概要
東京都北区に所在。王子駅から徒歩約5分、都電荒川線王子駅前駅および飛鳥山駅から徒歩約3分。
その起源は徳川吉宗が享保の改革の一環として造成した公園とされる。当時江戸の桜の名所は寛永寺しかなく、花見の時期には寛永寺界隈の風紀が悪化し問題となっていた。そのため安心して花見が楽しめる場所として造成された。
1873年3月に日本初の公園のひとつに指定された。
1879年には渋沢栄一が敷地内に別荘を構え、1931年に死去するまで本邸として使用していた。旧渋沢邸は東京大空襲で焼失したが、遺構は国の重要文化財に指定されている。
飛鳥山
飛鳥山公園が立地する丘陵。名前は紀伊熊野の飛鳥明神の遷宮に由来するとされる。
国土地理院の地形図には記載がなく、標高も不明だったが2006年に測量を行い25.4メートルであることが確認された。これは「東京都で一番低い山」とされる東京都港区の愛宕山(25.7メートル)より低く、北区は国土地理院に対し飛鳥山を地形図に記載するよう要望したが採択されなかった。
奇しくも愛宕山同様『鉄道唱歌』の歌詞にも登場している。
施設
- 北区飛鳥山博物館
郷土資料を展示する博物館。
- 紙の博物館
日本最初の洋紙工場だった旧王子製紙の収蔵資料を引き継ぎ1950年設立。1998年に公園内に移転した。
- 渋沢史料館
渋沢栄一に関する資料を収蔵・展示する博物館。
- 石碑
公園内には3つの石碑が建立されている。このうち1737年に建立された「飛鳥山碑」は飛鳥山の由来が記されているが、難解な漢文であることから江戸時代には読めない石碑として有名だった。
- 保存車両
公園内にはD51形蒸気機関車と都電荒川線で活躍した6000形電車が保存されている。保存状態が悪く荒廃していたが、2005年に修復・再塗装が行われ上屋が設置された。
- 飛鳥山古墳群
6世紀後半から7世紀初頭ごろに営造されたとされる円墳。
このほか1970年には回転式展望タワー「スカイラウンジ(通称飛鳥山タワー)」が建設されたが、「北とぴあ」完成に伴い1993年に廃止された。