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概要編集

富山市内北部と富山駅方面を結ぶ路面電車の路線。全線単線で、開業当初より直流電化。元々は地方私鉄(富岩鉄道→富山地方鉄道)→旧国鉄JR西日本の近郊電車路線だったものを、コンパクトシティ化の観点から路面電車へと転換した異色の経歴を持つ路線である。富山駅北~奥田中学校前間は路面電車化時に道路上の併用軌道へと移設され、現在のルートとなった。


JR西日本から第三セクター・富山ライトレールへ移管、その後富山駅高架化工事完成に伴う富山地方鉄道富山市内軌道線との直通開始に先立って、2020年に富山ライトレールが富山地方鉄道に吸収合併され、富山港線は富山地方鉄道の路線となった。


直流電化ながら、昇圧と降圧を行うなど運営母体の変遷同様に数奇な歴史をたどり続けている鉄道路線でもある。


路線の年表編集

1924年 富岩鉄道により富山口駅-岩瀬港駅間旅客運営開始、直流600v電化路線

1927年 貨物支線、富山駅-富山口駅開通により貨物取り扱い開始

1936年 貨物支線、西ノ宮信号所(現在の大広田駅)-岩瀬埠頭駅(後の富山港駅)間開業

1938年 富山市営鉄道運河線、富山駅-日曹工場前駅(後の奥田駅)間開通、富岩鉄道に貸与。

1941年 富岩鉄道は富山電気鉄道に鉄道路線を譲渡し解散、富岩線となる

1943年 1月、富山電気鉄道は戦時合併により富山地方鉄道に名称変更。6月、富岩線は戦時買収により国有化され、国鉄富山港線となる

1944年 貨物支線大広田駅-富山港駅間の電気運転取りやめ(おそらく北陸本線と直接連絡させるため不要となった)

1960年 貨物支線富山駅-奥田駅間の電気運転取りやめ

1967年 電圧を直流1500Vに変更

1984年 大広田駅-岩瀬浜駅間の貨物営業廃止、貨物支線富山駅-奥田駅間廃線

1985年 使用車両を北陸本線の車両へ共通化。

1986年 富山駅-大広田駅間の貨物営業および貨物支線大広田駅-富山港駅間を廃止

1987年 国鉄分割民営化によりこの路線は西日本旅客鉄道へ移管される

2001年 一部の運用に気動車を投入。

2003年 JR西日本、当路線(および岡山地区の吉備線)の路面電車(LRT)化を検討

2004年 富山ライトレール株式会社設立

2006年 3月1日付でJR西日本としての営業を廃止し富山県に譲渡。のち電圧を600Vに変更、富山駅~下奥井駅間にある富山口駅を廃止し、新線に切り替えたうえで4月29日より富山ライトレールとしての営業を開始。軌道区間・富山駅北停留場-奥田中学校前駅開業

2020年 2月22日付で富山地方鉄道が富山ライトレールを吸収合併し、再び富山地鉄の路線となる。3月21日付で富山駅北停留場が富山駅停留場へ統合され、富山市内軌道線との直通運転開始


電停・駅一覧編集

  • JR路線だった区間のうち奥田中学校前、粟屋、犬島新町は富山ライトレール転換時に新設された。交換可能電停は奥田中学校前、粟島、城川原、萩浦小学校前である。車両基地は城川原にある。
  • 奥田中学校前〜岩瀬浜間は「鉄道路線」、それ以外の区間は「軌道路線」。
  • オークスカナルパークホテル富山前は「富山駅」から徒歩で行ける距離のため、岩瀬浜方面の列車のみ停車。

番号名称旧JR駅乗り換え・備考
↑富山地方鉄道富山軌道線南富山駅富山大学前駅・環状線西町電停まで直通運転
C15富山駅JR北陸新幹線/JR高山本線/あいの風とやま鉄道/富山地方鉄道本線/バス各路線と接続
C26オークスカナルパークホテル富山前岩瀬浜方面の列車のみ停車
C27インテック本社前-
C28龍谷富山高校前副停留場名「永楽町」
C29奥田中学校前-
C30下奥井-
C31粟島-
C32越中中島-
C33城川原車庫駅。ライトレール時代は本社併設。現在は南富山運転区城川原管理所。
C34犬島新町-
C35蓮町副駅名「馬場記念公園前」
C36萩浦小学校前JR時代は「大広田」駅
C37東岩瀬-
C38競輪場前-
C39岩瀬浜バス各路線と接続

未成線編集

戦前の富山地方鉄道買収直前の1940年から、地鉄は東岩瀬駅から分岐し水橋を通り本線の東滑川駅を結ぶ「海岸線」の計画を立てていた。この計画は1943年の富岩線戦時買収により一時停滞したものの、戦後の1948年の戦時買収私鉄返還運動に参加する形で再び持ち上がり1958年に免許を取得、返還運動が頓挫した1963年には現在の奥田中学校前駅付近から電鉄富山駅への連絡線を作り新線の起点東岩瀬まで乗り入れたい旨を国鉄に申請した。しかし用地買収が進まず1973年免許が失効し幻に終わった。

この他1943年の戦時買収直前には薬専前駅(現在の奥田中学校前駅付近にあった駅)から分岐して市内線桜町(現地鉄ビル前)停留所に至る軌道免許を敷設し路面電車を乗り入れさせる特許を申請しており、これは現在の富山港線のライトレール化の先駆けとも言える。戦時買収への補償措置を求める形で国有化前に申請されたものの最終的には国有化後の1944年に却下されている。


関連項目編集

路面電車 LRT 富山ライトレール 富山地方鉄道

72系 413系 475系 キハ120形 TLR0600形

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