概要
東西線とは、東京メトロ(東京地下鉄)が運営する地下鉄路線。都市高速鉄道計画での正式名称は5号線。
中野(東京都中野区) - 西船橋(千葉県船橋市)間(30.8km)を結ぶ。これは東京メトロで最長だが、都営大江戸線よりは10km短い。
JR中央・総武緩行線(中央本線側・中野 - 三鷹駅間及び総武本線側・西船橋 - 津田沼駅間)・東葉高速鉄道(西船橋 - ~東葉勝田台駅間)と相互直通を行っている。ただし、津田沼直通は平日ダイヤ実施日朝夕時間帯のみで、日中及び土休日ダイヤ実施日には東葉高速線にしか直通しない。
同様に千葉県に乗入れる都営新宿線(東大島 - 船堀間)同様荒川渡河で高架区間となっているが、東西線は東岸で地上に降りず、西船手前までずっと高架(その長さ約14km!)のため、「地上鉄」等と揶揄されることもあるらしい。
ただし、車両が地上区間を走る長さという点では、直通運転の関係で半蔵門線や副都心線に分がある。
帝都高速度交通営団時代1978年(昭和53年)2月、荒川鉄橋を通過中に突風に煽られ車両が横転する大事故が起きた。
しかし「地下鉄が強風に煽られて鉄橋上で横転」という説明は、地下鉄東西線を「地上鉄と認識していない地域の人々」にとっては意味不明以外の何物でもなかったという。
建設された経緯が総武本線(総武緩行線)混雑緩和なのであるが、それはほとんど改善せず、逆に東西線が同線と肩を並べてしまう程混雑してしまった。私鉄の中でも混雑が激しいことで改善のために停車駅均一化を図ったという意味では東急田園都市線と似ている部分はあるが、田園都市線は横浜市方面からの長距離客で優等列車に混雑が集中するのに対し、東西線は快速通過駅の多い江戸川区に乗客が多い関係で各駅停車に混雑が集中する。
東京メトロとなってからイマイチ変化に欠ける故か、路線図が旧タイプだらけで放置されていた時期もあった。
南砂町旧西側改札階段上に至っては2024年5月に閉鎖されるまで営団時代のままであった。
かつては営団ブザーが使用されていた。現在、発車メロディはJR管理中野を除き、全駅で向谷実作編曲のものが用いられている(このうち、九段下では爆風スランプ『大きな玉ねぎの下で 〜はるかなる想い』、日本橋では民謡『お江戸日本橋』がそれぞれご当地メロディとして採用されている)が、これらは中野・西船橋方面共に隣駅の発車メロディを繋げると1つの楽曲が完成するという仕掛けが組込まれている。
混雑率は199%と私鉄の中では最も混雑する路線となっている。
東急田園都市線は一部並行する大井町線急行運行開始、小田急小田原線は複々線化進捗によって混雑率が改善したため、東西線が現在私鉄でダントツで高い状況となっている。
ちなみに、現在2位は同じく千葉→東京に向かう千代田線となっている。
なお、2024年現在では地下鉄で最も利用者が多い路線となっており、御堂筋線や田園都市線、東横線より利用者が多い。
運行形態
快速
日本では架線集電方式地下鉄路線として初の速達列車であり、最高時速100km/hで地上区間を爆走する。
西船橋 - 東陽町間で快速運行を行い、その他は各駅に停車する。
日中運用はメトロ・東葉高速鉄道車が担当。東葉勝田台 - 西船橋 - 東陽町 - 中野間で運行され、西船橋で緩急接続を行う。葛西で先行していた各停を追越す他、朝夕には原木中山・妙典でも追越しを行う列車がある。
平日夕方には津田沼 - 西船橋 - 中野 - 三鷹間を東西線経由で走行する列車も存在し、メトロ車の他、JR車も充当される。
平日朝は後述の通勤快速が代替として設定されているため、運行されない。
停車駅
(三鷹⇔中野⇔東陽町間各駅) - 浦安 - (西船橋⇔東葉勝田台・津田沼間各駅)
通勤快速(通快)
平日朝に三鷹方面のみ運行される。快速停車駅に東陽町 - 浦安間の各駅を加えたもの。
1986年(昭和61年)11月1日に快速の停車パターンの1つ(C快速)として登場。1996年(平成8年)3月16日より通勤快速に改称した。
2007年以降は改正の度に運行時間帯が拡大しており、同年3月19日から平日朝の最混雑時間帯に運行されていた快速が全て通快に変更。2009年3月16日からは西船橋発朝6:00 - 9:10までの全速達列車が通快となった。なお、この運用にJR車は充当されない。
なお、車両によっては「通快」と略称で表示される場合がある。
停車駅
(東葉勝田台⇒西船橋間各駅)⇒浦安(⇒中野・三鷹間各駅)
各停
全区間各駅に停車する。
日中は主に三鷹・中野 - 東陽町 - 西船橋間で運行され、朝夕には東葉勝田台発着、平日朝夕限定で津田沼発着も設定されている。
葛西で快速通過待ちを行う他、朝夕には原木中山・妙典でも通過待ちをする。
また、入出庫関連で東陽町・妙典・東葉高速鉄道八千代緑が丘発着も存在する。
駅一覧
●:停車 レ:通過
駅番号 | 駅名 | 快速 | 通快 | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
- | - | ↑JR中央本線(中央緩行線)三鷹まで直通 | - | ||
T01 | 中野 | ● | ● | JR中央本線(中央快速線(JC06)/中央緩行線(JB07)) | JR管理駅 |
- | - | - | ↑地上/↓地下 | ||
T02 | 落合 | ● | ● | - | - |
T03 | 高田馬場 | ● | ● | 非常用渡り線あり | |
T04 | 早稲田 | ● | ● | - | - |
T05 | 神楽坂 | ● | ● | - | - |
T06 | 飯田橋 | ● | ● | - | |
T07 | 九段下 | ● | ● |
| |
T08 | 竹橋 | ● | ● | - | - |
T09 | 大手町 | ● | ● |
| - |
T10 | 日本橋 | ● | ● | - | |
T11 | 茅場町 | ● | ● | 日比谷線(H13) | - |
T12 | 門前仲町 | ● | ● | 都営大江戸線(E15) | - |
T13 | 木場 | ● | ● | - | - |
T14 | 東陽町 | ● | ● | - | 当駅発着あり |
T15 | 南砂町 | レ | ● | - | - |
↑地下/↓地上 | |||||
T16 | 西葛西 | レ | ● | - | - |
T17 | 葛西 | レ | ● | - | 非常用渡り線あり |
- | - | - | ↑東京都/↓千葉県 | ||
T18 | 浦安 | ● | ● | - | 当駅始発あり |
T19 | 南行徳 | レ | レ | - | - |
T20 | 行徳 | レ | レ | - | - |
T21 | 妙典 | レ | レ | 当駅発着あり | |
T22 | 原木中山 | レ | レ | - | - |
T23 | 西船橋 | ● | ● | - | |
- | - | - |
使用車両
現在の使用車両
東京メトロ車
- 05系:1988年導入。製造時期が長く、同形式内で差異が大きい。初期車は廃車となっており、一部は北綾瀬支線に改造・転用された他、KRLジャボタベックに譲渡されている。
- 07系:2006年導入、1993年製。有楽町線からの転属車。
- 15000系:2010年導入。
JR東日本車
- JRE231系800番台:2003年より使用。
東葉高速鉄道車
- 東葉高速鉄道2000系:2004年より使用。
過去の使用車両
営団・東京メトロ車
- 5000系:開通時導入。老朽化のため、2007年までに引退。一部がKRLジャボタベックに譲渡された(現在は廃車済)。
- 8000系:1987年導入。本来は半蔵門線用に設計された車両であるが、1987年11月の10両編成増備計画実行に05系開発が間に合わず、当時初期製造から20年経つ5000系の新製も得策でなかったことから、設計が完了している東西線と同規格(20m級4扉)の営団車の中では当時最新型である8000系8112F - 8114Fを前倒し製造し、暫定的に使用。1988年の05系導入に伴い予定通り半蔵門線に帰属した。
国鉄・JR東日本車
東葉高速鉄道車
- 東葉高速鉄道1000形:1994年より使用。廃車になった営団5000系を譲受・改造したもの。老朽化のため2004年までに引退。一部はKRLジャボタベックへ譲渡された(現在は廃車済)。
その他
- 6000系:千代田線6000系のうち第1・2次試作車が落成した1968年当時、千代田線が未完成であったため、東西線で走行試験を行った。1971年までに千代田線に移動。
備考
この路線はあらゆる私鉄一や地下鉄一を他線から取った路線である。
一例を上げると、
と既に2つから私鉄日本一を取っている。
そして東陽町が本厚木に迫るレベルで増加しており、同駅を抜いた場合は小田急電鉄から私鉄一の乗降人員が多い駅を取ることになり、あらゆる意味で私鉄一、地下鉄一を3つ取ることとなる。
関連タグ
- 名古屋市営地下鉄鶴舞線:両端を同じ鉄道会社に挟まれ、直通を行っているもう1つの地下鉄。以前は終日直通していたが、2024年3月ダイヤ改正から犬山線直通が大幅減便され、東西線と余り変わらなくなる。奇しくもラインカラーは同じ。
※神戸高速鉄道東西線は、現在は阪神電鉄及び阪急電鉄神戸高速線となった。