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解説編集

1988年の阿武隈急行の全線開業に合わせて日本車輌で2両編成9本の合計18両が製造された。

福島駅側に制御電動車のAM8100、槻木駅側に制御車のAT8100形を連結し、2両固定編成を組む。なお、JRなどの場合と異なり、福島駅側の車両の番号下二桁がそのまま編成番号となるうえ、この番号がAM/AT関係なく通し番号であるため、製造されたのは9本なのに編成番号は17まであるという奇妙なことになっている。


車体は713系をベースにしているが、車両前面は独自デザインとなっているほか、両側に二つずつある扉のうち運転台側をワンマン運転に対応させるべく、運転台直後へ寄せて片開きとしており、運転台側は片開き、もう一方は両開き、つまり車体の前後で扉の種類が違うというかなり珍しい構造をしている。

また、ドアチャイムは313系と同じものを採用しているほか、自動放送は駅ごとのキャッチフレーズを逐一読み上げるというこれまた独特のものである。

塗色はメイン画像にあるように白地に青と緑のラインが入るというものだが、2016年より1編成(A-9編成)のみ「政宗ブルーライナー」としてご当地キャラの全面ラッピングが施された青一色の姿となった。


製造当初はJRを除く私鉄で唯一の交流専用電車であったが、電化された第三セクター路線がその後増えたことで唯一ではなくなった。

とはいえ、第三セクターの車両は財政的な事情で他社からの譲渡や派生型であることが多く、このような独自設計の私鉄の交流専用電車は2020年時点で本系列が唯一である。

それどころか数ある第三セクターの車両全体を見渡しても独自設計の車両という点で極めて珍しい存在であったりする。


開業時より長らく阿武隈急行線全線(槻木駅~福島駅)および直通先のJR東北本線(槻木駅~仙台駅)にて運用されていたが、2019年からE721系をベースとしたAB900系が新製投入されるのと前後し、当初の予定より数年早く本系列も2020年に廃車が始まった。これは本系列と同じ要領でメンテナンスされていた719系の廃車が進んで部品調達が困難になったことで、新型車導入を早める必要が出てきたためとされている。なお、各編成の引退時にはそれぞれ告知やヘッドマーク装着、団体列車の運転など、何かしらの催しが行われている。

2023年3月には上述の直通運転にAB900系が本格投入されるようになり、本形式による仙台駅への乗り入れが消滅したほか、同年末には上述の「政宗ブルーライナー」ことA-9編成も引退し、在籍する車両は3編成6両のみとなった。


ちなみに、阿武隈急行は機関車を所有していないため、新車両の導入時には福島駅まで輸送されてきたものを梁川駅近くの車両基地まで牽引して運び込む必要があり、2023年までは本系列がこの牽引を担当していた(翌2024年よりAB900系へ引継)。


関連タグ編集

阿武隈急行

AB900系:後継車両。

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