E954形同様360km/hでの営業運転を目標とした試験列車であるが、在来線への直通を考慮しているため車体はE954形より一回り小さく、また台車も在来線走行時のレールの横圧軽減のためにヨーダンパーの減衰力が切り替えられるようになっており、パンタグラフの遮音板も在来線走行時は格納される。また電源電圧も在来線交流電化区間の20,000Vと新幹線の25,000Vの両方に対応している。新幹線走行時にE954形と高さをあわせるため空調機器は床下に配置されている。
編成
全車両電動車(ただし1号車と6号車の運転台寄り台車のみ付随台車)の6両編成。主変換機やモーターの試験のため1~3号車と4~6号車の3両1組のユニットを組んだ編成となっている。主制御機は言うまでもなくVVVFインバータ制御。
動力車モーター構成
1~3号車(11~13号車)
370kW三相誘導モーター10基
4~6号車(14~16号車)
355kW三相同期モーター10基
先頭車形状
先頭車形状はe954系のアローラインと同一であるが、比較試験の為にE955-1が13mなのに対し、E955-6では16mと長さが異なる。
パンタグラフ
新幹線走行のみを考慮した一本主枠構造のパンタグラフだと在来線走行に対応できないため、E954形に搭載されたものを改良したくの字型のシングルアームパンタグラフを2種類搭載している。
空気抵抗増加装置(通称猫耳)
E954と同じく緊急時用として装備されていたがE954系の量産車であるE5系と同じく、E955系の量産車であるE6系にも採用は見送られた。
集音板
E955系の遮音板は、在来線の車両限界に対応するよう、車体内に自動格納される構造になっていて車内の遮音板格納部分はトイレや洗面所等のサニタリースペースとされていた。当初は側面から見た形状が長方形だったが、後に走行テストや風洞実験などの結果を踏まえ、30度の傾斜角を持たせた台形で固定式の物に交換された。
因みにE955系で採用されていた可動式遮音板はこれが初では無く、同じ新在直通用新幹線として登場した400系とE3系の試作車にも可動式のパンタグラフカバーが搭載されていたが、いずれもE6系と同じく不採用となっている