半蔵門線8000系
東京メトロの前身である営団地下鉄が1980年から1994年にかけて全部で190両を製造した。半蔵門線用の車両であるが、半蔵門線の第1期開業区間(渋谷~青山一丁目間が該当)は距離が短すぎるため、車両を全て東京急行電鉄の8500系で賄っていたために、開業時には計画だけの車両だった。第1期開業区間の開通記念乗車券には「計画車両」としてこの8000系のイラストが描かれている。
デビュー前は6両、8両の2種類を用意していたが、デビュー時になって8両編成で統一。第9編成までは8両編成で揃えられた。第10編成以降は10両編成運用を前提に製造されており、それまでの編成も順次10両化された。その後、2004年から2015年にかけてリニューアル工事(B修工事)を行い、制御方式を電機子チョッパ制御からVVVFインバータ制御に変更した。
2020年11月から半蔵門線ではデジタル列車無線が使用されており、8000系は導入の直近で廃車が予定されている車両を除き、2022年2月から順次同装置が搭載されている。同年11月からは直通先の東武伊勢崎線及び日光線内でもデジタル列車無線の使用を開始したが、その時点でのデジタル列車無線非搭載車である8102F、8114Fには所謂「サークルK」のステッカーが前面窓に貼られ、直通対応車と区別された。なお8114Fは2022年12月、8102Fは2023年1月にそれぞれ廃車され、現在は全編成が東武直通対応車である。
因みに同じく直通非対応車となった東急8500系8637Fは、それまでの東武直通非対応の東急車と違い、2023年1月の運用離脱までステッカーは貼られなかった。
東西線での運用
東西線で一時的に半蔵門線用の8000系を使用していたことがある。当時の東西線では車両増備による10両編成の増強に迫られており、1987年11月に編成単位での増備が予定されていた。しかしチョッパ制御の車両が既に他線区では広く投入されているのに、東西線だけ抵抗制御の5000系を投入し続けるのは得策ではなかった。新形式の投入には時間がかかるため、そこで半蔵門線半蔵門~三越前間開業に合わせて投入する予定の8000系10両編成3本(第12~14編成)を前倒しで製造し、05系登場まで使用することになった。
東西線運用時には以下の仕様変更がされている。
- 運転台は5000系と同じマスコンハンドルを装備した2ハンドル式。ただしブレーキ制御方式が5000系の電磁直通式と異なり電気指令式であることから、8000系と同じブレーキ装置でかつJRへの直通規格も満たす、6000系用のブレーキ設定器を使用
- 連結器は密着連結器に変更
- 保安装置は東西線用のATC-3型とJR線用のATS-B型を設置
運用期間が短かったため、車体帯は半蔵門線ラインカラーの紫の帯で登場し、誤乗防止のステッカーを貼って対処していた。
編成表
←久喜 | 南栗橋 | 押上 | 渋谷 | 中央林間→ | 備考 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | 18100 | 18200 | 18300 | 18400 | 18500 | 18600 | 18700 | 18800 | 18900 | 18000 | |
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
MT構成 | CT1 | M1 | M2 | M1 | Mc2 | Tc1 | T2 | M1orTc1 | M1 | CT2 | 電機子チョッパ |
MT構成 | CT1 | M1 | T3 | M1 | Mc2 | Tc1 | T2 | M1 | M2 | CT2 | VVVF |
機器構成 | VVVF | Bt,CP | VVVF | SIV,CP | SIV | VVVF | SIV | VVVF | |||
第1編成 | 8101 | 8201 | 8301 | 8401 | 8501 | 8601 | 8701 | 8801 | 8901 | 8001 | |
第2編成 | 8102 | 8202 | 8302 | 8402 | 8502 | 8602 | 8702 | 8802 | 8902 | 8002 | 2022年11月サークルK化。廃車済み |
第3編成 | 8103 | 8203 | 8303 | 8403 | 8503 | 8603 | 8703 | 8803 | 8903 | 8003 | 廃車済み |
第4編成 | 8104 | 8204 | 8304 | 8404 | 8504 | 8604 | 8704 | 8804 | 8904 | 8004 | |
第5編成 | 8105 | 8205 | 8305 | 8405 | 8505 | 8605 | 8705 | 8805 | 8905 | 8005 | 廃車済み |
第6編成 | 8106 | 8206 | 8306 | 8406 | 8506 | 8606 | 8706 | 8806 | 8906 | 8006 | |
第7編成 | 8107 | 8207 | 8307 | 8407 | 8507 | 8607 | 8707 | 8807 | 8907 | 8007 | 廃車済み |
第8編成 | 8108 | 8208 | 8308 | 8408 | 8508 | 8608 | 8708 | 8808 | 8908 | 8008 | 廃車済み |
第9編成 | 8109 | 8209 | 8309 | 8409 | 8509 | 8609 | 8709 | 8809 | 8909 | 8009 | |
第10編成 | 8110 | 8210 | 8310 | 8410 | 8510 | 8610 | 8710 | 8810 | 8910 | 8010 | 廃車済み |
第11編成 | 8111 | 8211 | 8311 | 8411 | 8511 | 8611 | 8711 | 8811 | 8911 | 8011 | 廃車済み |
第12編成 | 8112 | 8212 | 8312 | 8412 | 8512 | 8612 | 8712 | 8812 | 8912 | 8012 | 廃車済み |
第13編成 | 8113 | 8213 | 8313 | 8413 | 8513 | 8613 | 8713 | 8813 | 8913 | 8013 | 廃車済み |
第14編成 | 8114 | 8214 | 8314 | 8414 | 8514 | 8614 | 8714 | 8814 | 8914 | 8014 | 2022年11月サークルK化。廃車済み |
第15編成 | 8115 | 8215 | 8315 | 8415 | 8515 | 8615 | 8715 | 8815 | 8915 | 8015 | |
第16編成 | 8116 | 8216 | 8316 | 8416 | 8516 | 8616 | 8716 | 8816 | 8916 | 8016 | |
第17編成 | 8117 | 8217 | 8317 | 8417 | 8517 | 8617 | 8717 | 8817 | 8917 | 8017 | 廃車済み |
第18編成 | 8118 | 8218 | 8318 | 8418 | 8518 | 8618 | 8718 | 8818 | 8918 | 8018 | |
第19編成 | 8119 | 8219 | 8319 | 8419 | 8519 | 8619 | 8719 | 8819 | 8919 | 8019 | 廃車済み |
運用路線
現在の運用路線
過去の運用路線
※現在の田園都市線地下区間
今後の予定
東京メトロは、2024年度に予定されている半蔵門線へのCBTC導入に合わせ、新型車両18000系を導入し、8000系を置き換える計画を発表している。
2021年8月9日に8107Fが廃車(北館林荷扱所へ回送)されたのを皮切りに、18000系と入れ替わる形で廃車が続いている。