路線データ
路線愛称 | 常磐快速線 |
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路線区間 | 上野 - 取手 |
正式名称 |
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路線記号 | JJ |
ラインカラー | エメラルドグリーン |
路線距離 | 39.6km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 10駅 |
最高速度 | 130km/h |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
複線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 複線自動閉塞式 |
保安装置 | ATS-P |
運転指令所 | 東京総合指令室 |
列車運行管理システム | 東京圏輸送管理システム(ATOS) |
大都市近郊区間 | 東京近郊区間 |
電車特定区間 | 全線(E電) |
特定都区市内制度区間 |
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交通系ICカード乗車券エリア | Suica首都圏エリア |
第1種鉄道事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本):全線 |
第2種鉄道事業者 | 日本貨物鉄道(JR貨物):三河島 - 取手 |
概要
東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線のうち、東京都・千葉県北部・茨城県南部に跨る複々線区間含む上野駅(東京都台東区) - 取手駅(茨城県取手市)間で快速線を走行する運行系統である。路線記号はJJ。
正式な路線名は上野駅 - 日暮里駅(東京都台東区)間が東北本線、日暮里 - 取手間が常磐線だが、運行系統上は東北本線区間も常磐線として扱われる。
詳細は後述するが、取手駅以遠へ向かう中距離列車も快速線を経由する。中距離列車は特別快速を除くと「普通」であるが、旅客案内上は常磐快速線内は「快速」として案内される。これは元々快速と「普通」で停車駅が違っていたが、2004年(平成16年)3月13日ダイヤ改正で停車駅が統一されたためであり、同年10月16日より実施されている。なお、並走する常磐緩行線は文字通り全列車が「各駅停車」である。
2015年(平成27年(3月14日ダイヤ改正で上野東京ライン開通に伴い、一部列車が東海道線品川駅まで直通運転を行っている。これにより沿線住民の悲願であった「東京駅まで乗換なしで行く」ことが叶うこととなった。
停車駅は上野 - 北千住間各駅と松戸、柏、我孫子、天王台、取手で、藤代以北へ乗入れる中距離電車(普通/中電)も同じ区間を走行し、特急「ひたち」・「ときわ」、貨物列車もこの路線を使用する。また、一部列車が成田線我孫子支線経由で成田駅まで運行される。
2015年3月14日の上野東京ライン開通に伴い、一部列車が品川駅まで運行されることとなり、
2022年3月12日ダイヤ改正で品川発着電車が毎時3本となることが発表されている。
よもやま話
路線の雰囲気
沿線の土地柄もあってかいわゆる首都圏5方面で特にガラが悪いという風評が付き纏っている。とりわけ取手以北へ向かう中距離電車での酒盛りが有名で、ガラが悪いとされる路線は数あれど、このためにそれらと一線を画す雰囲気が漂う。
もっとも、それらは下記の経緯による部分も大きく、つくばエクスプレスというライバルが出来てからはハード・ソフト両面での改善が進んでいるので、昔よりはマシとなっているのではなかろうか。
国鉄時代の例外
国鉄時代の複々線化事業(所謂通勤5方面作戦)は、車両性能が大きく系統異なる(103系と113系・115系及び特急・急行形車両)を分離する"系統分離・種別配線"であった。これは車両性能が揃うためダイヤ組成が楽となるのと、車両の効率的な折返し運用が出来るという利点があったが、半面、大手私鉄が採用した"緩急分離・方向別配線"に比べて、緩急接続が同一ホームで出来ず不便であり悪評の方が高かった。
しかしそれでも、多線区(中央線快速と中央・総武緩行線、東海道線・宇都宮線と京浜東北線)では登記上の路線は同一でも利用者には系統別路線と認識させることである程度上手く行ったのであるが、常磐線ではそれが出来なかった。
土地収用関係で北千住 - 取手間を複々線化し、1複線分は綾瀬駅から営団地下鉄(現・東京メトロ)千代田線へ直通することで転嫁させようとしたものの、種別配線としてしまったため弾力的なダイヤ組成が出来ず、乗換の煩わしさだけが特にクローズアップされることとなってしまった。→常磐緩行線も参照。
同様に浅草駅収容限界を超えた分を日比谷線と半蔵門線へ振った東武伊勢崎線と対照な上(この当時の東武の列車種別に対する考え方は国鉄へ近い守旧的なものであったが、複々線化に当たっては方向別配線を採用した)、この両者が北千住で離合するため尚更国鉄の不手際振りが批難されることに。
緩行線の問題はそちらの記事を参照。快速線にも無論問題があった。
そもそも、定格上の組成では走行性能も扉数も全く異なる103系と401・403・415系を並行ダイヤで走らせること自体が不条理極まりないものであったため、利用者の不興を買っただけでなく、電車の経済性にも問題がある(103系は弱メ界磁多用でフラッシュオーバーが多発し、415系列は想定外の急加減速のため、車体へ歪みが入りしょっちゅう雨漏りした)という散々な結果となった。
そこで国鉄時代、415系列のMT54と主電動機特性が同じMT46(というか、そもそもMT54はMT46の純粋な増強型)で定格速度が比較的高い101系を、南武線・鶴見線など、運行速度は高くないが玉突き配点の関係でたまたま吹き溜っていた101系を常磐線へ集結させる案もあったという。しかし、労使闘争激化や配転のやりくりなどで結局折合いが付かず流案になった。
現在はほぼ同性能のE231系0番台とE531系で揃えられたことで扉配置問題と運行上の経済性の悪さは解消されたが、利用者視線からは劇的な改善があったとは捉えられていない(とゆーか、諦めてるので誰も文句をいわない)。
後にJR西日本が大阪環状線103系・201系老朽取替に当たって、3扉車323系での統一が妥当かどうか、国鉄本社が列車線空時間を寄越さないのに腹を立てて電車線に特急より早い快速を走らせた破天荒な旧大鉄局管内にしては珍しく慎重に検討・調査したのも、これと無関係ではないかもしれない。
運行形態
前述の通り、取手までの直流区間のみ運行する「常磐快速線」と、同駅以北の交流区間も運行する「中距離列車」の2系統が存在する。
取手以北については常磐線の記事を参照。本項では快速線内運行形態について記載する。
- 特急
現在は速達タイプ「ひたち」と停車タイプ「ときわ」が運行されている。
民営化直後は夜行列車の寝台特急「ゆうづる」も運行されていた他、上野東京ライン開通後は臨時列車扱いで土休日を中心に「踊り子」が我孫子 - 伊豆急線伊豆急下田間で運行されていた。
詳細は各列車の記事を参照。
- 特別快速
品川 - 土浦間に2往復設定されている。2022年(令和4年)3月12日ダイヤ改正でそれまでの6往復から一気に減便された。
停車駅
(品川 - 上野間列車線各駅) - 北千住 - 松戸 - 柏 - (取手 - 土浦間各駅)
- 快速
正式な「快速」はE231系0番台で運行される列車。品川・上野 - 取手・成田間運行。中距離普通列車については後述。グリーン車はない。
ラッシュ時間帯は品川発着(下りは夕方以降のみ。日中は上野発着で運行され、一部時間帯を除き毎時1本成田発着列車が設定されている。日中時間帯は中距離普通列車と合わせて約10分間隔で運行される。
また松戸車両センター入出庫のため、松戸を始終着とする列車も存在する。
- 普通
前述の通り旅客案内上はE531系で運行される中距離普通列車も快速として案内される。多くは品川発着であるがラッシュ時を中心に上野発着も設定されている。グリーン車が設定されている列車もある。
日中は毎時3本で品川 - 土浦間運行であるが、その他の時間帯は水戸方面発着列車も運行される。
駅一覧
●:停車 ○:「ときわ」と一部下り「ひたち」が停車
△:朝の一部上り「ときわ」が停車 レ:通過
駅番号 | 駅名 | 特急 | 特快 | 乗換路線 | 備考 |
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↑上野東京ライン経由東海道線品川まで直通運転 | |||||
JJ01 | 上野 | ● | ● | ||
JJ02 | 日暮里 | △ | ● |
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JJ03 | 三河島 | レ | レ | ||
JJ04 | 南千住 | レ | レ | ||
JJ05 | 北千住 | レ | ● | ||
↑東京都/↓千葉県 | |||||
JJ06 | 松戸 | レ | ● | ||
JJ07 | 柏 | ○ | ● |
| |
JJ08 | 我孫子 | レ | レ |
| |
↓成田線我孫子支線成田まで直通運転 | |||||
JJ09 | 天王台 | レ | レ | 常磐緩行線(JL31) | |
↑千葉県/↓茨城県 | |||||
JJ10 | 取手 | レ | ● | ||
↓常磐線水戸方面 |
使用車両
所属記載がない物のうち、直流電車は松戸電車区→松戸車両センター、交直流電車は勝田電車区→勝田車両センター所属。
現在の使用車両
交直流両用の特急形電車。常磐線特急全列車で運用される。
- E653系1000番台K70・K71編成
交直流両用波動用特急形電車。
元は0番台として特急「フレッシュひたち」及び派生列車で使用されていた。
新潟車両センターに転属・改造された上で運用されていたが、上記2編成が勝田車両センターへ復帰し臨時列車で使用されている。
- E231系0番台(メイン画像)
直流区間専用通勤形電車。快速線及び成田線我孫子支線で運用される。
基本編成は10両、付属編成は5両。グリーン車及びトイレは未搭載。
- E531系
交直流両用近郊形電車。中距離列車で運用される。基本編成10両、付属編成5両。グリーン車及びトイレ搭載。
過去の使用車両
交直流両用特急形電車。特急「ひたち」や臨時急行「ぶらり鎌倉号」等で運用された。
青森運転所(現・盛岡車両センター青森派出所)所属交直流両用特急形電車。寝台特急「ゆうづる」のうち電車で運用された列車で使用された。
651系0番台
交直流両用特急形電車。特急「スーパーひたち」「フレッシュひたち」等で運用された。
- 185系0・200番台
大宮総合車両センター東大宮センター所属の直流区間用特急形電車。
臨時特急「踊り子」として主に200番台が乗入れていたが、0番台が運用される場合もあった。
- 103系0・1000番台(画像)
直流区間専用通勤形電車。1000番台は元緩行線用車両。E231系へ置換えられ引退した。
交直流両用近郊形電車。かつての中距離列車主力車両。
交直流両用通勤形電車。上野 - 土浦間で2007年(平成19年)2月21日まで運用され、同年3月18日ダイヤ改正以降は土浦 - いわき間運用へ変更された。
田端運転所(現・田端統括センター)所属交直流両用電気機関車。寝台特急「ゆうづる」牽引機。
青森運転所所属客車。寝台特急「ゆうづる」のうち、客車で運用された列車で使用された。