概要
鉄輪式リニアモーター駆動によるミニ地下鉄。
光が丘駅(東京都練馬区)〜新宿駅(東京都新宿区)間を結ぶ放射部と、新宿駅から両国駅・汐留駅・麻布十番駅などを経由して都庁前駅(東京都新宿区)に至る環状部からなる総延長40.7km(営業キロ)の路線である。これは全国の地下鉄で最も長い。
また現在光が丘駅から同じく練馬区内の大泉学園町(予定地だと西武池袋線の大泉学園駅からは離れており乗り換え利用は難しい)まで、さらには埼玉県新座市・東京都清瀬市を経由してJR武蔵野線東所沢駅(埼玉県所沢市)への延伸計画が持ち上がっており、それが実現すればさらに記録的な長さとなることだろう。
東京の地下鉄としては初めての環状路線だが、路線全体がテニスラケットのようになっており、都庁前から環状部に入って一周しそのまま光が丘へ戻ると編成の向きがバラバラになってしまう。そのため、環状部に入った列車は都庁前に戻るとまた環状部へ折返してから放射部の光が丘へ向かう。
都営地下鉄としては一番新しい路線(2000年12月12日全通)であり、建設にあたり既存のインフラや他路線を回避した結果、多くの区間で地下深くを通ることになった。このため地上からホームまでが遠く、区間によっては隣の駅までは歩いた方が早く着くところすらある。その一方で清澄白河のように開業当初は乗換駅ですらなかった駅もあったりする。
また環状線という特性上か、かなり大回りなルートを進んでいるため、断片的に似たような場所を並走している区間だけを見ると大江戸線じゃない方の鉄道の方が目的地に着くのが圧倒的に早かったりする。例えば日比谷線の仲御徒町〜築地間は走行距離約4.7kmなのに対し、大江戸線の上野御徒町〜築地市場間は9.5kmと約2倍もの長さがある。
営業純利益は全線開業以来大幅な赤字(ただし近年の新設路線の多くと同様減価償却費と支払利息が費用に加わっていることが主な要因である)で、都営地下鉄の4路線中で1日平均利用者は最多であるにもかかわらず唯一の赤字路線である。
ただ2010年度に入り赤字額が大幅に減少したため、ようやく黒字化の兆しが見られ、2018年に黒字を達成した。
様々な駅で他の地下鉄線と乗り換えられる中で、唯一東京メトロ千代田線との乗換駅がない。補足として、千代田線の湯島駅は将来大江戸線との乗り換えを見据えて開業されていたが、後に大江戸線の駅が設けられる際には、別の地下鉄2路線及びJR線と連絡できる上野御徒町の方に変更されてしまった。
使用車両
- 12-000形:開業時導入。12-600形導入により緩やかに置き換えが進んでおり、現在残存しているのは1997年導入の3次車以降(画像1枚目下段)で1・2次車(画像1枚目上中段)は既に全廃済。
- 12-600形:2012年導入。製造時期が長く、同系列内で差異が大きい。
停車駅
駅番号 | 駅名 | 乗り換え |
---|---|---|
E28 | 都庁前 | |
E01 | 新宿西口 | |
E02 | 東新宿 | 東京メトロ副都心線(F12) |
E03 | 若松河田 | |
E04 | 牛込柳町 | |
E05 | 牛込神楽坂 | |
E06 | 飯田橋 | |
E07 | 春日(文京シビックセンター前) | |
E08 | 本郷三丁目 | 東京メトロ丸ノ内線(M21) |
E09 | 上野御徒町 | |
E10 | 新御徒町 | つくばエクスプレス(TX02) |
E11 | 蔵前 | 都営浅草線(A17) |
E12 | 両国(江戸東京博物館前) | JR中央・総武緩行線(JB21) |
E13 | 森下 | 都営新宿線(S11) |
E14 | 清澄白河 | 東京メトロ半蔵門線(Z11) |
E15 | 門前仲町 | 東京メトロ東西線(T12) |
E16 | 月島 | 東京メトロ有楽町線(Y21) |
E17 | 勝どき | |
E18 | 築地市場 | |
E19 | 汐留(シオサイト) | ゆりかもめ(U02) |
E20 | 大門(浜松町) | |
E21 | 赤羽橋 | |
E22 | 麻布十番 | 東京メトロ南北線(N04) |
E23 | 六本木 | 東京メトロ日比谷線(H04) |
E24 | 青山一丁目 | 東京メトロ銀座線(G04)/半蔵門線(Z03) |
E25 | 国立競技場 | JR中央・総武緩行線千駄ヶ谷駅(JB12) |
E26 | 代々木 | JR山手線(JY18)/中央・総武緩行線(JB11) |
E27 | 新宿 |
|
E28 | 都庁前 | |
E29 | 西新宿五丁目(清水橋) | |
E30 | 中野坂上 | 東京メトロ丸ノ内線(M06) |
E31 | 東中野 | JR中央・総武緩行線(JB08) |
E32 | 中井 | 西武新宿線(SS04) |
E33 | 落合南長崎 | |
E34 | 新江古田 | |
E35 | 練馬 | 西武池袋線/豊島線/西武有楽町線(SS06) |
E36 | 豊島園 | 西武豊島線(SI39) |
E37 | 練馬春日町 | |
E38 | 光が丘 |
余談
- 路線名は当初は「東京環状線」となる予定だったが、当時の都知事であった石原慎太郎が「本当の意味での環状線でなない(線路が一周繋がっていない)」という理由で再考を指示し、同時に「大江戸線」という名前を推したために変更された。また、公式愛称として用意されていた「ゆめもぐら」もこの時にお蔵入りしている。
- 都心部の区間は急カーブが多く、狭いトンネルもあり車輪の摩擦による騒音がよく響く。2020年から新型コロナウイルス流行により換気のために窓を開けて走行しているため、一部区間では120デシベルという大騒音を記録した。これは米軍基地の近くで聞く飛行機のジェットエンジンに相当する音量である。
- 地上への乗り入れがない為、新型車両を導入する際は地上からクレーンを使って直接地下に下ろすという方式をとっている。
関連タグ
他の環状線
※これらは線路が一周繋がっている、本当の意味での環状線である。