概要
JR東日本の交直流両用特急形電車(交流区間は50Hzのみ対応)。モーターショーの展示車を思わせるデザインの前面と各座席に完備されたブロードバンド環境が特徴。
2012(平成24)年3月から定期運行を開始し、翌2013年3月17日のJR全7社のダイヤ改正で「スーパーひたち」「フレッシュひたち」用の全列車が当形式に統一された。
2015年3月のダイヤ改正ではスーパーひたち・フレッシュひたちがひたち・ときわに再編されると同時に新たな座席サービスが提供されることとなった。これに伴って指定席発券ランプを設置することとなり、その工事のため2013年秋~2015年改正まで1往復を651系で代走していた。
2019年7月には、常磐線の全線復旧にあわせて10両編成2本を新造することと、本形式によって仙台までの直通運転を行うことが発表された。
なお2015年3月のダイヤ改正以降上野東京ライン経由で品川まで運行する列車が増え、2023年現在では平日朝のときわ2本以外は全て品川発着となっている。
車両・編成
6M4Tの10両固定編成。営業最高速度は130km/h。
車体はアルミニウム合金によるダブルスキン構造。運転台近辺は繊維強化プラスチック(FRP)製であり、事故に備えクラッシャブルゾーンが設けてある(※1)。屋根上に高圧機器を搭載する関係上、パンタグラフ搭載車の屋根高さが低くなっている。また車体間ダンパーを全車に装備し、更にフルアクティブサスペンションを採用し乗り心地の向上を図っている。また各座席はWiMAXを利用したブロードバンド環境が整備され、ノートパソコンを置けるテーブルとコンセントが用意されている。
(※1)2015年頃に、衝突事故の際に前面損傷を最小限におさえるため、マスク状の前面強化パーツを更に取り付ける工事を行った。
イラスト左:オリジナルの姿 イラスト右:前面強化パーツを付けた姿
電動車はモハE657形とモハE656形の2両で1ユニットを組み、モハE657形(M1)には主変圧器、交直補助制御箱、主変換装置、パンタグラフ等が搭載され、モハE656形(M2)には主変換装置とSIV等が搭載される。 主変換装置はご多聞にもれずIGBT素子採用のVVVFインバータであり、パンタグラフはシングルアーム式パンタグラフである。
付随車は運転台のある編成両端の先頭車(1・10号車)とグリーン車(5号車)、その隣の4号車サハE657形(T1)の4両であり、グリーン車以外は空気圧縮機を搭載している。
制動装置については回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキに加え、抑速ブレーキも採用されている。
運用概況
全車両が勝田車両センターに配置されており、ひたち・ときわとして品川・上野~いわき間を運行している。
2020年3月14日のダイヤ改正と同時に常磐線が全線復旧したことにより、品川・上野〜仙台間にてひたち3往復が設定され、初めて仙台まで足を伸ばした。
特別塗装(装飾)編成
E653系電車リバイバルカラー車両
2023年10月1日から12月31日まで開催される「茨城デスティネーションキャンペーン」開催を記念して2022年12月下旬から2026年春までの運行予定。E653系フレッシュひたちの塗装を再現したもので、テーマカラーによるリバイバル塗装および車両の側面にシンボルマークを 5編成(各1色)に施される。グリーンレイク(緑)塗装を皮切りに順次運行を開始し、2023年10月1日に5編成がそろった。
施工編成
グリーンレイク(緑)…K17編成
スカーレットブロッサム(赤)…K12編成
イエロージョンキル(黄色)…K2編成
ブルーオーシャン(青)…K1編成
オレンジパーシモン(朱色)…K3編成