概要
西船橋(千葉県船橋市)と東葉勝田台(千葉県八千代市)間16.2kmを結ぶ第三セクター鉄道。
ただし、東葉車は中野止まりでJR中央緩行線【中野~三鷹】には乗り入れない。これは、東葉車がJRのATS-P装置非搭載なためで、同様にJR車も東葉線には乗り入れしない。
距離の割に運賃が高すぎるため『東葉高額鉄道』と揶揄される場合がある。
北総鉄道、千葉都市モノレールと並んで千葉県が誇る(?)運賃が高額な路線である。
JR線(電車特定区間)と比較しておよそ2.5倍の加算率で、全区間乗車すると630円となる。同区間の京成(京成西船~勝田台)なら320円(切符)である。
この金額は、直通先の西船橋から東京メトロ東西線なら落合以遠、あるいは飯田橋経由有楽町線池袋などの駅を往復した運賃にほぼ等しく、銀座線経由渋谷だとさらにおつりが増える。東京メトロの24時間券すら買えてしまう。それどころか、2016年11月現在では、駅に掲示されている東葉東京メトロパス(購入駅から西船橋までの往復切符に利用日に有効の東京メトロ一日乗車券をセットしたきっぷ)のポスターに「日本橋より先をご利用の方は東葉東京メトロパスの方が安い」と表示されることも(値下げになった北総鉄道でもほぼ同距離で620円)。
これは北総鉄道同様に成田闘争の影響で建設中の用地買収が難航し、かつ建設中にバブル崩壊のあおりを受けて大量の債権を抱えたためで、現在でも純粋な運賃収入のみであれば黒字であるところを、減価償却や未買収の土地借用料の支払いなどでその黒字がほとんど帳消しになってしまっている状態である。
そのためか、2007年の東西線の保安装置をCS-ATC(車内信号式。一般的なATCはこっち)に変更した際、東葉高速線は保安装置を変更せず、現在も開業時のWS-ATC(地上信号式。東葉高速線以外では大阪市営地下鉄の一部路線のみが使用)をそのまま使用している。
それでも鉄道駅から遠くに在住する一部船橋市民&大半の八千代市民にとって、路線バスに詰め込まれたり時間の読めない渋滞に呑まれるよりは安いと考えられている。
それ故にラッシュ時を中心に意外と利用者が多い。
その点ではつくばエクスプレスと類似している。
ただ、2022年(令和4年)10月から北総線値下げもあり、東葉高速鉄道に関しても値下げの声が高まっている。
とりわけ、北総の値下げで利用者増加した影響もあってその声がより強まっている。
一方、有利子負債は埼玉高速鉄道の400億円台や北総鉄道の515億円台に比べ、約2000億円以上と断トツで高く、これによる経営破綻問題も存在する。
車両は開業当初は東京メトロ東西線のお古(旧営団地下鉄5000系)をリフォーム、東葉高速1000形として使用していたが、老朽化のため、メトロ05系後期車と共通仕様の車両(2000系、メイン画像の車両)を導入した。
路線の駅一覧については東葉高速線の記事を参照。
余談
- 廃車になった1000形車両の一部はインドネシアのジャカルタ近郊で東西線の同僚(5000系・05系初期車)とともに活躍している。→KRLジャボタベック