概要
東京都新宿区・千代田区・文京区の三箇所をまたぐ場所に位置する駅である。物理的にも、乗り換え的にも23区の中心に位置する。そこまで規模が大きい駅ではないが、以下の5路線が乗り入れる。
なお、地下鉄は全てJR駅舎の東口に集中している(有楽町線と南北線はJRと江戸城外濠を挟んで並行しているため西口からも遠くはないが)ため、乗り換えには注意が必要。
飯田橋交差点から放射線状(というかもろヒトデ)に線路が延びているため、都内のあらゆる重要施設、または東京以外の関東の大都市へこの駅からアクセスする事が可能。ただ、中央・総武緩行線と有楽町線と南北線は市ヶ谷駅まで路線が並走しているため混雑しないが、並走しない東西線はよく混雑している。
1928年にほぼ現在の飯田橋駅と同位置の牛込駅と御茶ノ水寄りの首都高をくぐる辺りにあった飯田町駅が統合して誕生。
統合後も飯田町駅は1997年までは貨物駅として転用され紙輸送が行われていた。現在は1999年の廃止後土地の大半を民間転用されたほかは保線基地となっている。
JRのホームのちょっと先にある千代田街ビルはある意味この駅周辺のシンボルというべき存在。
毎回アーティスト(主にアイドル)の新譜広告が貼られているため、印象に残る人は多いはず。
竹書房が駅を降りた先にあるのだが、JR東口改札前の案内看板には『あの』ポプテピピックの1コマが使用されており、さりげなく話題になっている模様。
後述のJR線ホーム移設に合わせて2020年に西口駅舎がリニューアルされる事が発表され、以下の旧駅舎は現在取り壊されてしまっている。
かなり早い段階から新駅舎のデザインが発表されていた千駄ヶ谷駅や御茶ノ水駅と違って長らく大まかな完成図しか発表されていなかったが2018年11月にようやく正式なデザインが公表、そして2020年7月12日に竣工した。
旧駅舎が赤い三角屋根の白い駅舎だったのに対し、こちらは黒い箱状のデザインに変わっている。
駅周辺
駅周辺は高級住宅街で知られ、金に糸目を付けないなら非常に好条件の住宅街と言える。
一方で学生の街としても知られ、平日・休日を問わず周辺には学生が往来する。
また、神楽坂がかつては東京有数の歓楽街として知られており、2020年代でも芸者の店が少数精鋭で存続している。
駅から少し歩いたところにある「警視庁遺失物センター」は、東京沿線の落とし物を預かる公共施設として有名。東京沿線をよく利用する人の中にお世話になったこともある人がいることだろう。
駅構造
ホームの構造は対面式ホーム二面二線の東西線以外は全て島式ホーム一面二線である。
JR
千代田区に所在。緩行線のみの停車で快速は停車しない。
一面二線島式ホームで東口は高架、西口は半地下駅となっている。
かつての飯田橋駅はJRホームが御茶ノ水寄りのカーブ上にあったが、2014年から転落防止のためホームを現在より新宿方面寄りの直線区間に移設工事され、2020年7月の竣工で直線状になった。かつてのホームには転倒防止の柵が設けられそのまま連絡通路として運用される。このため、JR東口側に駅が所在している東西線や大江戸線への乗り換えはますます不便になっている。
東京メトロ
千代田区と新宿区にまたがって所在する。
有楽町線と南北線は構内で繋がっていてホームも隣り合っているが、東西線のみ遠く離れており改札外乗り換えになっている。
有楽町線はJR線と隣の市ヶ谷駅まで、南北線に至っては四ツ谷駅まで並走する。しかし市ヶ谷では互いのホームが離れている構造上有楽町線と南北線の乗り換えは飯田橋で推奨される。
A5出口は東西線専用の出口となっている。ちなみにA5出口向かいのモスバーガーは色々な意味で話題になりやすい。
乗り場 | 路線 | 方面 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 東西線 | 西船橋・津田沼・東葉勝田台方面 | |
2 | 東西線 | 高田馬場・中野・三鷹方面 | |
3 | 有楽町線 | 永田町・有楽町・新木場方面 | |
4 | 有楽町線 | 池袋・和光市・森林公園・飯能方面 | |
5 | 南北線 | 王子・赤羽岩淵・浦和美園方面 | |
6 | 南北線 | 目黒・新横浜・海老名・湘南台方面 |
東京都交通局
文京区と新宿区にまたがって所在する。
一番完成が遅い路線のため、他路線との乗り換えがかなり複雑な構造となっており、南北線は隣の後楽園・春日駅で行う事が推奨されている。
コンコースにはウェブフレームと呼ばれる照明と兼用の緑色の骨組みが天井に張り巡らされており、独特の世界観を醸し出している。これは上述通り乗り換えが複雑なことから長い階段にリズムを与える仕組みがあるとの事。フレームの緑は隣駅の春日駅最寄りの小石川後楽園の緑をイメージしている。
C2・C3出口は大江戸線専用の出口であり、特にC3は換気塔の役割を兼ねた虫をイメージしたオブジェ(巨大虫の翅)と一体化した駅舎になっている。
利用状況
近況
JR東日本
- 2019年(令和元年)度の1日平均乗車人員は90,304人である。
東京メトロ
- 2019年(令和元年)度の1日平均乗降人員は194,569人である。
都営地下鉄
- 2019年(令和元年)度の1日平均乗降人員は34,055人である。
利用状況比較表
事業者名 | JR東日本 | 東京メトロ | 都営地下鉄 | |
---|---|---|---|---|
年度 | 乗車人員 | 乗降人員 | 乗降人員 | 乗降人員 |
2008年(平成20年)度 | 90,405人 | 180,810人 | 168,553人 | 26,855人 |
2009年(平成21年)度 | 90,153人 | 180,306人 | 167,499人 | 26,532人 |
2010年(平成22年)度 | 90,363人 | 180,726人 | 167,960人 | 27,337人 |
2011年(平成23年)度 | 90,763人 | 181,526人 | 166,452人 | 27,249人 |
2012年(平成24年)度 | 91,359人 | 182,718人 | 169,830人 | 28,309人 |
2013年(平成25年)度 | 91,196人 | 182,392人 | 175,147人 | 29,004人 |
2014年(平成26年)度 | 92,288人 | 184,576人 | 177,964人 | 30,360人 |
2015年(平成27年)度 | 94,034人 | 188,068人 | 186,299人 | 31,779人 |
2016年(平成28年)度 | 93,962人 | 187,924人 | 190,749人 | 32,562人 |
2017年(平成29年)度 | 93,871人 | 187,742人 | 195,294人 | 33,273人 |
2018年(平成30年)度 | 92,968人 | 185,936人 | 198,296人 | 34,278人 |
2019年(令和元年)度 | 90,304人 | 180,608人 | 194,569人 | 34,055人 |
隣の駅
JR中央・総武緩行線
東京メトロ東西線
東京メトロ有楽町線
東京メトロ南北線
都営大江戸線
余談
文京区側に都営バスの都営飯田橋駅前停留所がある。かつては飯田橋終点の名前で呼ばれ、新宿車庫前~新宿駅(西口・東口)~厚生年金病院前~飯田橋~秋葉原駅西口を結ぶ路線の半数以上がここで新宿方面に折り返していた。大江戸線全通の際にこのバス路線は廃止になったが、間もなく小滝橋車庫前~大久保駅前~厚生年金病院前~都営飯田橋駅前を結ぶバス路線が開業、現在に至っている。ただしここを出るバスの本数は1日10往復に満たない。
なお、同じ大江戸線関係で両国駅直上には、都営両国駅前停留所があり、これも大江戸線全通前には別の名前だった。