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16010形

いちまんろくせんじゅうがた

富山地方鉄道で運用されている車両。元西武5000系。
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概要編集

富山地方鉄道では車両の冷房化を進めており、冷房付きの京阪3000系を購入して営団3000系の廃車発生品と組み合わせて10030形としていた。しかし、ストックの関係でこれ以上購入できないこととなり、高速バスの共同運行相手である西武鉄道から「レッドアロー」こと5000系が廃車になっていたことを受け、同形式の車体を6両分調達。稲荷山工場で改造のうえ、1995年に登場した。


西武5000系は機器類を「ニューレッドアロー」こと10000系へ流用する計画が社内で決まっており、車体と一部の機器以外の譲渡は不可能であった。そのため地鉄では、パンタグラフと抵抗器を新品で用意した以外は全国から機器をかき集めて運行可能にした。出所は以下の通りで、完全なるキメラ電車と化している。

改造は輸送力の増強が必要となる夏の観光シーズンに間に合わすべく、すべての在籍車両の検査を前倒しで実施し工場を開けたうえ、車体は関越道北陸道などの高速道路を経由して輸送され、所沢を出た翌日までに富山へ到着した。


改造当初は後述のとおり3両編成を組成しており、トイレは使用しないため使用停止または撤去されたほか、当時は3両以上の列車では必ず車掌が乗務したことからワンマン化改造は行われなかった。


デビュー以降の変更点編集

第1編成の改造編集

第1編成の台車における駆動装置は、485系から流用されたままであったため、特急型電車のギヤ比のまま使用されていた。しかし、地鉄においては停車や発車を比較的多く行うため、これでは不具合が生じることから、第2編成と同様のものへと変更された。これに合わせてトイレの撤去と立ち席スペースの新設も行っている。


ワンマン化と機器構成の変更編集

当初はモハ16011形(Mc)-モハ16012形(M)-クハ110形(Tc)の3両組成となっていた。が、利用客減少に伴うワンマン運転推進に際し2両編成での運転に対応できない(モハが2両ユニット構成のため)ことから、ワンマン化と同時にモハ16012形とクハ110形の機器を入れ替える工事を2005年~2006年に行った。モハ16012形・クハ110形の車番も交換となったが、中間車は「クハ110形」のままで「サハ」にはしなかった。

これに合わせてワンマン運転に対応させるべく、デッキとの仕切をほとんど撤去したほか、運賃箱や運賃表示器などの必要な設備が設置された。


以降は「通常期は2両編成」「多客期は3両編成」という運用が組まれている。ただし、3連運用の減少により、クハ111号は除籍されている(後述)。


観光列車への改造編集

[鉄道擬人化]富山地方鉄道16010型

北陸新幹線の開業による乗客増加・観光需要を見据え、また映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』とのタイアップも兼ねて、第2編成を対象に内装のリニューアルが2011年に行われた。本形式の改造デザインは水戸岡鋭治氏が担当したが、外装のほうは珍しく以前のものを踏襲している。


観光列車「アルプスエキスプレス」として2011年12月から運用を開始している。中間車クハ112号車は土日祝日に限り連結され、平日では2両編成で一般列車に混じって運用される。

2015年には、追加工事によって編成内にトイレが追加された。なお、元々西武時代にはトイレがあったのだが、処理施設がないという事情から撤去したので、実際は復活である。ただし設置された場所は、元々の場所とは異なる場所になっているほか、便器はバリアフリーを考慮した洋式が採用されている。


廃車編集

3両編成運用が組まれる可能性が減ったため、クハ111号車は2016年2月に廃車除籍となり、解体処分された。

関連タグ編集

富山地方鉄道 ドーンデザイン研究所水戸岡鋭治デザイン

西武鉄道 レッドアロー

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