概要
富山県富山市に存在した第三セクター鉄道会社であり、鉄軌道路線・富山港線を管理運営、またバス事業も展開。日本初の本格的なLRTを運行したことで知られていた。
富山ライトレール富山港線は、元はといえば(日本国有鉄道→)JR西日本富山港線で、北陸新幹線開通に伴う富山駅高架化の影響で廃止される可能性のあった路線であった。さらに遡ると、路線そのものは1924年に私鉄の「富岩鉄道」として開業、1941年に富山地方鉄道の前身である「富山電気鉄道」の路線となったのち1943年に国有化されている。
JR西日本から富山ライトレールへの移管後、駅の増設や電車の増発が行われ、利用者が増加。さらにはJR富山駅の高架工事完成後の2020年3月より、富山市内軌道線富山駅停留場への乗り入れが始まることになった。
富山地方鉄道・富山ライトレールはこの「南北接続」に際し、一体的な運行を行うために協議の結果両社が経営統合することに合意。2020年2月22日付で富山ライトレールは富山地方鉄道へ吸収合併され、77年ぶりに富山港線が富山地方鉄道の路線となった。なお、路線名は現行の「富山港線」のまま。
合併時点での営業路線
- 富山港線:富山駅北停留場-奥田中学校前駅-岩瀬浜駅間、軌道・鉄道路線で単線・直流電化(600V)
- ほかに、富山市が試験的に運行を開始したものを引き継いだ路線バスを運営(ただし運行自体は富山地方鉄道に委託)。
車両
2006年の開業時より低床型路面電車車両のTLR0600形7編成を使用。その後先述の「南北接続」に際し、2019年にTLR0600形第8編成を追加増備している。
TLR0600形は「ポートラム」の愛称を持ち、富山地鉄の9000形電車(愛称「セントラム」)と同種の車両。2007年、路面電車・LRT車両として初めて鉄道友の会ブルーリボン賞受賞した。
富山港線は、北陸地方では珍しく国鉄・JR西日本時代から直流電化路線であったことから、以前は戦時買収した他の路線から流用した車両、昇圧後は30系や72系などの旧型国電が使われていた。北陸本線との車両共通化後は交直流電車の457系や475系、末期には気動車のキハ120形などを用いていた。
富岩鉄道時代においては電車および客車(付随車、電車等に連結する動力を持たない車両として利用)および貨物用の電気機関車が使用されている(wikipediaの関連項目)。
鉄道むすめ
ポートラムアテンダント。
なお、ポートラムアテンダントは2018年3月限りで業務が終了しており、前述の通り富山地鉄合併前に両社で協議した結果継続使用が決まったとされているが、その後特段の動きは見られなかった。
業務終了から6年後の2024年に、富山港線開業100周年記念事業として、富山地方鉄道バージョンの新イラストの製作が発表されている。