概要
LRVは、 Light Rail Vehicle の略であり、「電車や地下鉄よりも一回り小さいが、バスよりも大きな輸送力を持つ車両」である。平たく言えばLRTで運用される車両のことであり、現状は電車がメインとなっているが、レールバスのような気動車形式や機関車を用いたものなど、さらにはモノレールや新交通システムなども運用が難しいだけでこのような使い方をすることも可能である。
また、LRTの性格上路面電車タイプのものが多く(実際には地下鉄に類似し都市部では地下を走行する形式や高架上を走行するのものが存在する)、この用途に用いられるもの関してはとくに超低床構造の車両が多いため、超低床車両=LRVという誤解が生じている。しかし、必ずしもLRVが超低床車両である必要はなく、現にLRTに分類されるロサンゼルスメトロや東急世田谷線の車両、あるいはかつての広島電鉄の宮島線は高床式車両での運用であるし(ホーム側を高くして段差をなくしている)、そもそもLRVという言葉自体が超低床車両が出るよりも前にできた言葉だからである。
ただし、この車両の持つ性格(この言葉の発祥であるアメリカ合衆国においては「車の所有できない都市在住の低所得層のための交通機関」という扱い)上、今後のバリアフリー化は必須課題であり、既存の停留場および駅のすべてのホームを嵩上げしていたのでは都市計画上いろいろ面倒である上お金もかかることになる可能性もあり、むしろ車両のほうを周りに合わせることでバリアフリー化を図るべく、超低床タイプのLRVが多数導入されているのも事実である。
日本の場合
なお、日本においてはこの言葉はあまり馴染みがなかったためか、当初は「軽快電車」という表現を用いていた。日本の場合分類されるのは下記の6つの路線のみである。これは日本の都市近郊路線が路面電車(広島電鉄が宮島線のみの認定なのはこのため)、あるいは電気軽便鉄道とみなされるためである。
広島電鉄(宮島線) 京福電気鉄道 東急世田谷線 阪堺電気軌道 筑豊電気鉄道 江ノ島電鉄
また、富山ライトレールは「トラムトレイン(路面電車を一般の都市間鉄道路線上で走らせる形態の軌道輸送交通機関)」とされる。