概要
北総鉄道が運行する路線および車両のうち、旧住宅・都市整備公団【→都市基盤整備公団】が建設・保有していた施設および車両を受け入れるために設立した京成電鉄100%出資の会社で、北総鉄道に施設を貸す第三種鉄道事業者である。本社は京成電鉄本社内【千葉県市川市八幡】。ちなみに従業員はいない(社長のみ)。
1984年から千葉ニュータウンの鉄道事業に参入していた「都市基盤整備公団」が、2004年7月に独立行政法人「都市再生機構(UR)」に組織変更した際に千葉ニュータウンにおける鉄道事業を手放した。その受け皿として京成電鉄が出資して「千葉ニュータウン鉄道」を設立した。なお、駅施設の管理および車両の運行管理は従来どおり北総鉄道に委託している。
保有している資産
- 北総線の小室〜印旛日本医大間の線路および駅施設 (※小室駅を除く)
- 旧公団が建造した車両(9000形・9100形) (※9000形は2017年運行終了)
- 千葉ニュータウン鉄道移管後の新形式車(9200形) (※9800形は京成3700形のリース)
- 印旛車両基地(印西牧の原〜印旛日本医大間に所在)
千葉県営鉄道北千葉線
元々本路線は千葉県営鉄道北千葉線として計画されていた路線であり、小室駅から北総鉄道と並行して新鎌ヶ谷駅へ、更にそこから分岐して本八幡駅に至り都営新宿線と直通運転を行う予定だった。
当初は最大18m車8両と規格が小さく京成本線からの旅客も同時に捌かねばならない浅草線に直通する北総線ルートよりも、20m車10両規格で運転可能な上に完全新規ルート故に一本道で対応できるこちらの北千葉線ルートの方が本命視されていた。ところがオイルショックによる物価高騰や成田空港建設反対運動への対応やらでなかなか建設に着手できず、一方の北総線ルートは新京成線北初富駅へのアプローチ線を建設する事で松戸駅経由での都心アクセス経路を確立してしまった。仕方がないので北総線の末端である小室以東だけ先行開業、暫定的に北総線と直通させて千葉ニュータウン中心部からの都心アクセスの足だけ確保する方針に転換した。そしてこの区間の建設免許を新たにニュータウン建設に参画した宅地開発公団(住宅・都市整備公団の前身のひとつ)に譲渡。この暫定ルートこそが現在の千葉ニュータウン鉄道そのものである。
その後も北千葉線建設計画は一応残存していたものの、1992年には北総線との並走ルートを除いた本八幡~新鎌ヶ谷間のみの建設に計画を縮小。それでもバブル崩壊による県・沿線自治体の財政悪化や千葉ニュータウン入居者伸び悩み、更に北総線含む県内第三セクター路線の収益の悪さなどもあり2000年に建設計画の中止が発表された。千葉県議会ではその後も北千葉線再事業化の道を模索していたものの、結局2013年に検討委員会を解散した。これにより北千葉線計画は完全に消滅した。