駆動のまま、車体を8000系と同等のものにした。派生系列として5050系、5070系があり、特に5050系は東武鉄道最後の吊り掛け車として2007年まで活躍した。
大阪府都市開発→泉北高速鉄道 5000系
泉北高速鉄道の車両。輸送力増強を目的として1990年に運行を開始した。
直通先の南海電気鉄道にはない唯一の8両固定編成・前面非貫通車である。5編成在籍。
2015年から順次リニューアル工事を行っている。
湘南モノレール 5000系
2004年登場の湘南モノレールの車両。3両編成7本が製造され、既存車をすべて置き換えた。編成ごとに帯の色が異なる。
登場順に、赤、青、緑、黄色、紫、黒、桃色。
神戸電鉄 5000系
神戸電鉄2000系の改良型で、VVVFインバータ制御になった。4両編成10本を製造し、全電動車方式でワンマン運転。
→神戸電鉄5000系
秩父鉄道 5000系
もと都営地下鉄三田線の6000形。秩父鉄道にて1999年より運用を開始した。合わせて3両編成4本を投入。
1本は2011年に発生した踏切事故で使用不可能となり先頭車1両を廃車にし、残った2両は部品取り車となっている。
伊豆箱根鉄道 5000系
伊豆箱根鉄道大雄山線専用車両として1984年登場。第1編成は普通鋼製、第2〜第7編成は軽量ステンレス製、そのうち第5~第7編成は転換クロスシート、第7編成のみスカート・車内案内表示器設置と、バリエーションが豊富。