概要
栃木県那須塩原市(旧黒磯市)にある、JR東日本・東北本線の駅。
東北本線は当駅を境に南側(宇都宮駅・小山駅方面)と北側(郡山駅・仙台駅方面)に運転系統が分断されており、このうち南側には宇都宮線(JR宇都宮線)の愛称が与えられている。
Suicaの首都圏対応エリアもここまでであり、これより先は仙台エリアを跨いでの使用はできない。
かつては皇族が那須御用邸に向かわれる際の最寄り駅としてお召し列車が当駅に発着しており、一般の入口の脇に皇室専用の出入口や待合室が設けられている。
しかし、東北新幹線開業後は那須塩原駅をご利用になることが多くなっており、当駅はほとんど利用されなくなっている。
駅舎は真上を新幹線を通過するのもあってかなり巨大だが、その割に構内には何もなくほぼハリボテに近い。出口も西側の一ヶ所だけで、東側へは駅舎を出た先にある東西自由通路から行き来することとなる。
なお、この東西自由通路は入り口はかつてはもっと長かったが、後述の図書館開店に伴いかなり切り詰められた形になった。
駅構造
3面5線の地上駅。
交直切り替え駅としての役割
東北本線は当駅を境にして、北は交流、南は直流電化となっている。
現在は、駅構内の高久方にデッドセクション(無通電区間)を設置し、列車が同区間を走行中に交直切り替えを行う方式に統一されているが、以前は駅構内の電流を直流と交流で任意に切り替えることが出来る「地上切り替え方式」の設備が設置されていた。
このため、切り替え設備を備えた線路では、入線する列車に合わせて適宜交流と直流を切り替えることで、同じ駅に直流専用車両、交流専用車両、交直両用車両の全てが発着することが出来たのである。
その後、2017年7月に地上切り替え設備を廃止して駅構内を直流電化に統一。
これ以降、東北本線の交流側から同駅へ自力入線できるのは、
- 交直両用車(E531系やEF510/EH500など)
- 内燃車(気動車やディーゼル機関車など。キハ110系は工事期間に運用経験あり)
- ハイブリッド車(トランスイート四季島など)
- 蓄電池車(EV-E301系の運用は未定)
のいずれかとなった。
乗り換えに伴う構造問題
黒磯駅は乗り換え時間が極端に長いか極端に短いかのどちらかが多く、どちらの場合にせよ駅構造と周辺開発に問題があり深刻な課題になっている。これは特に青春18きっぷ利用者にとってもかなり重大である。
その割に駅前には何もなく、暇つぶし出来る場所に乏しいのが現状である。
駅舎の規模の割に構内の商業施設はNEWDAYSのみ。ここも枯れているか閉まっている(というか実際に常時閉店する緊急事態が発生したのだが)場合はヨークベニマル黒磯店が貴重な物資補給所になる。こういう事情もあり、2018年から2019年にかけてのヨークベニマルの建て替え工事に伴う一時閉店は直通切りされて間もない時期というのもあって多くの18きっぷ利用者を阿鼻叫喚地獄に陥れた。
逆に次の列車が早い場合(主に上り方面に多い)にも問題があり、黒磯駅のホームを行き来する跨線橋はたった一つしかない。おまけにとても狭い。
そして宇都宮からの電車と福島方面からの交流電車は対面式乗り換えではないため、乗り換え時間が短い場合一つの跨線橋に大量の18きっぷ利用者が押しかける『黒磯ダッシュ』が発生し渋滞を起こすことも珍しくない(「初恋*れ〜るとりっぷ」でもネタにされている)。
2020年には駅前に図書館とカフェ併設の施設が出来たため、人によっては暇潰し出来る場所は一応増えたのだが…
また、当駅の乗り換えを突破したとしても南北方面共に短距離での乗り換えが必要になっている。
北方向は2017年10月のダイヤ改正・交直設備工事によって高価な交直流電車(または気動車)が必要になったが、経費削減のために運転距離を必要最低限にするため、新白河駅で折り返しとし、福島駅方面は新白河で従来の交流電車への乗換が必須にされた(早朝の当駅行き1便のみ白河駅始発)。
南方向は直流電車のままで問題ないのだが、2022年3月のダイヤ改正で上野方面・上野東京ラインの乗入が中止され、当駅-宇都宮駅間をワンマン列車のみの運行とし、原則宇都宮で折り返すため、大宮・上野・新宿・東海道線方面へは乗換が必要になった(早朝の当駅行き1便のみ小山車両センターからの送り込みで小山駅始発で宇都宮を跨いで来る。車両センターへの帰還は回送のみ。なお、湘南新宿ラインは2004年3月の改正で当駅乗り入れを終了している)。
なお、当駅-新白河間の交直流電車E531系は常磐線の車両基地である勝田車両センターから借りており、水戸線-小山-宇都宮-黒磯間を普段回送しているため、理屈上は、当駅での乗換を廃して、小山(宇都宮)-当駅-新白河間を1本の営業列車で結ぶことが可能なのだが、あえて宇都宮-当駅間にワンマン専用直流電車(E131系)を後から製造・投入(日光線と共用)しているため、JR東日本にはその考えが無いようだ・・・
利用状況
- 2019年(令和元年)度の1日平均乗車人員は2,316人である。
利用状況比較表
年度 | 乗車人員 | 乗降人員 |
---|---|---|
2008年(平成20年)度 | 2,499人 | 4,998人 |
2009年(平成21年)度 | 2,399人 | 4,798人 |
2010年(平成22年)度 | 2,360人 | 4,720人 |
2011年(平成23年)度 | 2,364人 | 4,728人 |
2012年(平成24年)度 | 2,397人 | 4,794人 |
2013年(平成25年)度 | 2,419人 | 4,838人 |
2014年(平成26年)度 | 2,294人 | 4,588人 |
2015年(平成27年)度 | 2,271人 | 4,542人 |
2016年(平成28年)度 | 2,278人 | 4,556人 |
2017年(平成29年)度 | 2,378人 | 4,756人 |
2018年(平成30年)度 | 2,337人 | 4,674人 |
2019年(令和元年)度 | 2,316人 | 4,632人 |