鉄道車両において使用されている形式のひとつ。
鉄道院3000形蒸気機関車
北海道庁鉄道部が1899年から1900年にかけてアメリカのボールドウィン・ロコモーティブ・ワークス社から計3両を輸入した車軸配置2-6-2の飽和式タンク機関車。
北海道官設鉄道時代はD2形、官設鉄道編入後はBb形を名乗り、1909年の車両称号規定改正に伴い3000形となった。
典型的なアメリカンスタイルの蒸気機関車で、軸配置2-6-2の蒸気機関車としては国鉄最小の機関車だった。
1910年からは樺太庁鉄道に貸し出され、以後は樺太で使用されたという。
樺太庁鉄道や鉄道省の在籍記録等から1941年(昭和16年)から1943年(昭和18年)の間に廃車処分されたものと推定されている。
札幌市交通局3000形
1978年より札幌市営地下鉄南北線で運用されていた電車。編成とドア数は2000形と同じく8両編成・2ドアとなっている。8両×5編成の40両が製造された。
南北線の5000形への統一と、それによるワンマン化やホームドア設置工事を行うため2012年に全廃された。
函館市交通局3000形
函館市電の車両。1993年にアルナ工機で製造された。北海道の路面電車として初の冷房車でもある。4両在籍。
2015年から2019年にかけてライトや行先表示のLED化・運賃表示器に液晶表示の導入するなど大規模改修が施されている。
京成電鉄3000形(初代)
都営地下鉄浅草線乗り入れ車両として1958年に登場。当初は1372mm軌間専用で塗装がいわゆる「青電」(京成の旧型車両に採用されていた塗装)であったが、都営浅草線乗り入れに際し1435mm軌間に改軌、塗装変更を施した(いわゆる「赤電」の始まり)。1991年に全廃。
京成電鉄3000形(2代)
2003年登場の通勤型電車。京成グループ標準車体と呼ばれており、車体構造が同じな姉妹車両として、成田空港アクセス特急専用の京成3050形(3000形7次車)や北総鉄道7500形、新京成電鉄N800形、千葉ニュータウン鉄道9200形も存在する。
総武流山電鉄→流鉄3000形
西武鉄道の旧101系を1999年に導入。旧101系で唯一の他事業者への譲渡事例である。3両編成2本が在籍。流鉄での塗装とニックネームは3001編成が橙色の「流星」3002編成が黄緑色の「若葉」となった。
2010年に5000形に置き換えられる形で引退。
銚子電気鉄道3000形
伊予鉄道700形(元京王5000系(初代))を2016年に導入。2両編成1本。
塗装はかつてのトロッコ車両ユ101に施されていた「澪つくし」塗装(銚子の海をイメージ)でもある水色に白線と青色を纏っている。2022年11月にクハ3501の車端部がクロスシート化された。これはしなの鉄道の169系で使用されていた座席を譲り受けたもの。
小田急電鉄3000形(初代・SE車)
1958年登場。小田急電鉄としては初の本格的特急専用車両で、SuperExpressの頭文字をとってSE車と呼ばれた。
ロマンスカーと小田急3000形の記事も合わせて参照されたい。
小田急電鉄3000形(2代)
2002年より運行を開始した通勤型電車。1次車の24両は開口幅1600mmのワイドドア車だったが、2003年登場の2次車以後は通常の幅(1300mm)となっている。現在は6両編成27本、8両編成8本、10両編成12本が在籍し、小田急電鉄の車両の中では最大の勢力である。
箱根登山鉄道3000形
車両愛称は「アレグラ号」。2010年代に入り箱根登山鉄道では繁忙期にもかかわらず2両編成で運行する列車が存在するなど輸送力不足の傾向が見え始めたため、その対策としての輸送力増強用として、両運転台車2両が2014年に運行開始した。3000形のみの2両編成の運用のほか、2両固定編成の2000形・3100形とつないで3両編成の運用も行える。
塗装されているがステンレス車体であり、車体デザインは展望を考慮して大窓構造となった。
TOMIXのNゲージで模型化されている。
東京市電気局3000形
1923年から1924年にかけて東京市電気局(東京市電)に投入された木造ボギー車。
それまでの路面電車に存在していたデッキを廃した近代的な形態の東京市電初の低床車で、緑色を基調とした車体塗装から「青電」の通称があった。
製造初年に発生した関東大震災で13両が焼失、そしてこの震災からの復興のため翌年から当時としても異例の大量生産が行われ、総製造数は610両となった。
しかしその半数以上が東京大空襲で焼失し、生き残った車両は2000形あるいは後述の新3000形に改造された。
映画『ハチ公物語』や『帝都大戦』で復元された車体が撮影に使用されたことがある。
この「大道具」は映画「ハチ公物語」のために1両が日本車輛に残っていた図面を元に作られた。映画「帝都大戦」のためにもう1両作られ、こちらはD-10形台車まで再現された。『帝都大戦』劇中の関東大震災のシーンの撮影で1両が燃やされ、残った1両は撮影後に飲食店のディスプレイとして転用されたという。
東京都交通局3000形
1949年から1953年にかけて東京都交通局(都電)に投入された鋼製ボギー車。
→東京都交通局6000形も参照。
横浜市交通局3000形(市電)
1947年より投入された、横浜市電としては戦後初の大型ボギー電車。30両が製造された。1948年の車両番号整理に伴う形式名変更に伴い1300形となった。1311号が横浜市電保存館に静態保存されている。
横浜市交通局3000形(市営地下鉄)
1992年から横浜市営地下鉄ブルーラインに投入された車両で、マイナーチェンジを繰り返しながら増備された。
静岡鉄道A3000形
1000形の置き換え用として2016年春運行開始。2両編成12本を導入し、このうち7編成はレインボーカラー。車体はsustina仕様。
名古屋市交通局3000形(市電)
工員輸送を目的に1944年に10編成が製造された。名古屋市電では2形式目の2車体連接車である。資材不足のため、一部の機器は旧型車から流用した。
当初はその容量の大きさを活かし広小路線で運用され、地下鉄延伸により熱田・大江線で活躍した。晩年はラッシュ輸送や団体列車に従事し、1970年に全車廃車となった。
現在1編成がレトロでんしゃ館に保存されている。
名古屋市交通局3000形(市営地下鉄)
1977年より名古屋市営地下鉄鶴舞線に投入された電車。名古屋市営地下鉄初にして唯一のセミステンレス車であり、初の新製冷房車。
名古屋市交通局N3000形
先述の3000形の置き換え用に投入された電車。第1編成のみアルミ車体、第2編成以降はステンレス車体。
大阪市交通局3000形・3001形
大阪市電の車両。大阪市電初の高性能電車で1953年製造。いわゆる「和声PCCカー」の1両であり試作車的な位置づけであった。3000号の1両のみ導入し、その後に量産型の3001形が1956年以降50両導入されて市内の各線で使用された。量産型のラストナンバーである3050が現在も緑木検車場内の市電保存館で保存されている。
神戸市交通局3000形
1993年より神戸市営地下鉄西神・山手線向けに製造された車両。
神戸新交通3000型
「六甲ライナー」の2代目車両として2018年より運行を開始。既存の1000型の代替用。
1000型と同じく川崎重工が製造を担当している。2023年度末までに六甲ライナーの11編成、全44両が本車両に置き換えられた。
1000型と色を逆転させたような塗装が外観上の特徴。車内ドア上には小型のLCDディスプレイ、右端には防犯カメラが設置されている。路線が短いこともあり座席は硬め。
広島電鉄3000形
(画像左の車両)
広島電鉄初の3車体連接車。元々は西鉄福岡市内線の連接車であったが、福岡市内線の第一次廃止に伴い1976年から広島電鉄に移籍。当初は西鉄時代同様2車体連接のまま使用していたが、1979年から3車体連接に改造された。3車体連接改造後、宮島線直通運用に就いていたが1998年に市内線への移籍、それ以降は市内線で運用されている。8編成のうち3001号は廃車、3005号と3006号はミャンマーへ譲渡された。残る5編成も後継車両の導入で廃車が進み、2024年5月現在3003号1本が休車扱いで残るのみとなっている。
とさでん交通3000形
旧土佐電気鉄道時代に導入した100形「ハートラム」以来、16年ぶりとなる新形式車。愛称は「ハートラムⅡ」。2018年3月より運行開始。アルナ車両のリトルダンサー・タイプUaを導入したもので、3車体2台車構造の低床連接車。同シリーズの兄弟車両としては豊橋鉄道T1000形や富山地方鉄道T100形がある。長らく1編成のみであったが2021年に第2編成が増備された。
筑豊電鉄3000形
1988年から1996年にかけて、2000形非冷房2連接車の機器を流用した車体更新車で、筑豊電鉄初の自社オリジナル車両である。その後の改造で補助電源装置にVVVFインバーターを導入したためツリカケ駆動なのに高性能車両と遜色のない魔改造車両となった。現在は同社の主力車両を務めているが主電動機などの部品調達に限界が見えてきたため、2026年度から低床の新型車両を導入し本車両を置き換えていく方針であることを明らかにしている。
西日本鉄道3000形
西鉄初のステンレス車で、日本のステンレス鉄道車両で初めてレーザー溶接製法が採用された車両。2006年から営業運転開始。2007年度鉄道友の会ローレル賞受賞車両。
3ドア・クロスシートを採用しており主に急行・特急運用に就いている。
長崎電気軌道3000形
2003年導入の低床型路面電車。リトルダンサーシリーズの1つ。国内技術では初となる客室の完全低床化(台車部分を含む)を実現した超低床路面電車としても知られ、同年のグッドデザイン賞、2005年の鉄道友の会のローレル賞をそれぞれ受賞している。3編成導入し、以降の増備は5000形へ移行された。
南阿蘇鉄道MT-3000形
MT-3001・MT-3010の2両。前車は1993年、後者は1998年に製造された。
足回りこそ共通であるが車体形状が大きく異なっており、MT-3001は非貫通の展望構造(秋田内陸縦貫鉄道AN-8900形や高千穂鉄道TR-300形を両運転台にしたような形)に対して、MT-3010はレトロ調の貫通型箱型車体となった。
MT-3001はセミクロスであったがロングシート化、MT-3010はクロスシート車である。
MT-3001はMT-4000形の導入に伴い2024年2月に廃車となった。MT-3010は南阿蘇鉄道の全線運転再開を記念して、内外装を「サウザンドサニー号」をモチーフに装飾した「サニー号トレイン」として運行している。