ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

都電荒川線

とでんあらかわせん

都電荒川線は、東京都交通局が運営している唯一残った路面電車(都電)の路線である。
目次 [非表示]

概要編集

路線概要編集

三ノ輪橋停留所(東京都荒川区南千住)から早稲田停留所(新宿区西早稲田)までの12.2kmを結ぶ都電(東京都交通局経営の路面電車)の路線。区間の殆どが専用軌道であったこともあり、都電としては唯一残った路線である(ちなみに東京都内の路面電車には東急電鉄世田谷線が存在する)。


途中の町屋駅前電停で京成電鉄本線東京メトロ千代田線と、熊野前電停で東京都交通局日暮里・舎人ライナーと、王子駅前電停でJR東日本京浜東北線東京メトロ南北線と、新庚申塚電停で都営地下鉄三田線と、大塚駅前電停でJR東日本山手線と、東池袋四丁目電停で東京メトロ有楽町線と、鬼子母神前電停で東京メトロ副都心線と、それぞれ接続している。


沿線には池袋巣鴨がある。つまり、若者の街と年配の方の街を結んでいる路線である。


共通乗車券の側面では、バス〈共通〉カードがあった頃からバス路線の扱いになっており、PASMOに移行されてからは同じ月に7回乗車した際のバス特チケットとして引き継がれていた(その後2021年9月をもってバス特チケットの付与は廃止)。


2017年に愛称として「東京さくらトラム」が制定され、路線記号として「SA」が付けられたが、「そもそも都電が愛称じゃなかったのか」、「沿線の代表的な花はさくらではなくバラではないのか」などの批判もありあまり定着していない。

確かにバラは荒川区内で1985年から植栽されており沿線を代表する花ではあるが、沿線には飛鳥山公園など桜の名所も多いためさほど不自然というわけでもない。

ちなみに非公式な愛称としては開業当時の社名に由来する「王子電車」もある。


併用軌道区間編集

荒川線はほとんど全線にわたって専用軌道(新設軌道)である。しかし併用軌道で残存している区間もあり、その代表的な区間が以下の2つである。

  • 熊野前停留所-小台停留所間0.7km
  • 王子駅前停留所-飛鳥山停留所間0.5km

このうち前者はセンターリザベーションと呼ばれ、軌道と車線の境界には縁石が置かれ自動車の進入を防いでいる(かつての道路改良前は、飛鳥山と同様の併用軌道であった)。これによって同区間は電車がスムーズに通行できるようになっている。

…一方の後者は、区間が2停留所間と短いためか、はたまた交差点の関係かそういった対策が採られておらず、軌道上に自動車が乗り入れてくる。このため渋滞が起きてしまうと、当然のことながら電車も遅延が発生する。


このほかに大塚駅前停留所周辺は駅前広場を横断するようにして走行しているほか、同電停の三ノ輪橋寄りにも併用軌道の区間が存在する。ただしこの区間は車両進入禁止となっており、都電のほかには歩行者、自転車などの軽車両以外は通行ができない。一種のトランジットモールである。


また都電雑司ヶ谷停留所から向原停留所の間も、補助81号線の建設に伴うセンターリザベーション方式による併用軌道への改築工事が行われている。この区間では緑化軌道も採用されるとのことで、工事中には植えるための植物の試験も行われていた。


もともとは編集

もともとは旧王子電気軌道の路線であった27系統と32系統を1974年に統合した結果生まれた系統である。都電で唯一の存続路線となったのは専用軌道区間が多く定時性確保が期待できたことが大きく寄与している。現在の荒川線は4つの路線から構成されたもの。

  • 三河島線(みかわしません):三ノ輪橋-町屋駅前間1.8km
  • 荒川線(あらかわせん):町屋駅前-荒川車庫前-王子駅前間4.2km
  • 滝野川線(たきのがわせん):王子駅前-大塚駅前間2.9km
  • 早稲田線(わせだせん):大塚駅前-早稲田間3.3km

1972年の都電最終撤去時には、32系統(荒川車庫前〜早稲田)の全区間と、27系統(三ノ輪橋〜王子駅前〜赤羽)のうち三ノ輪橋〜王子駅前間が残され、以後、運行系統上の荒川線に統合されるまでの2年間は別々の運行系統で運行されていた。

廃止になった王子駅前~赤羽間は東京メトロ南北線と重複し、赤羽停留場は現在の赤羽岩淵駅に相当する。


延伸計画構想編集

近年になって環境問題から路面電車などの軽軌道見直し(LRT)が叫ばれているが、実は荒川線はそれ以前から有力な2つの延伸計画が存在している。

  • 三河島線延伸:三ノ輪~北千住駅前
  • 池袋駅前支線:東池袋~池袋駅前

ただし後者については頓挫したらしく、現在はWILLERが運行するコミュニティバス「IKEBUS」によって代替されている。


現在の車両編集

営業運転に用いられる車両は、すべてWN駆動車かつVVVFインバータ制御車である。

また、東急世田谷線や京福電気鉄道もそうだが、ホーム自体を嵩上げしている関係で、超低床車両は1両も在籍していない。


  • 7700形:原型は1955年から製造したものを、1977年に新造した車体へ更新した最古参であり、都電最後の吊り掛け駆動車7000形(メイン画像の車両)を、2016年にカルダン駆動・VVVF制御へ改造した車両。
    • 吊り掛け電車がカルダン駆動・VVVF制御に改造されるのは相模鉄道3000系以来30年ぶり。
  • 8500形:1990年登場。
  • 8800形:2008年登場。
  • 8900形:2015年に導入された最新鋭車両。
  • 9000形:2007年・2009年に1両ずつ製造されたレトロ調車両。
  • 7000形:2024年現在は7001号が保留車として荒川車庫内に留置されている(営業運転には入らないが、「車両」として車籍が残存している)

過去の車両編集

荒川線存続決定時点で在籍していた車両のみ。

  • 6000形:1947年から製造された都電の主力形式。荒川線には最大13両が在籍していた。
  • 7500形:1962年から製造された昭和期の都電最後の形式。1984年から冷房化を伴う車体更新が行われ、2011年まで運用された。
  • 乙6000形:ワンマン運転開始による新装営業を記念し、1978年に引退した6000形5両を改造した花電車。1981年に廃車。
  • 花100号:都営交通が創業100周年を迎えたことを記念し、2011年に7500形1両を改造した花電車。2018年に廃車。

停留場編集

※★は距離がやや離れているもの。

停留場番号停留場乗換駅備考
SA01三ノ輪橋(みのわばし)
  1. (★三ノ輪駅)東京メトロ日比谷線
SA02荒川一中前(あらかわいっちゅうまえ)
SA03荒川区役所前(あらかわくやくしょまえ)
SA04荒川二丁目(あらかわにちょうめ)
SA05荒川七丁目(あらかわななちょうめ)
SA06町屋駅前(まちやえきまえ)
  1. (町屋駅)東京メトロ千代田線
  2. (〃)京成本線
当停留所折返し電車がある。
SA07町屋二丁目(まちやにちょうめ)
SA08東尾久三丁目(ひがしおぐさんちょうめ)
SA09熊野前(くまのまえ)
  1. (★熊野前駅)日暮里・舎人ライナー
ここから小台停留所間は道路の中央を走る。
SA10宮ノ前(みやのまえ)
SA11小台(おだい)
SA12荒川遊園地前(あらかわゆうえんちまえ)
SA13荒川車庫前(あらかわしゃこまえ)ここまで荒川区。都電の車庫「荒川電車営業所」と都電ひろばを併設。
SA14梶原(かじわら)ここから北区
SA15栄町(さかえちょう)23区で2ヶ所しかないジョーシン王子店が存在するが、荒川線からだと裏から回り込む形になってしまう。
SA16王子駅前(おうじえきまえ)
  1. (王子駅)JR京浜東北線
  2. (〃)東京メトロ南北線
当停留所折り返し電車がある。ここから飛鳥山停留所間は併用軌道区間、かつ坂道を走行する。
SA17飛鳥山(あすかやま)飛鳥山公園最寄り。
SA18滝野川一丁目(たきのがわいっちょうめ)
SA19西ケ原四丁目(にしがはらよんちょうめ)ここまで北区
SA20新庚申塚(しんこうしんづか)
  1. (★西巣鴨駅)都営三田線
ここから豊島区。白山通りを渡る。
SA21庚申塚(こうしんづか)とげ抜き地蔵通りの北端にある。
SA22巣鴨新田(すがもしんでん)
SA23大塚駅前(おおつかえきまえ)
  1. (大塚駅)JR山手線
当停留所は山手線ガード下で、当停留所折返し電車がある。
SA24向原(むこうはら)
SA25東池袋四丁目(ひがしいけぶくろよんちょうめ)
  1. (東池袋駅)東京メトロ有楽町線
東池袋駅のホームからは距離があるが、地下道入口はかなり近い
SA26都電雑司ヶ谷(とでんぞうしがや)
SA27鬼子母神前(きしぼじんまえ)
  1. (雑司が谷駅)東京メトロ副都心線
ここまで豊島区
SA28学習院下(がくしゅういんした)ここから新宿区。学習院大学に距離は近いが門が裏手にあるためかなり歩く必要がある。
SA29面影橋(おもかげばし)
SA30早稲田(わせだ)東京メトロ東西線早稲田駅からはかなり距離があり、ほぼ別物。早稲田大学早稲田キャンパス北門に近い。

関連リンク編集

公式サイト


関連イラスト編集

マルフクの家都電荒川線8800形8808F


アニメにも登場編集

昭和ノスタルジーを象徴するアイテムとして、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』や『キテレツ大百科』にも荒川線が多く登場した。

『こち亀』では両津勘吉が都電にまつわる思い出を語る場面が多く、荒川線以外の廃止になった都電について触れられる場合もある。

『キテレツ大百科』では、コロ助の体の一部に都電の部品が使われているという設定が存在する。

BanG_Dream!』でも主人公たちがこの路線を利用しているシーンがよく見られる。

クラユカバ』に登場する扇町駅のモデルは王子駅前停留場である。


関連タグ編集

都電 荒川線 東京都交通局 都営地下鉄


華原朋美…ミリオンシングル「Hate tell a lie」のMVはこの路線の車両を貸し切って撮影されている。


藤田淑子山野さと子- みんなのうたで放送された「おじいさんの電車」はこの荒川線のことをうたった曲である。

関連記事

親記事

都電 とでん

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 142564

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました