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教習車とも呼ぶ。主に新人乗務員(運転士車掌)が車両の取り扱い、異常時の対処法などを学ぶのに用いられる。

専用の車両を用意する場合もあれば、営業用車両で代用する場合もある。

鉄道の訓練車編集

モヤ102編集

103系を改造した訓練車。営業用の103系と区別するため、白帯2本と「訓練車」の文字を入れ、網棚の撤去、ドアの一部締切、機材置き場の設置などを行った。

当初は非冷房の3両編成3本が用意され豊田・松戸・浦和の3箇所に配置されたが、保安装置の問題から本線走行に制約が出たため1995年に冷房搭載の4両編成3本に置き換えられた。

2000年に浦和所属編成が、翌年豊田所属編成がそれぞれ廃車され、最後まで残った松戸所属編成も2006年に廃車されて消滅した。

蛇足だが、かつて大宮訓練センターでは103系改造の訓練車が使用されており、こちらはモヤ102形とは異なり車籍のない機械扱いであった。209系へと代替されたため、現在は存在しない。

モヤ113編集

113系を改造した訓練車。外観はモヤ102と同様白帯2本と「訓練車」の文字を入れている。車内は半分の座席を撤去してミーティング用スペースと視聴覚機器を設置した。

2005年に廃車されて消滅。

115系訓練車(モヤ115)編集

115系を改造した訓練車。やはり白帯2本と「訓練車」の文字が車体に入り、車内に訓練用設備やロッカー・テーブルなどを設置した。

モヤ115形は豊田車両センターに在籍していたものが最後の車両であり、2016年に廃車となった。

モヤ115形以外では長野総合車両センター所属のN15編成が在籍していたが、209系に置き換えられ2019年に廃車・消滅。なお長野にはその先任として、115系300番代を転用したものや、モヤ115形を組み込んだ編成が在籍していた。

クヤ455編集

455系を改造した訓練車。交直流急行色に白帯2本と「訓練車」の文字が入る。

455系のトップナンバーであるクモハ455-1が鉄道博物館へ収蔵されるのに伴い、2006年に廃車された。

モヤ484編集

485系を改造した訓練車。青森と勝田にそれぞれ1編成配置された。2005年に青森車が、2007年に勝田車がそれぞれ廃車されて消滅。

キヤ28編集

キハ28を改造した訓練車。2008年に廃車されて消滅。

209系改造訓練車編集

京浜東北線八高線で運用されていた209系を改造した訓練車。正式には鉄道車両ではなく、車籍のない機械扱いのため、本線をそのまま走ることは出来ない。

大宮・久里浜・新秋津の訓練センターと長野総合車両センターに2両1編成ずつ置かれている。大宮のみ元八高線用3000番台、他は元京浜東北線用0番台。

その他JRの訓練車編集

JR東日本では上記の車両のほか、次の訓練車を所有している(た)。いずれも209系同様機械扱いである。

久里浜と新秋津の訓練センターには宮城野電車区所属であった105系を改造したものが存在しており、いずれも209系によって代替されている。新秋津には145系のクモヤ145-118も配置されており、こちらは現在も使用されている。

大宮訓練センターでは103系の前任として101系を改造した訓練車が用いられており、こちらも機械扱いであった。大宮には143系のクモユニ143-3も配置されており、前任のクモヤ143-21を置き換える形で使用が開始されている。

仙台訓練センターでは719系が使用されており、こちらも前任の417系を置き換える形で使用が開始されている。

このほか連結訓練用に貨車も使用しており、大宮と久里浜にはホキ800形、長野にはヨ8000形が配置されている。

私鉄の訓練車編集

大手私鉄でも自社社員の養成に訓練車を所有している事業者があり、いずれも廃車になった車両を活用している。


バスの訓練車編集

バスにも訓練車が存在する。事業者によっては「教習車」「安全運転訓練車」などと呼称が異なる場合がある。

自社の研修でしか使用しないため、営業車と異なり自家用の白ナンバーを付ける(長電バスのように緑ナンバーの訓練車も一部存在する)。車内には教官用の座席が設置されるほか、低燃費で効率のいい運転を行っているか確認するための機械や、障害物を確認するためのセンサなどが設置されている。

用いられる車両としては、現役を退いた営業車や他社の中古車から改造する場合もあれば、新車を発注する場合もある。また営業運転に用いないことから、利用者の誤乗防止のため自社の旧塗装を施す事業者も存在する(東武バスや小田急箱根など)。訓練車を所有しない事業者においては、一般の営業に用いられる車両で行う場合がある。

訓練車を所有する主な事業者編集

上記のとおり、公営事業者や大手事業者のほか、大手あるいは中規模私鉄のグループ会社の事業者であれば、だいたいが保有している。また地方の中堅事業者でも保有しているところが多い。

タクシーの訓練車編集

新人乗務員向けにメーターや無線機などの取り扱い方法を学習するため、大手を中心に訓練車を所有している。

その多くがかつてタクシーとして走り回っていた車両であり、メーターや無線機、スーパーサインがそのままとなっている。ただし行灯については取り外されている。

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