概要
福島県と栃木県の県境に近い福島県西白河郡西郷村の甲子旭岳を源流とし、福島県の東西中央部を北へ流れ、宮城県岩沼市と亘理町の境で太平洋へそそぐ一級河川。
流路延長239km、流域面積5,390km²。
全体的に流れは穏やかだが、福島盆地への入り口や福島県・宮城県の県境付近では阿武隈山地の突端に阻まれ、渓谷となっている。
普段は勾配の緩やかで穏やかな川に見えるが、一度大雨が降ると手のつけようのない「暴れ川」へと変貌する。2019年に襲来した「令和元年東日本台風(19号)」でも50か所以上で氾濫し、現在においてもその有り余る水威を抑えることは困難である。
……こんなところを、朝の早くから泳いで渡ったとんでもないバカヤロウも実在するのだが。
古くは平安時代の歴史書『吾妻鏡』に「あふくま」と記されており、中世になると「逢隈川」「大熊川」「合曲川」と書き【おお(う)くまがわ】と呼ばれている。
名の由来は「(主水源である現在の福島県西白川郡・西甲子岳に)大きな熊が棲んでいた」「山脈に突き当たって大きく隈(カーブ)を成している」など、諸説存在する。
宮城県槻木駅~福島県福島駅間を走行する阿武隈急行、大日本帝国海軍の軽巡洋艦「阿武隈」の名の由来となっている。