2600系
JR四国の主力である2000系気動車のうち、リニューアル工事を行わなかった車両の代替用として新型車両の開発を進めることになり、2017年に2600系として2両編成が2本落成した。同年8月11日に団体専用列車で営業運転を開始。同年12月2日に高徳線系統の特急「うずしお」にて営業運転を開始している。
繁忙期には運転区間が短縮され、高松駅-多度津駅の接続列車となる「しまんと」「いしづち」にも使われる。
この2編成は「量産先行車」としての位置づけであり、同社8600系電車をベースにした内装と、空気ばね式車体傾斜装置を備えている。最高運転速度は120km/h。
四国各地で試運転させてから量産車についての検討が行われる過程で、カーブが連続する区間を有する土讃線において空気ばね制御に用いる空気容量の確保に課題があることが判明したため、2600系の製造は4両で終了。量産は2000系車両と同じ制御付き自然振り子装置を採用した2700系気動車へシフトした。
その為、本形式による「南風」は幻に終わったが、「しまんと」は前述の理由で運行実績がある。
なお、2000系とは異なり1両単位での増解結は不可能。
2700系
量産車は2600系の続番とはならず、新たに「2700系」の名で開発された。2000系車両と同じ制御付き自然振り子装置を採用し、最高運転速度はN2000系と同じ130km/hへ引き上げられた。
土讃線・予讃線・高徳線にて2019年8月より営業運転を開始。使用列車は「南風」「しまんと」「あしずり」「うずしお」。繁忙期の短縮運転で「いしづち」に使われる事もある。
2600系とほぼ同一の車体構造だが、振り子式になったことにより傾斜角が大きくなった(2度→5度)ため車体裾の絞り込みが大きくなっている。また、2600系との区別のため香川特産のオリーブをイメージした黄緑のラインを追加。座席も形状の見直しで2600系と比べて座り心地が改善されている。
2700系としての量産にあたり、普通車2700・2750形のほか、新たに半室グリーン車の2800形も製造されている。また、2000系同様に1両単位での増解結が可能(上述の通り、2600系ではこれができなかった)。
ただし、2000系での2200形(および2500形)にあたる運転台なしの中間車は存在せず、全車両が運転台つき先頭車である。
さらに、2600系とはもちろんのこと、制御付自然振子同士でも仕様が異なる為に2000系やN2000系との併結も出来ない。
また、土讃線のアンパンマン列車の後継車もこの系列となり、赤編成と黄色編成が4両ずつ導入された。うち2両ずつは量産先行車からの改造で、1両ずつは無塗装で納入された2800形からの改装である。
土佐くろしお鉄道にも同型車が2両投入されており、2000系と同様30番台(2730・2780)が割り当てられた。ただしグリーン車は投入されなかった。