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概要編集

日本では複線区間が2つ存在するというパターンで、単線区間が4本という複々線は存在しない(複線1組に単線1本という三線区間は多々存在する)。


基本的には同じ鉄道会社の線路が並んでいる場合を指し、違う鉄道事業者の線が4本並んでいる場合などは複々線とは呼ばない。

またJRでも新幹線在来線が並んでいる場合は、複々線と言われる事はない。


複々線の種類編集

大別すれば2種類ある。

線路別複々線編集

複数の運転系統の複線が単純に並走しているパターン。隣り合う列車が上下逆であるため、同じ方向に向かう列車の乗り換えにはいったん別のホームに移動しなければならない。

その反面、速達列車への乗客集中を防ぎ、列車ごとの混雑の平準化に効果的。また、人身事故など輸送障害発生からの復旧も早い。

首都圏のJRの複々線はだいたいがこれ。例えば常磐線の北千住駅~取手駅間では、一部が東海道線直通する常磐快速線と、地下鉄千代田線に直通する常磐緩行線は運転系統としては全くの別路線でありそれぞれ独立している。中央線の御茶ノ水駅~三鷹駅間も基本的には独立しているが、早朝と深夜は快速電車に使われる車両が各駅停車の線路を走る。

関西地区では、山陽本線(JR神戸線)新長田駅西明石駅間、南海電気鉄道難波駅岸里玉出駅間(南海本線南海高野線)で見られるほか、阪急電鉄梅田駅十三駅間はさらにもう一つの複線を加えた3複線となっている。


方向別複々線編集

2線ずつ同じ方向の線路を並べるパターン。2つの運転系統を同じ方向に並べる、急行線(急行、特急などが走行)の左右に緩行線(各駅停車などが走行)を敷設する、もしくは逆に緩行線の左右に急行線を敷設するパターンがある。同じ方向への列車同士が隣り合って走行するため、間に島式ホームを設置すれば、乗客にとっては同方向の乗り換えがそれぞれ同じホームででき、利便性が高い。貨物列車などの追い越しが駅以外でもでき、ダイヤ設定の柔軟性が増す。

その一方、線路の配置に複雑な立体交差を設ける必要があるほか、輸送障害発生時には復旧に時間がかかるというデメリットもある。

JRでは、東京では山手線京浜東北線田端駅品川駅間、関西では東海道線草津駅~山陽線新長田駅間(琵琶湖線JR京都線・JR神戸線)などがこのパターン。

関西ではこのほか京阪本線の寝屋川信号所~天満橋駅間、近鉄大阪線大阪上本町駅布施駅間などで見られる。

首都圏では、東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の北千住駅北越谷駅間(日本最長の複々線)、小田急小田原線代々木上原駅東北沢駅間と梅ヶ丘駅登戸駅間、西武池袋線練馬駅石神井公園駅間など私鉄で多く見られる。


最長の路線について編集

日本一の複々線最長路線はJR西日本琵琶湖線JR京都線JR神戸線南草津駅西明石駅間となっており、120.9kmと最長。

路線別でもJR神戸線単体で55.9kmとなっており、旅客のみだと最長になっている。

貨物線を含めると東海道線東京駅小田原駅間となっており、83.9km(旅客のみだと46.5km)となる。

なお、上野東京ライン系統を含めた大宮駅~小田原駅間だと、114.4kmとなり、南草津駅~西明石駅に次いで2番目となる。


私鉄では東武伊勢崎線の北千住駅~北越谷駅間が最長で18.9kmとJR西日本の最長区間の約10分の1の長さとなっている。

次いで京阪本線天満橋駅~寝屋川信号所間の12.6km。小田急小田原線の代々木上原駅~登戸駅11.7kmとなっている。


関連タグ編集

線路 路線

2つの線路が並行する場合:複線

1つの線路のみの場合:単線

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