概要
国鉄時代から使用されている名称であり、「ひたち」は2代目(「スーパー/フレッシュひたち」を除くと3代目)である(沿革の項目で詳述)。
運行概況
2020年3月改正現在、下り16本上り15本が設定されている。
朝ラッシュ時に出る下り2本のみ上野始発で、それ以外はすべて品川発着で運行。
- 停車駅:品川駅、東京駅、上野駅、(柏駅)、(土浦駅)、水戸駅、勝田駅、(東海駅)、(大甕駅)、(常陸多賀駅)、日立駅、(高萩駅)、(磯原駅)、(勿来駅)、泉駅、湯本駅、いわき駅、広野駅、富岡駅、大野駅、双葉駅、浪江駅、原ノ町駅、相馬駅、亘理駅、岩沼駅、仙台駅
※柏は下り3号のみ停車。土浦は朝と夕方以降のみ停車。亘理と岩沼は最終の1往復のみ停車。東海、大甕、常陸多賀、高萩、磯原、勿来はこのうち2~4駅停車。
車内販売は上野-いわき間で飲料・菓子類・つまみ類のみの取り扱いとなる。
料金システム
特急料金については普通車に独自の料金制度が組まれており、従来からの座席指定券で席を指定するか、座席未指定券で空席を利用/車端デッキ等での立席を利用するという座席制度を設けている(前売り料金に両者の差異はない)。
また、グリーン車も利用料金が見直され、上野~いわき間では改正前より400円安くなっている。
なおこの座席指定システムは中央本線の特急列車(「あずさ」「かいじ」「富士回遊」)にも採用された。
沿革
1963年に急行として運行開始。
1967年に先立って運行されていた「ときわ」に統合され、一度消滅するも、1969年に上野~平(現・いわき)間の臨時特急として復活し(2代目)、翌年から定期列車となった。
当時、既に常磐線は全線電化されていたにもかかわらず運用の都合から「いなほ」用のキハ80系気動車が投入されていたが、1972年に485系へ置換えられて本数が増加。運行区間も最大で仙台まで延伸。食堂車も連結され1978年10月のダイヤ改正までは営業していた。
1982年、東北新幹線開業により「みちのく」を統合、在来線の昼行特急としては唯一の東京都内と仙台を結ぶ列車となる。
1985年、「ときわ」を格上げ統合。
JR化後、1989年に651系が投入されると、同系を使用する列車が速達型の「スーパーひたち」となった。さらに485系の置き換えを進めるべく1997年にはE653系が「フレッシュひたち」の名称で投入され、翌年をもって485系は撤退。
「ひたち」は「フレッシュひたち」に継承され、「スーパーひたち」との2本柱となる。
なおこのとき捻出された485系の新たな行き先は新潟であり、かつては格上特急だった「いなほ」に運用(さらにこの時の置き換えに使用されたE653系の基本編成も後年に1000番台に改造され、現在の「いなほ」で活躍する事となる)された。
長らくこの体制が続いていたが、2010年冬、2012年にE657系を投入し、運行形態をいわきで分割。原ノ町/相馬/亘理方面へはE653系を使った仙台~いわき間の特急列車(名称未定)で接続する案が発表された(詳細)。
しかし2011年3月11日に発生した東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故の影響で常磐線が休止。運行再開後もいわき~原ノ町・仙台間は休止(翌年に正式廃止)され、上述の仙台発着特急の計画も中止となる。
そして2013年改正をもって651系・E653系は常磐線から撤退するが、この時点では列車名称の変更はなかった。
上野東京ライン開業に伴う2015年改正からは速達タイプのスーパーひたちが単に「ひたち」(単なる「ひたち」としては3代目)、停車駅の多いタイプであるフレッシュひたちが「ときわ」(2代目)と変更された。
併せて東京側の発着もそれまではすべて上野発着だったのが、大部分の列車で品川まで延伸されている。 またこの改正により料金制度が見直され、上記の新料金システムに切り替わった。
2019年7月、JR東日本は同年度内に予定される常磐線全線復旧に合わせ、東京と仙台を結ぶ特急列車を運転することを発表。E657系を使用するが、この時点ではそれ以外の詳細(ダイヤ、本数や列車名、車両の増解結等)は明らかにされていない。かくて、震災がなくとも途切れるはずであった東京〜仙台間直通の在来線特急が復活することに。2020年1月、E657系の原ノ町~仙台間の試験走行・訓練運転を開始。また同月中に3月14日ダイヤ改正で(品川・上野〜)仙台発着列車を3往復設定することが決まった。
2020年3月14日、仙台までの営業運転を再開。下りは1本が上野発だが2本が品川発。 上りは3本とも品川行きとなった。
国鉄~JRの在来線長距離特急列車において、起終点共に同一系統の新幹線と接続する列車として最後の存在となる(昼行限定では2011年の時点で自身が単独、夜行も2014年の「あけぼの」が最後)。
東北新幹線との比較
特急『ひたち』は東京駅~仙台駅間は東北新幹線と競合している他、東北新幹線が長期不通になった場合、この列車の種別が発揮される。
所要時間では東北新幹線の圧勝であるが、料金や品川駅・新橋駅のアクセスではこちらが優位に立っている(逆に新宿駅・池袋駅・渋谷駅のアクセスは東北新幹線の方が圧倒的に優位)。
特に上野東京ラインが開業して以降、『ひたち』や『ときわ』は原則、品川駅発着がメインになった為、仙台駅~品川駅へのダイレクトなアクセスを利用する場合はこちらを利用するのも手となっている。
関連タグ
スワローあかぎ:651系の再就職先。新料金システムの先駆け
いなほ:E653系基本編成の再就職先
しらゆき:E653系付属編成の再就職先
583系 定期列車での運用はないが、1970年代の臨時列車で使用。
日立製作所 常磐線の沿線である日立市を発祥とする総合電機メーカーで、『スーパーひたち』で使われていた651系を除く車両の製造を担当。