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福島県北部と宮城県南部を通る阿武隈急行線を運行する第三セクター鉄道会社(株式会社)。本社は福島県伊達市梁川町、阿武隈急行線梁川駅南方の梁川車庫の場所にある。略称は阿武急(あぶきゅう)

国鉄丸森線と日本鉄道建設公団が建設中の路線を継承する為1984年(昭和59年)4月5日に設立され、1986年(昭和61年)7月1日に丸森線を転換した阿武隈急行線が暫定開業した。

宮城県及び福島県と沿線自治体、福島交通が株主だが、設立当初は福島交通が過半数の株を所有した筆頭株主だった名残で、福島駅の駅舎とホームは同社と共同で使用している。また両社で使用可能なフリー切符も販売されている。


以下は保有路線である「阿武隈急行線」について記載する。


路線データ編集

路線名阿武隈急行線
路線区間※福島〜槻木
路線距離54.9km
軌間1,067mm
駅数24駅
信号場数1箇所
最高速度95km/h
電化区間全線(交流20,000V)
複線区間福島〜矢野目信号場※
単線区間矢野目信号場〜槻木
閉塞方式
  • 複線自動閉塞式:福島〜矢野目信号場※
  • 単線自動閉塞式:矢野目信号場〜槻木
保安装置ATS-Ps
運転指令所梁川指令室(CTC)
第一種鉄道事業者阿武隈急行

※JR東日本東北本線との重複区間


路線概要編集

福島駅(福島県福島市)と槻木駅(宮城県柴田郡柴田町)を結ぶ阿武隈急行の鉄道路線。

国鉄丸森線を引き継いで1986年7月1日に丸森駅(宮城県伊具郡丸森町)〜槻木駅間が暫定開業し、2年後の1988年(昭和63年)7月1日に日本鉄道建設公団から引き継いで建設が進められていた福島駅〜丸森駅間が開通。同時に全線が交流電化された。

なお国鉄・JRグループ以外の鉄道会社としては日本初の交流電化路線となる。


東北本線白石駅〜福島駅間の急勾配を避けるためのバイパス路線として計画されたためか、線路は凡そ阿武隈川沿いに敷設されている。

なお、同じ区間を併走する東北本線では交通系ICカード乗車券を利用できるが、当路線では利用できない。但し一部のはICカードを利用しての物販、切符の購入は可能。


詳細は後述するが、JR東日本東北本線槻木駅〜仙台駅間に乗り入れている他、かつては福島駅〜郡山駅間にも直通していた。


沿革編集

国鉄丸森線時代編集

1968年(昭和43年)4月1日国鉄丸森線として槻木駅〜丸森駅間が開通。同時に東北本線との直通運転を開始した。丸森駅〜福島駅間も日本鉄道建設公団により建設が進められていたが、先行開業区間が市街地から外れていた事や東北本線の複線化及び電化が完了した事もあり、未成区間の工事が一向に進まなかった。結果利用者数は国鉄の予測を大幅に下回り、開業時から大赤字路線であった。その為開業から僅か13年後の1981年(昭和56年)9月18日には第一次特定地方交通線として廃止が承認されてしまう。


阿武隈急行転換後編集

紆余曲折を経て、前述の通り1986年7月1日に丸森線は阿武隈急行線として転換開業した。この時はあくまで暫定開業だった為丸森線時代と変わらず非電化路線で、国鉄からリースされたキハ22形気動車を塗装だけ変更して使用していた。2年後の1988年7月1日には福島駅まで延伸され全線開通。交流電化に伴い全列車が電車による運行となった為、リースされていたキハ22形は国鉄から分割民営化されたJR東日本に返却された。

また、この時から東北本線福島駅以南への乗り入れも開始され、郡山駅始発・終着及び黒磯駅始発列車が2004年(平成16年)3月13日ダイヤ改正まで運行された。


2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により被災した為1ヶ月程運転を見合わせたが、4月6日に梁川駅〜保原駅間で運転再開したのを皮切りに順次運転再開区間が伸び、5月16日に全線で運転を再開した。


2019年(令和元年)10月12日に発生した台風19号により、あぶくま駅のホーム損壊や土砂流入、路盤崩壊等の被害が多数発生した。順次運転を再開したものの被害が甚大だった富野駅〜丸森駅間は長期間運休を余儀なくされた。

2020年(令和2年)10月31日に暫定復旧したが当該区間は以降も工事が続き、2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正で完全復旧するまで徐行・減便が行われていた。


2022年(令和4年)3月16日に発生した福島県沖地震の影響で全線が不通となった。順次運転を再開したものの、全線が復旧したのは3ヶ月後の6月27日だった。


運行形態編集

台風19号による被災前は全線通しで運行される列車が設定されていたが、被災後は災害発生時における不通区間を短くする為、全線通しの列車は消滅。

基本的に梁川駅で運行系統が分かれているが、福島駅方面と槻木駅方面は大半が梁川駅で連絡している。

東北本線直通列車以外の大半がワンマン運転を行なっている。


福島駅〜梁川駅編集

2004年まで福島駅を介して東北本線と直通運転を行なっていた区間。

概ね40分に1本程度運行され、日中の一部時間帯を除き梁川駅を超えて富野駅、更に一部便は丸森駅発着で運行されている。


梁川駅〜槻木駅編集

概ね毎時1本程度運行されるが、丸森駅〜富野駅間は県境区間の為2時間程度列車間隔が開く時間帯が存在する。

区間内通しの列車の他に丸森駅〜槻木駅間の区間列車や前述の福島駅〜富野駅・丸森駅間の列車もある。

朝夕の2往復は東北本線仙台駅まで直通運転を行い、土休日は「ホリデー宮城おとぎ街道号」の愛称が付く。


駅一覧編集

※:阿武隈急行転換後に開業した駅

駅名乗換路線備考
福島
  1. JR東北新幹線
  2. 山形新幹線
  3. 東北本線
  4. 奥羽本線(山形線)
  5. 福島交通飯坂線
福島交通との共同使用駅
矢野目信号場
  • JR東日本管理
  • 東北本線分岐点
卸町
福島学院前
瀬上
向瀬上
高子
上保原
保原
大泉
二井田
新田
梁川運転系統上の境界
やながわ希望の森公園前
富野当駅発着あり
福島県/↓宮城県
あぶくま
丸森当駅発着あり
北丸森
南角田
角田
横倉
東船岡転換時に「横橋」から改称
槻木JR東北本線JR東日本管理駅
↓JR東北本線仙台まで直通運転

使用車両編集

現在の使用車両編集

自社車両編集

全て梁川車庫所属。詳細は各車両の記事を参照。

全線開業・交流電化に合わせて9編成18両が導入されている。

阿武隈急行線全線にて運用中。2004年まで福島駅〜郡山駅間、2023年まで直通先の東北本線槻木駅〜仙台駅間でも運用されていた。


丸森たかこ

2019年より導入。E721系をベースとしている。形式名は略称の「阿武急」の語呂合わせ。

阿武隈急行線全線及び直通先の東北本線槻木駅〜仙台駅間で運用中。


JR東日本所属編集

E491系擬人化ナースさん

勝田車両センター所属の検測車。阿武隈急行線内の検測の為に入線する。


過去の使用車両編集

自社車両編集

  • キハ22形

軽巡洋艦阿武隈と阿武隈急行キハ22

暫定開業時に国鉄からリースされた気動車。

自社オリジナル色に塗り替えて運用していたが、全線開業及び交流電化に伴いJR東日本に返却された。


阿武隈急行A417系

2008年(平成20年)10月にJR東日本仙台車両センターの417系1編成3両を導入し、8100系と同様の塗装に塗り替え改番の上で朝夕ラッシュ時の福島駅〜富野駅間の折り返し列車などに運用された。

2016年(平成28年)3月26日ダイヤ改正をもって運用を離脱した。


JR東日本所属編集

719系

仙台電車区(現・仙台車両センター)所属の電車。

東北本線福島口の直通列車として福島駅〜富野駅間に入線した。


交直流両用の特急形電車。以下の複数の編成が入線したことがある。

K40編成

勝田車両センター所属の波動用車両。

JR直通の臨時快速「ぶらりおとぎ街道号」で運用された。

「ジパング」

盛岡車両センター所属のジョイフルトレイン。

同じくJR直通の臨時快速列車を中心に運用された。


関連イラスト編集

△

名前繋がり・艦これの阿武隈さんと。


関連タグ編集

仙台空港鉄道(同じく仙台駅に乗り入れている第三セクター)

福島交通(福島駅でホームを共用している)

丸森たかこ

鉄道 417系

マルモのおきて:放映時に沿線の丸森町が取り上げられていた。

初恋*れ〜るとりっぷ:かつてまんがタイムきららMAXで連載されていた4コマ漫画。連載終了後の2022年4月2022年9月にそれぞれコラボしている。


JR以外の交流電化鉄道編集

使用車両は旅客営業のみ ※は直流区間も存在する鉄道


IGRいわて銀河鉄道 青い森鉄道 仙台空港鉄道 全列車交流電車

IRいしかわ鉄道 あいの風とやま鉄道 全列車交直流電車

つくばエクスプレス※ 交流区間(守谷以北)を走るのは全列車交直流電車 最初から交流電化で開業したのは国鉄とJRとこれらの転換された第三セクター路線を除けば初。


以下、基本的に交流区間は気動車のみ運行

道南いさりび鉄道 肥薩おれんじ鉄道

えちごトキめき鉄道※  交流区間(糸魚川駅まで)はあいの風とやま鉄道からの直通列車のみ電車、直流区間は自社気動車での運行


外部リンク編集

阿武隈急行公式サイト

阿武隈急行寄付金募集ページ

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