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概要

東北新幹線のスピードアップに伴い、同区間を東北新幹線車両と併結して走る秋田新幹線こまち」用に、E5系と同等の320km/hの走行性能を持つ新型車両として導入された。

2010年7月に量産先行車(S12→Z1)、2012年末~2014年春に量産車(Z2~Z24)が製造された。

2013年3月16日ダイヤ改正より列車名を1年間暫定的に「スーパーこまち」としてまずは4本体制で運用開始。2014年春までに7連24編成(含S12編成)が投入され、同じ秋田車両センター所属のE3系0番台を全て置き換えた。

2014年5月26日に第54回ローレル賞、2014年10月1日にグッドデザイン賞を受賞。

諸元

編成7両
MT比5:2
軌間1435mm
最高速度(フル規格区間)320km/h
最高速度(在来線区間)130km/h
起動加速度(フル規格区間)1.71km/h/s
起動加速度(在来線区間)2.0km/h/s
減速度(在来線区間)5.2km/h/s
主電動機MT207(300kW)
ギア比2.645
駆動方式WN平行カルダン
主変圧器TM213(3470kVA)、TM214(4980kVA)
電動台車DT210、DT210A
付随台車TR7009
編成長148.65m
保安装置(フル規格区間)DS-ATC
保安装置(在来線区間)ATS-P
製造川崎重工業車両カンパニー、日立製作所笠戸事業所

エクステリア・性能

デザイン監修は奥山清行(ケン・オクヤマ)が担当。

先頭形状はE955形「Fastech360Z」を踏襲した13m級アローライン形状。これと後述のシートピッチ拡大に伴い、定員確保のため7両編成となった。

在来線区間での視界性を考慮してヘッドライトは運転台両斜めサイドに配置。

塗装は秋田の風土に根付いてきた赤色をアレンジした「茜色」、E5系との調和を表す「飛雲ホワイト」、高速運転の風の流れを表す「アローシルバー」で構成される。

12・16号車側面のシンボルロゴは小野小町のシルエット、赤のラインで高速走行、シルバーラインで未来とのつながりを表現したものとなっている。

低重心化のため空調装置は床下に設置され、屋根高さはE5H5系と同じ3650mm(E3系比で430mm低い)。

(因みに巷では第一印象から「なまはげ」呼ばわりされてしまっていたが、実際この茜色はなまはげをはじめ秋田の伝統工芸に使われる赤をアレンジしたものなので、見方によっては別に間違っているとはいえない。)

最高速度は東北新幹線で320km/h(宇都宮-盛岡間。2014年3月のE3系完全置き換えまでは300km/h)、秋田新幹線(奥羽本線・田沢湖線)で130km/h。

E5系同様車体傾斜装置を搭載し、最大傾斜角度は1.5度(在来線区間では作動しない)。R4000mのカーブでも320km/hで走行可能。

パンタグラフもE5系と同タイプの片持ち式シングルアーム形で、遮音板は在来線の車両限界に則した形状のものを装備。Fastech360Zに装備されていたような可動式タイプでは故障時のリスクが非常に大きいため、本系列では固定式を採用。

車体の揺れを検知するフルアクティブサスペンションは、アクチュエータをE3系の空気式から電気式に変更し全車に搭載。

E3系でおなじみの併結装置、新幹線区間で使用するステップもちゃんと装備する。

インテリア

編成あたりの定員はE3系と同じ336名。

グリーン車

定員22名でシートピッチは1160mm。

秋田県の伝統工芸がモチーフで、樽岡焼きの釉薬「海鼠釉(なまこゆう)」のイメージの青、「川連漆器(かわつらしっき)」の漆の茶色、ブナの色合いを配した落ち着きあるもの。

全席にモバイルコンセントを装備する。

大曲方(デッキ側)の1列席は車椅子対応席。

普通車

シートピッチは従来のE3系の一部910mm(485系普通車と同レベル)から全席980mmに統一され、居住性が大幅に向上。

実りを迎えた稲穂をイメージした黄金色のモケットで明るい車内を演出。

コンセントは窓側・妻面に面した席に装備。

東京方の1列席は車椅子対応席。

車内設備

12号車男性用トイレ、車椅子対応トイレ、ベビーベッド、多目的室、公衆電話、洗面所、AED
13・14号車男女共用トイレ、男性用トイレ、ベビーベッド、洗面所、荷物置場
16号車男女共用トイレ、男性用トイレ、ベビーベッド、洗面所、公衆電話

ちなみにS12(Z1)編成で14号車のトイレにあったオストメイト機能は量産車では12号車のトイレに移されている。

山形新幹線での運転

2018年10月26日・27日、山形新幹線福島駅新庄駅にてE6系による試運転を実施。

将来的には山形新幹線のE3系も秋田新幹線と同じE6系に置き換えると思われていたが、山形新幹線の新車は、新形式のE8系に決定した。

事故廃車

2022年3月16日23時36分頃に発生した福島県沖地震の影響により、東北新幹線の福島駅〜白石蔵王駅間で緊急停車中(※)の『やまびこ223号』(H5系H2編成+E6系Z9編成)の17両編成のうち、16両の車両が脱線。一部車両はレールから約1mも横に逸脱した。

車両は数日間掛けてジャッキやクレーンを使いレールに戻し、モーターカーや他の車両の牽引で、仙台にある新幹線総合車両センターに移動した。

調査の結果、車体に歪みが見つかったH5系とは異なり、外観では安全上の重大な欠陥はなかったが、台車や車体内部の配線、搭載機器に影響がないかまでは確認できなかったため、営業列車としての使用には適さないと判断され、廃車となった。(参照)

なお、15~17号車の3両は、2024年3月、新幹線総合車両センター内に開設された新幹線車両総合訓練設備「TEC―BASE」で活用される。

※…この地震発生の2分前にもほぼ同じ場所で地震が発生しており、現場で緊急停車していた(脱線時の映像・閲覧注意)。

トラブル

2024年9月19日にE5系U28編成と連結してはやぶさ・こまち6号の運転に就いていたZ12編成が、東北新幹線を走行中に連結が分離しE5系とE6系の編成が分割され、古川駅~仙台駅間(鳴瀬川付近)に緊急停車した。

当該列車は仙台へ別々に移動した後に運転を打ち切った。

その後、JR東日本の調査でZ12編成の強制分離スイッチの裏側に車両製造時の切りくずとみられる金属片があったことが判明。これが原因で回線がショートしスイッチが誤作動したことで連結が分離されたと推定されている。

他のE6系10編成にも金属片が見つかっていたが、現在は全て取り除かれている。

E6系から変形する「E6こまち」が、続編のシンカリオンZではザイライナーE259ネックスとZ合体する「シンカリオンZ E6こまち」がそれぞれ登場した。

2024年4月から放送のシンカリオン_チェンジ_ザ_ワールドにも登場。こちらはトップリフター型のエルダビークル・エルダトップリフターと合体することでトップリフターフォームへとパワーアップする。

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